「ぼくは、かみの ぼうしを かぶり、あたらしい らっぱを もって、
もりへ、さんぽに でかけました。」
と始まるマリー・ホール・エッツの絵本『もりのなか』
昔、これ何度も小さい息子と読んだなあ、と思いつつ背表紙の部分が日に焼けて退色してしている絵本を本棚からだしてみた。
表紙こそ白黒以外に茶色が使われているが、中を開けるとそこはモノクロの世界が広がっている。
とても静かなようで、耳を澄ますと本の中からぼくの声、出会った動物の声、そして最初からずっと流れている森の声が聞こえてくる。
そうだ、私も「ぼく」のように散歩に行ってこよう!
ここでは「ぼく」のような素敵な冒険が待っているわけではないけれど、でも歩いているのは楽しい。
どこへ続いているのだろう?と思わせる階段があり、
開けた場所ではムクドリが集まって何かを探しまわっている。
思わず踏みそうになって、あっと飛びのいた・・・これはスズカケノキの実。
「ぼく」の散歩は次の言葉で終わっている。
「さようならぁ。みんな まっててね。また こんど さんぽに きたとき、さがすからね!」
同じ作者の絵本でこれもお気に入りの一冊『ジルベルトとかぜ』