2013年/オランダ/86分
原題:Matterhorn
監督・脚本:ディーデリク・エビンゲ
出演:トン・カス、ロネ・ファント・ホフ、ポーギー・フランセ、アリーアネ・シュルター
ストーリー:妻に先立たれ、オランダの田舎町でひっそりと単調な毎日を送るフレッド。ある日、言葉も過去も持たないテオがフレッドの家に居ついてしまい、男2人の共同生活がスタートする。フレッドとテオの間にいつしか友情が芽生え、何も持たないテオの生き方からフレッドは真の幸せを学んでいく。~映画.comより
友人に薦められて観たオランダ映画。
静かな出だし、どこまでも続くまっ平らな土地、そしてそこで続く厳格なカルヴァン主義の教会を中心とするオランダの田舎の村での生活。
使われているのは全てJ.S.バッハ、特にマタイ受難曲が心に残る。しかも、映画の冒頭
”「難しくはない。しかるべき時にしかるべき鍵盤を叩きさえすればいいのだ」 ――― ヨハン・セバスティアン・バッハ”
という一フレーズが流れる。
いや確かにそうなんだよな~、と引っかかりつつ物語の流れに乗っていると、これが実はすごい一言であることを知ることになる。
バッハで彩られた音楽の中に飛び込んでくる"This is my Life(La Vita)"にその歌詞と一気に全てが解放される瞬間が重なって感動で胸が一杯になる。そしてラストシーンでのマッターホルンの神々しい美しさがいつまでも心に残る。