日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

旅 トルコ(13)イスタンブール歴史地区を歩く③ アナソフィア踏み石の光

2007-05-02 20:14:44 | 旅 トルコ

すぐ隣のキリエ博物館で絨毯に見ほれた後、西暦360年、つまり気の遠くなるような今から1750年ほど前に建てられたギリシャ正教の大本山だったビザンツ建築の最高傑作といわれるアヤソフィア博物館に足を運ぶ。

この建築は漆喰で塗りつぶしてイスラム寺院として使われていたが、元に復しアタチュルクによって博物館として公開されるようになったのだ。
ガイドブックには「時代に翻弄されて幾たびも姿を変えた」と記されている。この17文字でトルコの苦難の、或いは豊かな文化を汲み取れるような気がした。
2階が回廊のようになっていて、上がっていくスロープの石がまったりと光っている。どれくらいの人々がこの石を踏んだのだろうか。

トプカプ宮殿にも足を伸ばした。様々な部屋のタイルに眼を奪われながら歩き回ったが疲れた。川の様に見えるポスポラス海峡を行き来する船を見ながら、階段を少し下りる野外レストランに目をやる。
日差しが強く、腹の調子もよくなく、ここでゆっくり昼食でも食べると楽しいのだがと思ったものの、混雑している中での相席はちょっと辛い。テンションが下降してきた。

誰も座っていない日陰になっている建物の基壇に腰を下ろした。ぼんやりと行き交う人を見る。グループを組んでいる一団も沢山いるが、年輩の夫婦も多い。中年の男性と若い女性のカップルもいる。親子ではなさそうだし果たして、なんてトルコまで来ておかしなことを考えている。此処にはなぜか日本人がいない。ふと気がついたらいつの間にか僕の周りは、休む人で一杯になった。俺は一休みの先駆者だ、と変な自慢をする。

大貯水池だった地下宮殿で、滴り落ちる水滴を楽しんだ。目にすると石になるという伝説のある有名なメドゥーサ像に見入る。
ここが造られたのが4世紀から6世紀といわれているが、コリント様式の柱で組まれたこの空間は魅力的で、この貯水池が宮殿といわれるようになったのもうなずける。貯水池の柱にまで装飾を刻むのだ。ロウソクの灯された喫茶コーナーでコーヒーを頼んだ。なぜかチャイでなくコーヒーを飲みたくなったのだ。

昼飯は抜きだ。そしてその後ガラタ橋のそばにある広場の夕暮れのなかで行き交う人々を見ながら、屋台の「HISTORICAL FISH&BREAD」を食うことになる。(本稿4を参照ください)
これで僕のトルコの旅は終わった。



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2 コメント

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お疲れ様でした。 (moro)
2007-05-06 19:58:48
今年の晩秋もまた(随分先ではありますが)小樽で美味い珈琲を飲んでください。
ビザンツ様式の建築が無性に見たくなってまいりました。我が北海道には函館のハリストス正教会が、ロシア正教系のビザンツ建築として建っておりますので見に行こうかなと思っております。ロータス、来週末に出来上がるのですが、ロータスでの函館往復は自殺行為かも…(汗っ)
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旅は終わったが・・ (pekou)
2007-05-06 20:30:37
旅は終わったのですが、ちょっと伝えたいことがあるのであと2回書きます。
ロータス、運転しているほうはまだしも、助手席は!
とはいえ一度は乗ってみたいです。
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