楽譜には、休符がたくさんついています。この休符には、作曲家が「ここは音がない状態で」という意味で休符をつけています。
ピアノという楽器は、「音を発する」時に一番神経を使います。次々に新しい音を手や指を素早く動かしながら音を出して行かなければならないのです。そういう音を出す場所の指示が普通の音符だとすると、音を出さない、「音を失くす」という指示が休符です。音を出すことにばかり気を取られると、この作業に神経がいきにくくなります。
例えば4分の4の曲で左手に附点4分音符の伴奏がついていて、右手のメロディを一生懸命歌いながら弾いている時。一度左手を弾いたらもう安心して、その小節には音がないので、まだ左の音が鳴っているのに、気持ちはお休みモード。手はキーを押したままずっと気持ちではお休みしているという状態。そうなると左手が何拍伸びているとか、どこでお休みかという事が意識の外になります。そうやって左手の音を良く聴かないでいることがよくあります。その結果、右手との音の重なり、ハーモニーなどが、作曲家の意図とは違ってきたりするものです。
曲の終わりの長さもそうです。大抵はⅠ度のコードで終わるその音の長さは、曲全体の長さ、その音自体の長さ、休符、そしてフェルマータの有無などで色々考えるところです。
昨日、ある生徒にソナチネをレッスンしていると、その休符を最初全然、気にせずに弾いていました。ちょっと説明したらすぐできることです。何しろキーから指をあげればいいんですから!このちょっとしたことを気配りできるだけで、曲の感じが違ってきます。この指導をした後、ほんとにグッとよくなりました。やはり偉大な作曲家たちは、ちゃんと考え抜いて音の長さを指定しているということは間違いないですね。
ピアノのキーにいったん指を鎮めてしまうと、それでお休みになるような感覚にとらわれ易いのです。休符が現れたら、またピアノから手を離すという「作業」をしなければならないということをもっと意識しましょう。ピアノはキーが沈んでいる間、ずっと鳴り続け働いているわけです。休符が現れたら「お休み」ではなく「始動」という感覚を身につけなければいけません。「もういいよ」とピアノを弾く人が指をキーから上げてその合図をしないと、ピアノはずっと働き続けます(弦が鳴り続けます)。ピアノは、音を出すことばかりではなく、押したキーをどこで離すかという音を失くすところにもきちんと注意を払って行くことが大切ですね。
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ピアノという楽器は、「音を発する」時に一番神経を使います。次々に新しい音を手や指を素早く動かしながら音を出して行かなければならないのです。そういう音を出す場所の指示が普通の音符だとすると、音を出さない、「音を失くす」という指示が休符です。音を出すことにばかり気を取られると、この作業に神経がいきにくくなります。
例えば4分の4の曲で左手に附点4分音符の伴奏がついていて、右手のメロディを一生懸命歌いながら弾いている時。一度左手を弾いたらもう安心して、その小節には音がないので、まだ左の音が鳴っているのに、気持ちはお休みモード。手はキーを押したままずっと気持ちではお休みしているという状態。そうなると左手が何拍伸びているとか、どこでお休みかという事が意識の外になります。そうやって左手の音を良く聴かないでいることがよくあります。その結果、右手との音の重なり、ハーモニーなどが、作曲家の意図とは違ってきたりするものです。
曲の終わりの長さもそうです。大抵はⅠ度のコードで終わるその音の長さは、曲全体の長さ、その音自体の長さ、休符、そしてフェルマータの有無などで色々考えるところです。
昨日、ある生徒にソナチネをレッスンしていると、その休符を最初全然、気にせずに弾いていました。ちょっと説明したらすぐできることです。何しろキーから指をあげればいいんですから!このちょっとしたことを気配りできるだけで、曲の感じが違ってきます。この指導をした後、ほんとにグッとよくなりました。やはり偉大な作曲家たちは、ちゃんと考え抜いて音の長さを指定しているということは間違いないですね。
ピアノのキーにいったん指を鎮めてしまうと、それでお休みになるような感覚にとらわれ易いのです。休符が現れたら、またピアノから手を離すという「作業」をしなければならないということをもっと意識しましょう。ピアノはキーが沈んでいる間、ずっと鳴り続け働いているわけです。休符が現れたら「お休み」ではなく「始動」という感覚を身につけなければいけません。「もういいよ」とピアノを弾く人が指をキーから上げてその合図をしないと、ピアノはずっと働き続けます(弦が鳴り続けます)。ピアノは、音を出すことばかりではなく、押したキーをどこで離すかという音を失くすところにもきちんと注意を払って行くことが大切ですね。
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