18
「あれって――口パクだよ。オネエ」
うしろからついてくる香世が叫びかけてくる。
美香は香世の手を引いて人垣を押し分ける。
そうだ。
やはり、口パクなのだ。
アンデイはあんな暗い声ではない。
それより腕だ。
わたしの推理がただしければ。
あれは爆薬のしこまれているブレスレットだ。
どこかでみた。
そうだ。『トランスポ―タ―』だ。
数日前に、テレビでみたばかりだ。
フランクが特殊な液体爆弾入りのブレスレットを装着されてた。
まちがいない。
あんなものが現実に――ソレツテアリ?
「アリィー。まちがいないよ。オネエ」
香世が美香の思念をよんだ。思念でふたりは会話している。
「わかる。香世。あの中継車にエイドリアンが潜んでいる」
「わたしが、舞台の周りにバリヤはる。…………」
皆まできかず、美香は舞台に跳んだ。
アンデイの目が見開かれた。
美香は指剣にすべてを託した。
指剣の青い炎がでなければ。
ふたりとも死ぬ。
すくなくともわたしは助からない。
アンデイはなんとか助かるだろう。
WVといっても、吸血鬼にはちがいない。
再生能力はそなわっているだろう。
でた。炎がでた。
燃えている。
いくわよ。
アンデイ。
美香はマイクを握ったアンデイの手くびに斬りつけた。
アンデイの手くびが宙にとんだ。
ブレスレットを瞬時に外した。
中継車に向かって投げた。
車のフロントにブレスレットがヒットした。
爆発音。
車も、
舞台も、
群衆もふっとんだ。
「おどろいたぁ。ほんとに爆薬がしこまれていたのね」
香世が美香を抱き起した。
アンデイが腕に手くびを接着している。
ウソみたいにぴったりもとどおりにくっ付いた。
美香はアンデイに抱きついていた。
「アンデイ。アンデイ」
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うしろからついてくる香世が叫びかけてくる。
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それより腕だ。
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あれは爆薬のしこまれているブレスレットだ。
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数日前に、テレビでみたばかりだ。
フランクが特殊な液体爆弾入りのブレスレットを装着されてた。
まちがいない。
あんなものが現実に――ソレツテアリ?
「アリィー。まちがいないよ。オネエ」
香世が美香の思念をよんだ。思念でふたりは会話している。
「わかる。香世。あの中継車にエイドリアンが潜んでいる」
「わたしが、舞台の周りにバリヤはる。…………」
皆まできかず、美香は舞台に跳んだ。
アンデイの目が見開かれた。
美香は指剣にすべてを託した。
指剣の青い炎がでなければ。
ふたりとも死ぬ。
すくなくともわたしは助からない。
アンデイはなんとか助かるだろう。
WVといっても、吸血鬼にはちがいない。
再生能力はそなわっているだろう。
でた。炎がでた。
燃えている。
いくわよ。
アンデイ。
美香はマイクを握ったアンデイの手くびに斬りつけた。
アンデイの手くびが宙にとんだ。
ブレスレットを瞬時に外した。
中継車に向かって投げた。
車のフロントにブレスレットがヒットした。
爆発音。
車も、
舞台も、
群衆もふっとんだ。
「おどろいたぁ。ほんとに爆薬がしこまれていたのね」
香世が美香を抱き起した。
アンデイが腕に手くびを接着している。
ウソみたいにぴったりもとどおりにくっ付いた。
美香はアンデイに抱きついていた。
「アンデイ。アンデイ」
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