名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

米国籍のトヨタ常務役員が麻薬取締法違反疑惑で逮捕

2015-06-20 16:51:50 | Weblog
2015.6.20(土)
 米国から麻薬成分を含む錠剤を輸入したとして、警視庁は18日、麻薬取締法違反容疑で、米国籍でトヨタ自動車常務役員、ジュリー・ハンプ容疑者(55)を逮捕した、とメディアが報じた。
 これにはびっくりである。ハンプ氏は38歳の若さで米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の副社長に抜擢され、その約10年後の2007年には飲料大手ペプシコの副社長についた経歴を持つ。
 そしてこの4月には、トヨタがハンプ氏を女性初の常務役員として迎えたばかりであった。
彼女は二人の娘を持つ母親でもあり、会見で「子育て中の女性の職場復帰や男性の育休取得などに積極的に取り組みたい」と話していたという。
 驚きとは、そんな女性が違法な麻薬を危険を冒してまで何故したのか、それは本当なのか、はたまた僅かな錠剤を持っていたとして、日本の警察は有無を言わせず逮捕に踏み切るのか、ということである。
 その後の報道で明らかになったことは、滞在する東京のホテルに米国から届いた国際宅配便に、麻薬成分のオキシコドンを含む鎮痛剤57錠が入ってたいとされ、しかも小さな箱の底の方に隠されていたという。
 オキシコドンは、米国では麻薬扱いされておらず、日本でもがんの痛みを緩和する薬として使われ、医師の処方箋があれば購入できる。また厚生労働省の許可を得れば、個人が携帯して海外から持ち込むこともできる。ただし、郵送などでの輸入は認められない。
 こうしたことから見ると、米国では許されていることでも日本では明らかに違法行為であることは間違いない。
 ハンプ氏は「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認しているというが、一体何のためにそん物を持ち込んだのかは明らかでない。
 我々素人には分からないことだらけだし、疑問はいくつもあるが、それにしても違法な麻薬を販売する目的があったとは思えない状況の中で、米国人のトヨタ役員を直ちに逮捕とは、日本の警察も思い切ったことをするものである。
 報道によれば、米国人による違法薬物持ち込みをめぐって、今年2月、オレゴン州の女性が、日本で覚せい剤の一種とされる「アンフェタミン」が入っているカプセル剤を密輸したとして東京で逮捕された事件があった。しかし、米国では一般に処方されている薬だったため「逮捕は行きすぎだ」という報道が米国内で広がり、米議会や在日米大使館を巻き込み物議を醸した結果、女性は不起訴となった、という。
 トヨタ自動車の豊田章男社長は19日夕べ、東京本社で早々と記者会見を開き、「世間をお騒がせすることとなり、誠に申し訳なく思っている」と陳謝した。その上で豊田社長は「ハンプ氏はかけがえのない仲間であり、捜査を通じて、法を犯す意図がなかったことが明らかにされることを信じている」と語った。こういう事件が起きると逃げ回るトップが多い中で、あえて社長自らが謝罪会見を開いたことは潔いと筆者は思う。
 今後どういう展開になるかわからないが、きちんとした対応は最後まで貫いて欲しい。