日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

旅 トルコ(15)今は昔、でも好奇心が触発される旅だった

2007-05-16 17:06:44 | 旅 トルコ

イスタンブールには、1933年からのおおよそ2年間日本に滞在した後トルコに移住し、1938年12月24日客死したドイツの建築家、ブルーノ・タウトの住んだ旧自邸がある。
僕はタウトが日本で建てる機会を得た2軒の建築のうち、唯一現存する「旧日向別邸」の建つ熱海市の日向邸に関する委員会などに関わっているので、非公開とはいえ表からだけでも見たいものだと思っていた。DOCOMOMOの大会の前に事務局からDOCOMOMO Turkeyへ見学の打診をしたが、まったく返事が来なかった。

大会会場で手に入れたトルコのモダン・ムーブメントの建築ガイドには、建築名は書いてあったもののプライバシィに関わる建築案内は注意深く削除されていて、残念ながら見る機会を得られなかった。
この大会はDOCOMOMO Turkeyの主催によるものだが、お別れパーティがオランダ大使公館で行われるなど、トルコの影が薄いのがちょっと気になった。国際関係は難しい。

ところで旅に出るといつも買わずに帰ってからしまったと思うことがある。なぜかふと`けち`になってしまうのだ。そして、帰ってきてからあーあ!と溜息をつく。
今度の旅でも地下宮殿を出るところにあった売店で、トルコ音楽のCDを買わなかったのが悔やまれる。

トルコの旅。トルコへ行くのだ、と思ったときに描いたベーリーダンスも見なかったし、篠田夫妻が思い出してはうっとりした顔をして夢のようだったと語る、旋回する舞踏も見なかった。でもそれはいいのだ。一人で観るってなもんじゃないような気もするし・・・
トルコは、ことにイスタンブールは、その音楽なしには空気を味わえない。トルコを語れないのだ。と思うからだ。

バスに乗っても、タクシーの中でも、ホテルのテレビからも流れてくる音楽、屋台の叔父さんが街行く人に呼びかける声もリズム感があり音楽のようだ。全てが街の喧騒と一体になるが、のどかな景色の中ではゆったりと永久の響きのようにも聞こえる不思議な旋律。新しくても時を感じる音楽、声。
今は昔、おなかを壊し、2,5キロ体重が減った旅、心もとない一人旅、だけど好奇心が触発された旅、僕にとってのトルコはそういう国だった。

<この紀行を書き終えるのに半年もたってしまった。DOCOMOMOの大会の様子を書いた文章も組み込んで、後日構成を整えたいと思う>





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2 コメント

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その後 (moro)
2007-05-18 05:57:45
体重の方は、維持なさってらっしゃいますか。それにしてもタウト自邸は残念でした。そして、トルコの音楽も。音楽は日本でも買えるかもしれませんが、建築は歩いて来てくれないので本当に残念です。
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歩いては来てくれない。うーん (penkou)
2007-05-18 13:14:00
体重は維持しているのですが、27年前から受けている東海大学病院の自動化検診(人間ドック)では、まだまだ減量すべき、と厳しい指摘を受けました。腹回りを測られたのですが、メタボリックシンドローム?はクリアしたものの(こんなの測るようになったのですね)、まあ、あと2キロ減らしたい。
ドクターの言うように、あと8キロ減らしたらぶっ倒れます(笑)

建築は『歩いてきてくれない』。ナーるほど!
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