ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

李承晩TV - 10 ( 反日種族主義、反日民族主義 )

2020-02-26 19:18:44 | 徒然の記

 四、五回で終わる予定でしたが、思いのほか長くなりました。

 今回の講義で氏は、日韓関係を抜き差しならないものにしている原因が、「反日種族主義」であると説明します。この言葉は、私が使う「反日左翼」という、偏見に満ちた言葉に似ています。

 「こうした中で、私が考える一番深く太い根が何であるかと言えば、それは反日種族主義です。反日民族主義、と言っても良いでしょう。」「民族主義は、現在、韓国人が共有する一番強力な共同体意識です。」

 「ところで私は、韓国の民族主義が正常でないと、考えています。」「西ヨーロッパで発生した民族主義は、成長する市民階級の政治意識でした。」「封建的身分制度や、絶対君主制を否定し、それに抵抗しながら、市民形成と国民統合を追求するという、肯定的な役割を担当しました。」

 「しかし韓国の民族主義は、それとは違ったものです。市民形成と、国民的統合の歴史的役割を見出すことができません。」

 西欧の民族主義がどんなものであったか、私には別の意見がありますが、氏がそのように語るのなら、それもまた一つの見識です。

 「ご存知のように、韓国政府は中国に対しては、限り無く、屈従的です。」「韓国企業が中国で不当な待遇を受けても、何の反応も見せません。」「中国を、G2などと言って過大評価している唯一の国は、他でもない、我々の韓国です。」

 「反面日本に対しては、限りなく敵対的です。激情と憤怒が、常に先立ちます。」「正常な討論が、不可能です。ここでは数々の嘘が捻出され、横行します。」「それは結局、国民を統合するのでなく、国民を分裂させる、副作用しかありません。」

 明治時代の李氏朝鮮以来、韓国は日本を蔑視し、憎悪し、敵対的でした。私はこの原因を、韓国人が持っている中華思想と儒教思想だと考えています。漢民族の中国こそが世界の中心、文明の先達であり、周辺諸国は野蛮な夷狄の国だとする尊大な思想です。

 漢が滅ぼされ異民族の清となった時から、韓国は、中華思想の本流が自分たちだと錯覚しました。こうなると島国の日本など、鼻先であしらうしかできなくなります。根っこはここにあると私は考えますが、氏は、民族主義の理論を展開します。

 「韓国人はまだ本当の意味での、市民として、一つの国民として、統合されていません。それで私は、韓国の民族主義を、種族主義と呼ぶ方が妥当だと考えます。」

 西欧の思想を一段上に置き、自国を低くみるというのは、日本の学者も同じでしたが、どうやら氏も韓国の民族主義を、西欧の下位レベルと考えているようです。

 「野蛮の上に横たわる種族間の敵対感情を、私は、種族主義だと言います。韓国の民族主義は、日本を、仮想敵対種族と想定した、種族主義なのです。」

 説明のしようがない、韓国人の恨日感情は、確かに氏の話の方がぴったりときます。理性で解明できない日本への憎しみは、「仮想敵対種族主義」と呼ぶ方がわかり易いのかもしれません。 

 しかしどうしても、呉善花 ( オ ソンファ  ) 氏の言葉を思い出します。元韓国人だった氏は日本に帰化し、大学教授だったと思います。

 「儒教の教えからすれば、中国は親であり、日本は弟です。」「親である中国には、どんな仕打ちをされても我慢できますが、」「弟である日本が、兄である韓国を超えることは、」「何であっても、許すことができません。」

 以前に読んだ氏の著書で、述べられていた言葉です。従って中華思想と儒教思想が、日本との対立を生む根っこだと考え、氏の反日種族主義より妥当性があると自分では思っています。

 「日本の実態、日本の歴史、日本の文化を、韓国人は正確に知りません。日本を、仮想の敵対種族として考えるだけです。」「韓国人の国際感覚は反日種族主義と、親中事大主義で織りなされています。そんな低劣な国際感覚のため、この国は行く道を失い、迷っています。」

 反日種族主義が中華思想から生まれ、親中事大主義が儒教思想から生じていると、氏はどうして言わないのでしょう。聡明であっても、当事者になると客観性を保つのが難しいのでしょうか。中華思想と儒教思想を抜きに、ねじれた日韓の解明は困難ですが、氏はそこに目を向けません。もしかすると韓国の知識人として、「中華思想」と「儒教」を貶めたくない気持ちがあるのかもしれません。

 「李承晩TVは、韓国を再び亡国の道へと陥れかねない反日種族主義を批判し、これを打破するための具体的事例を約40件あまり、順を追って紹介する計画です。」「皆さんのご静聴に感謝いたします。ありがとう。」

 40本の動画が準備されていることが分かりましたが、これ以上「ねこ庭」で取り上げませんので、興味のある方はご自分で見てください。

 11年前の著書で氏は、「韓国人に国は要らない。確立された個人が、世界各地に根を張り、生きていけば良い。」と、語っていましたが、今回の動画では考えを改めたようです。

 「韓国という国の中で、韓国人を市民として統合する。」と、変わっています。国を統合するためには、中心となるシンボルが不可欠で、氏はそれを建国の父と呼ばれる「李承晩」に求めています。五千年の歴史を持つという韓国なのに、統合のシンボルが、李承晩元大統領しかいなかったということになります。

