田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

美香にキスコール/超能力シスターズ美香&香世 麻屋与志夫

2011-02-22 10:15:18 | Weblog
19

「いくら吸血鬼だって爆破されたら、助からない。
ハリウッド映画のように肉片が集まってヒト型に再生するなんてことは……」
「それって、アリ?」
「ありません。それにマミーを人質にとられていた。
携帯もとりあげられて連絡とれなかった。
……どうしてぼくがわかったの、美香」
「忘れたの。わたしは思念がよめるの。でも弱いアンデイも好きよ」
「心細かったもの。どうなるかと心配だった」
 
 マジデ不安だった。
 動きがとれなかったのだろう。

「アンデイ。みんなが見てる」

 舞台の上でだきあったままの美香とアンデイ。
 香世が「キス。キス。キス」と声を跳ね上げる。

「キス。キス。キス」
 キスコールが一瞬騒乱の群衆から湧き上がる。
 かれらはじぶんたちを救助するために戦っているものを声援している。
 ふたりはそうした。
 キスした。
 そして手をつないで舞台から飛び降りた。
 BVと戦うために。
 群衆をかきわけて中継車をめざした。
 ブレスレットの爆薬で破壊されている。
 アンデイのマミーはぶじだった。

「エイドリアンも無傷よ。逃げたわ」
「これだけの仕掛けをして、その成果も見ずに
――アッサリ退散した。
おかしいわよ」
 なにか音がする。
 美香のあたまに直接ながれこんでくる時を刻むような音。
 美香がハッと気づいた。
 ドラムケースがあちこちに散在している。
 数が多すぎる。

「みんな。ケースから離れて。爆発物よ!!」


 今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
 お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
 皆さんの応援でがんばっています。

にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする