Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ブラス/Brassed Off

2007-05-30 00:03:49 | 映画 は行
                
1996年/イギリス/107分
監督:マーク・ハーマン
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
出演:ピート・ポスルスウェイト、ユアン・マクレガー、タラ・フィッツジェラルド、スティーヴン・トンプキンソン、ジム・カーター、メラニー・ヒル、スー・ジョンストン、フィリップ・ジャクソン、メアリー・ヒーリー

読んでいる本の中で紹介されていた映画「ブラス」をDVDで観た。
『廃坑で揺れる炭坑の町の名門ブラスバンドが、苦節をへてコンクール優勝の栄光をつかむまでを描いた群像劇。実在の英国の名門ブラスバンド、グライムソープ・コリアリー・バンドがモデルで、劇中の楽曲は同バンドが演奏し、メンバーも出演者にまじって登場。』(goo映画 解説より)
原題はBrassed Off、気になって調べたら「brassed off〔英俗〕うんざりして」となっていて、ブラスバンドのブラスと、かけているんですね。

お腹の底~の辺りでしんしんと感じる作品だった。音楽に満ち、音楽に対するやり取りの中でこちらの心も自然に反応する。
ブラスの作品が何曲か劇中で流れるが、特にダニー・ボーイ/ロンドンデリー・エアはその奏された場面とともにいつまでも心の奥深いところに留まる。そうしたブラスバンドの演奏がくっきりと浮かび上がるように、音楽が工夫されて使われているのも印象的。というか、それ以外に無駄な音がない!
廃坑騒ぎで揺れに揺れる炭鉱の町での名門ブラスバンド、その構成員一人一人にとっての、人生とは、生活とは、家族とは、そして音楽とは・・・それぞれが突きつけられるこれらの問い。それは翻って観ている自分自身にも問いかけ、呼びかけられているのだ。

朝日新聞夕刊に連載されている「人生の贈りもの」で写真家・荒木経惟のシリーズが月曜日から始まった。その第1回で思わずどき~んとした言葉がある。そして、それはどこかで、この作品と響きあう気がするのだ。
「・・・たとえば成功と失敗があるとするでしょ。失敗という要素がはいっていないと成功にならないわけですよ。まぜこぜにならないと生きている、動いているという感じがない。・・・」
コメント (2)
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