ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

子供の頃弾いた曲

2013年04月21日 | レッスンメモ
昨日、ベートーヴェンのソナタ10番をYouTubeでチェックしていて、バレンボイムの演奏に出会いました。素晴らしい!

私がこの曲を初めて弾いたのは何歳の頃だったかしら。たしか小学校の5・6年生の頃だったと思います。この曲を先生から渡された時の事は、はっきり覚えています。何しろ私にとってはこれが初めてのベートーヴェン。あこがれのベートーヴェンの曲を初めていただいたのですから嬉しくてたまりませんでした。その日のレッスンが終わると、いつもよりうんとスピードを出して自転車をこいで大急ぎで家に帰ったことを覚えています。

ところが、早速楽譜を買ってもらって見てみると、「え?こ、こんな曲?」と正直言って少し拍子ぬけしたのでした。あの頃の私はベートーヴェンといっても、聴いたことのあるのは家にあったケンプの演奏による三大ソナタのレコードだけ。これを毎日毎日、かじりつくようにして繰り返し聴いていました。私にとってのベートーヴェンへの憧れというのはまさにこうして育まれていたのです。

そういう期待と憧れをもってソナタの10番を見ると、これはちょっと様子が違う・・・。私が知っているベートーヴェンじゃない(笑)と思ってしまいました。これにはとまどいましたね。でも、せっかく先生から頂いた課題の曲です。まあ一応練習して結局最後までやりましたが、正直なところ、あまり好きにはなれないまま終わってしまったという感じでした。

自分が成長して大人になって、改めて聴いたり弾いたりすると、それまでとは全然違ってその曲の良さが分かるようになるということはよくあることです。私にとって、このソナタの10番もそんな曲の一つです。昨日、生徒のためにあれこれ曲を探しているときに、このバレンボイムの演奏を見つけて、ああ、こんな風に弾ければ・・・と思い、益々好きになりました。

DANIEL BARENBOIM BEETHOVEN'S SONATA G major Op. 14 No 2 1st mvt HD


子供の頃と成長して大人になってからでは感性も違います。また、ピアノの力量などによって好みも変化しますね。変化し続けると言ってもいいかもしれません。今、思えば最初に貰ったベートーヴェンのこの曲、もっと大事にすれば良かったと思います。大人になって弾いたとき、同じ曲とは思えないくらいの新鮮さがありました。

色々な時期に同じ曲を引っ張り出したりしまい込んだりすると、その曲への思いの変化も発見できます。だから、私はタンスにしまったり出したりして曲を楽しんでいます。

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コメント
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