冬の寒い朝、まだ幼い子供達が冷たい川に足を踏み入れ、川底の泥の中から、シジミをとる。手足は、冷たさのためにアカギレがひどい。とれたシジミは町へ持っていって売り歩く。
「シジミー、え、シジミ、シジミはいらんかえ」
売れたお金が、お小遣いになる子供はまだ幸せだった。親の暮らしを助けるためにシジミを売る子供達も多かった。
そんな光景も、すっかり昔話になってしまった。シジミの味噌汁を見ると何か悲しい光景を思い浮かべるのは、今では年寄りだけだろう。
今では、東京近辺の河川は汚染されてシジミも採れなくなった。柏の手賀沼の近くの河川でも昔はシジミがとれた。今では、手賀沼でシジミがとれると大騒ぎである。日本で一番汚いと云われた手賀沼が浄化されシジミが帰ってきたと宝石でも見つけたような騒ぎになる。
日本人の心の故郷のような寒のシジミ。島根産の大和シジミをクアトロではパスタにしてみた。アサリより値段が高いシジミだが、このパスタは心と体を元気にしてくれることだろう。
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