Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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日本学術会議公開シンポジウム「神経科学領域の倫理的課題」のご案内

2022年08月06日 | 医学と医療
脳の疾患の克服を目指し,脳科学は日進月歩の進歩を遂げています.病気で苦しむ患者・家族にとって希望の光となる一方,これまで経験したことがない倫理的問題も生じます.例えば最先端の脳機能イメージングで脳活動をモニターしながら訓練をおこなうニューロフィードバック治療では,ヒトの心を操れる可能性があります.そもそも脳機能イメージング技術を用いるとヒトの心を読み取れてしまう可能性があります.また再生医療に関しては,試験管の中で幹細胞から脳のミニチュア(脳オルガノイド)が作れるようになっていますし,iPS細胞もがん化しないと必ずしも言い切れないことや,細胞を提供してくれた人の遺伝情報が解読できてしまうことが問題です.さらには動物の体内でヒトの臓器を作れてしまったり,ヒトの脳細胞や意識をもった動物が作れてしまったり,最終的にヒトの精子や卵子を作成して個体を作れてしまったりするわけです(AMEDパンフレット参照).

これらは当然,研究者や患者・家族だけの問題ではなく,さまざまな立場のひとびとが自由,かつ慎重に議論し,時間をかけて社会的合意を形成していく必要があります.8月27日(土)13:00~17:00にZoomオンラインにて,この問題を議論する重要なシンポジウムが開催されます.どなたでもご参加いただけます.プログラムは下記よりご覧いただけます.ぜひ多くの人にご参加いただければと思います.

シンポジウム・ホームページ
参加申し込み


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