 権力者たちが敵対し憎み合い、殺し合う「恨みの政治」の連鎖は、天皇のおられる日本では生じません。敬愛の中心に天皇がおられる日本に、改めて感謝し、長いシリーズを終わります。

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李承晩TV ー 9 ( 「恨の文化」と「恨の政治」 )

2020-02-26 12:43:33 | 徒然の記

 徴用公問題についての、講義の続きです。

 「盧武鉉 ( ノ・ムヒョン  ) 政府になった時、大統領は、何らの事前調査も研究もせず、労務者に対する追加補償を約束しました。」「その結果、2005 ( 平成17 ) 年から2007年の間、約6万人の人々が、補償を受けました。」

 盧武鉉氏も反日の大統領で、親日派を敵視する弁護士出身でしたから、日本批判と攻撃をしました。むしろ彼は、反日というだだその一点で大統領になったような人物だと、今でもそう思っています。

 「死亡者には2000万ウォン、負傷者には、程度に応じて相応の支給、生還者には年間80万ウォンの、医療補助をするという内容でした。」「内容はどうであれ、過去40年から50年をかけて、こうした経過があったにもかかわらず、今回の原告たちは、再度日本企業から、補償をもらう権利があると、主張しました。」

 「70年前、彼らは自分の意思で日本へ行き、工場や炭鉱で働き、賃金を受け取った自分の過去を、一体何と説明しているのでしょう。」「しかも、個人補償に関しては、韓国政府が二度も行なっているにもかかわらず、裁判所は、どんな法理で、追加補償をするというのでしょうか。」

 盧武鉉氏が、日本企業で働いていた労務者にどのような対応をしていたのか、初めて知りました。氏は政権の座を離れると、保守党の政府により裁判にかけられ、追い詰められて自殺しました。

 その時彼の右腕として働いていたのが、現在の文在寅大統領です。聞くところによりますと、文氏は盧武鉉大統領を悼み、当時の政敵への復讐を誓っていると言います。韓国特有の「恨の文化」です。

 文氏が李明博氏や朴槿恵氏を刑務所に入れ、一生出られない量刑を科しているのはそのためです。韓国の保守党は、次期の大統領選挙で政権を取ったら、文在寅氏に仕返しをすると公言しています。

 韓国に顕著な、残酷な「恨の政治」の連鎖です。「徴用工」裁判の判決は、こうした政治の一環ですから、日本との関係というより、実際は韓国内の政争の一端でないかと考えます。事実を承知の上で、李栄薫氏は講義をしています。

 「この先いくら貰ったら、彼らの、数ヶ月分の未払い賃金に対する、追加補償が完全になされるのでしょうか。韓国の国民感情に中に、浅はかな金銭主義がはびこっています。」

 「労務者の動員経過や、賃金支払いの実態に関して、さらに、両国間の請求権を取り巻く交渉と、その結果については、すでに数々の優れた論文や本が出回っています。」「にもかかわらず、韓国内の言論は、沈黙しています。嘘の文化とは、ほかでもありません。言論が助長し、伝播しているのです。」

 氏のいう「言論」は、日本で言えば、「マスコミ」と「学界」だろうと思います。この点に関する限り、日本と韓国の国内は似た動きをしています。

 「更には、この国で一番高邁であるべき、最高裁の判事までが、嘘による出鱈目の判決を下したのです。最高裁の判事たちはこの問題に関する限り、何も知らない小学生レベルの、低劣な知性でした。」

 調査した事実を踏まえているためか、裁判官に対する批判は、痛烈になります。

 「これは初めから、強制連行でも、奴隷労働でもありませんでした。わずか数ヶ月の、未払い賃金の問題だったのです。」「一定期間が経過すれば時効となる、民間の債権契約でした。国家間の条約で、永久に清算すると合意した、その問題でした。しかも韓国政府が、二度にわたって清算した、問題です。」

 「そうであるのに裁判官たちは、これら全ての歴史的事実と経過を超越する、」永久的普遍的な権利と請求権が、今も生きていると言います。」「私はこの国の裁判官たちが、こうまで無精で、無知で、傲慢だとは、知り得ませんでした。嘘をつく国民、嘘をつく政治、嘘の裁判・・」「深淵は、底が見えません。」

 氏が攻撃している裁判官たちは、現在の文大統領が政権交代後に入れ替えたメンバーです。彼は職権を駆使し、前大統領につながる裁判官を全て追放した、左翼政治家で、北朝鮮の信奉者です。李氏が口を極めて裁判官を攻撃する理由が、ここにあります。

 しかしここまで理解しますと、新たな疑問が湧いてきます。果たして氏の動画は、客観的な講義なのだろうか。もしかすると、政治的プロパガンダではないのか・・という疑問です。

 日本でも、学者とか教授とか言われる知識人の中には、ロクでもない人物が沢山います。李氏がそうであるのかどうか、今の私には判断がつきません。氏の講義がまだ続きますので、「ねこ庭」を訪問される方々も、一緒に考えていただければ幸いです。

 次回は「徴用工判決」を離れ、韓国国民への訴えとなります。

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