ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

容疑者Qの献身

2009年01月22日 | 食材の話

S 事件は豊四季という町の奇妙なイタリアン「クアトロ・スタジオーネ」で起きた。その日は、冷たい雨が朝からしとしとと降っていた。
ランチタイムにクアトロのパスタを堪能したお客様は、締めくくりのデザートも楽しみにしていた。何せランチタイムはデザートの盛り合わせを300円で食べられる。何組かのお客様がそのデザートを注文した。
事件は、そのデザートの皿の上で起きた。
デザートには、クアトロのママの手作りの“ティラミス”とそれに対抗するかのようにクアトロの父手作りの“チーズケーキ”が並んでいる。そして、今日は赤く熟したイチゴが添えられている。そのイチゴを口にしたお客様は一様に驚愕を覚えたのだった。
このイチゴは何なのだ。甘い、とても甘い、しかし甘いだけでなくしっかりとした酸味もありとてもジューシーだ。
イチゴはデザートの飾りに使われるものだと思っていたお客様たちは、そのイチゴの美味しさの謎に取り憑かれるのであった。
この捜査に助言を求められたガリレオは、難なくその謎をひもとくのであった。
「このイチゴは、昨日クアトロの夫婦が筑波山の麓にある八郷のイチゴ園で完熟のものを購入してきたから美味しいのだ、たいした問題ではないのだ」
「しかし、まてよ」
「そのイチゴはデザートの盛り合わせの上に乗っていたというが・・・」
ガリレオはある疑問を抱いた。
「そもそも、イチゴは果物なのか、果物ならばデザートとして出されておかしくないのだが、果物とは木になった果実を云うのだろう」
「イチゴは草の実なのだから野菜ではないのか、そうだメロンもスイカも野菜じゃないか」
クアトロ夫婦が献身的に遠く筑波山を越えて仕入れてきたイチゴは、果実を不正に名乗る容疑者となったのだった。
果実か野菜かの容疑が晴れないイチゴではあるが、今日明日ならば美味しい八郷の完熟イチゴをクアトロで堪能できる。

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