□ Camille / "Le Fil"
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Assise
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Baby Carni Bird
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Pâle Septembre
Release Date; 14/02/2005
Label; Virgin
Cat.No.; 63878
Format: 1xCD
>>
http://www.camille-lefil.com/
>> tracklisting.
01. La Jeune Fille Aux Cheveux Blancs
02. Ta Douleur
03. Assise
04. Janine I
05. Vous
06. Baby Carni Bird
07. Pour que l'Amour me Quitte
08. Janine II
09. Vertige
10. Senza
11. Au Port
12. Janine II
13. Pâle Septembre
14. Rue de Ménilmontant
15. Quand Je Marche
16. Femme liberee (secret track)
camille: drone*, vocals, backing vocals, beatboxes, percussion, piano (13)
Martin Gamet: bass, double bass, percussion (3, 6, 11, 13), beatbox (15)
Matthew Ker alias MaJiKer: percussion (9, 10, 11), (piano 5, 6), synthesizer (7, 8)
Julien Chirol: trombones and trombone arrangement (2, 11, 12, 13, 15)
Sébastien Martel: elastic guitar (3, 11, 12)
Antoine...: : guitar (6)
* note sustained throughout the entire album
BBCラジオ3主催の
Awards for Wolrd Music 2007のヨーロッパ・グランプリや、
Victoire de la Musiqueの新人賞を獲得するなど、発表より2年経た今でも徐々に評価を高め続けている28歳(発表当時26歳)の才女、Camille Dalmaisの傑作アルバム。
2ndとなる当作は、アルバム全編をカミーユ自身による倍音のヴォイス・ドローンのハーモニックなサーキュレーションが覆い尽くし、ライムを多用した可憐なポップヴォーカルを中心に、更にスキャット、アカペラ、ヒューマン・ビート・ボックスがオーヴァーダブされる、"声"を最大限に活かしたもの。
多くの批評が言及し、本人も認めている通り、Björkの"Medúlla"の直接の影響が窺われますが、やや民族回帰的なエスノ・シャントは、寧ろMeredith MonkやSheila Chandraなど、より現代音楽のアヴァンギャルドなオリジネイターによるヴォイス・パフォーミングのそれに近い。然し乍ら、キーボードやピアノ、ギターによる小気味の良いアレンジはまさしくフレンチ・ポップスやボサノヴァのシンプルな清涼感も同時に醸し出しており、電子的に加工されたスキャットやコーラスのサンプリングは、どちらかというとアーティスティックというよりも寧ろ、キッチュな魅力に溢れていて、独特の世界観を堅持しています。
"Rue de Ménilmontant"では、オールド・シャンソンを彷彿とさせる古風な歌唱スタイルを披露、加えてアンティーク・レコード時代の音質を再現してノスタルジーを味合わせてくれる他(アナログのスクラッチ・ノイズがビート様に刻まれる)、パーカッションの仕事が冴え渡る"Assise"や"Au Port"を筆頭に、バンド演奏とプログラミング・エレクトロニクスが前面に出ている部分も、この作品の『新しさ』と言えるでしょう。
タイトルの示す如く、このアルバムは一本の糸に紡がれた物語のように構成されていて、比較的小さな短編曲と、それらを繋ぐ間奏曲的なトラックが交互に連綿と演奏されます。まるで一冊の絵本を読み終えたような、心地(っ´▽`)っ良い読後感が得られる作品。シークレット・トラックの"Femme liberee"は、30分間のドローンの後に、カミーユの独白と妖しい喘ぎ声が挿入されます。