ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ソステヌートペダル

2010年11月18日 | クラシック豆知識
「この真ん中のペダルは何ですか?」と聞かれることが時々あります。ピアノという楽器には必ずペダルがついていますが、このペダル、二本ついているピアノと三本ついていてるピアノがあります。グランドピアノではペダルは三本とういのが、ほぼ当たり前のようですが、古いタイプのグランドピアノには
二本のものがあります。真ん中にあるペダルのことを「ソステヌートペダル」と呼びます(アップライトピアノで、真ん中のペダルが弱音ペダルになっているものがありますが、それとは違います)。

このソステヌートペダルとは、ある特定の残したい(伸ばしたい)音のみを残したまま、指ではおさえたままにせずに他の音を両手で自由に弾くことを可能にするペダルです。要するに、踏んだときに押していた鍵盤の音だけが長く引き延ばされる特殊な機能です。一番右についているダンパーペダルは、弾いた音全部が残っていくのですが、それとは違い、ソステヌートペダルは、ほんの一瞬先に弾いた、その音、ソステヌートを目的に合わせた、その音、だけが残せる仕組みになっています。

私は、ラフマニノフやドビュッシーの曲によく使います。生徒がレッスンで初めてソステヌートペダルの効果を知った時は、「お~!」と感動の声が上がります。とても面白い効果の出る便利なペダルですよね。私もその昔、このソステヌートペダルを初めて知った時は、同じように感動したことを覚えています。

ピアノという楽器は、どんどん製造技術が変化して改良が続けられて今日の姿になってきました。常に、作曲家の音楽や演奏の欲求を満たすために改良がなされているのです。

ですから、せっかく改良されたピアノの持つ可能性をフルに活用すべきだと私は思っています。もちろん、やみくもに使用するのではなく、ちゃんと演奏効果を狙ってやるべきなのはいうまでもありません。タッチやテンポとともに、ペダルの使い方というのは、個々のピアニストの個性が明らかになる重要な要素だと思っています。ダンパーペダルやソフトペダルは、いまやピアノ演奏においては、欠かせないものです。小さいうちから、ペダルの感覚や音の違いなどを経験させたいものです。とかく、鍵盤上だけの動きにとらわれがちですが、ペダルも含めた音づくりを勉強する必要があると思っています。



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