ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

日本人と中国人 ( 中国人の面子、日本人の建前 )

2020-02-10 21:02:43 | 徒然の記

 汪洋氏著『日本人と中国人』( 平成14年刊 彩流社  ) を、読みつつあります。有意義で、かつ楽しくさえある本と、久しぶりに遭遇しました。まだ半分のところですから、喜び過ぎると最後に失望したりするので、要注意です。

 共産党独裁の中国政府と、一般の中国人は違うのでないか、と言うのが私の最近の考えなので、人々の本音の話が聞きたいと、いつも思っています。これが、その願いを叶えてくれる、有難い本でした。たまにこう言うことがあるから、やはり読書はやめられません。

 汪洋と言う名前の中国人を、ネットで検索して驚きました。中国共産党の中央政治局委員で、党内序列第4位の人物がいます。しかし生年月日が違うので、別人と分かり、安心しました。政治家の汪洋氏は、1955 (  昭和30 ) 年生まれの、65歳ですが、本書の著者は1959 (  昭和34 ) 年生まれの、61歳です。氏がこの本を出したのが、18年前ですから、43才の時です。主として、日本に留学していた大学生時代の思い出を、故国中国の話と比較し、語っています。

 まずいつも通り、最終ページに書かれた、著者の略歴を転記します。

 「1959年、中国安徽 ( あんき ) 省合肥市生まれる。」「文化大革命時代に、少年時代を送り、」「1978 (  昭和53 ) 年、中国科学技術大学入学。」「1980 (  昭和55 ) 年、国費で九州大学に入学。」「9年に及ぶ留学を終え、帰国し、その後日本企業へ勤務し、再び来日。」「平成13年、有限会社日華を設立・経営。」

 日華という会社の詳細が不明ですが、どうやら、中国ビジネスのコンサルタント業や、翻訳業をしているようです。「まえがき」に、氏が本書の出版目的を書いていますので、一部分を紹介します。

 「日本滞在の20年間、もう半分は日本人だねと言われながら、」「私がずっと直面してきた問題の一つは、」「日本人との、コミュニケーションだった。」「異なる文化でありながら、共通する部分が多い分、」「誤解も、屈折したライバル意識も、余計生じやすい。」「ちょっとした習慣や、考え方の違いから、コミュニケーションが著しく阻害され、」「それが嫌でも、私たちの精神生活を、」「貧しいものにしてしまうのである。」

 「少しでもコミュニケーションをスムーズに、かつ楽しいものに変えるには、」「私には、長い年月が必要となった。」「そこでこの、異文化のコミュニケーションをキーワードに、」「中国と日本を比較しながら、」「私自身の体験や、見方、考え方を書いてみた。」

 私は韓国・北朝鮮人と同じくらい、中国人を嫌悪しています。それはなんといっても、中国政府による日本への悪辣な攻撃です。中国を侵略したと大騒ぎしますが、日本が満州を支配したあの時代は、英国もフランスも、オランダも、ドイツも、中国を侵略し、領土を毟り取っていました。しかるに、敗戦国となった日本だけを悪者にしたてあげ、悪口雑言を浴びせ、東京裁判の時にはありもしない南京事件を、アメリカと協力してでっち上げ、ついには尖閣や沖縄も、自国の領土だと主張する厚かましさです。

 日本が、世界第二の経済大国となった時、危機感を抱いた欧米諸国が、日本を封じ込めようと手を結びました。アメリカがしたのか、中国がその動きを利用したのか、詳しいことは知りませんが、「歴史認識を忘れるな。」と、共産党政府が居丈高に説教をし、反日教育を始めたのが、ちょうどこの頃です。「武力にものを言わせる覇権には、断固として反対する。」と、発展途上国の代表として、中国は華々しく国連に登場しました。

 それが今では、公海である南沙諸島、西沙諸島の沖を武力で埋め立て、わが物顔で軍港を作り、飛行場を作り、周辺国を脅かしています。韓国人と、反日日本人が合作した、大嘘の「慰安婦問題」を支援するだけでなく、沖縄にいる反日日本人を利用し、沖縄独立運動にも手を伸ばしています。だから私の、中国共産党政権への怒りと不信感は、並大抵のことでは無くせません。いわばこれも、私の中にある確固とした偏見です。

 そんな私でも、氏の言葉には魅かされましたので、紹介いたします。

 「ビジネスなどで、中国人と付き合ったことのある日本人の中で、」「評判の悪いものの一つは、" 面子  "  ( めんつ ) である。」「それは、プライドと言い換えても良いのかもしれない。」

 「中国の誰か偉い人の面子のため、突然契約金額を上げたり、」「無意味な契約書に、サインを求めたりするような話がある。」「面子にこだわるあまり、日本人には想像もつかないことをするので、」「日本人はどう対応すべきか、見当もつかない、」「というわけだ。」

 「一方、日本人と付き合ったことのある中国人の中で、」「評判の良くないものの一つに、" 建前  "  ( たてまえ ) がある。」「少々神経質な中国人だと、本音を言われても、」「それを建前かと、疑ってみたりするのだ。」「中国人の面子、日本人の建前。」

 これが12ページ、この本の導入部分の叙述です。もしも氏が、政治や軍事や経済問題を主として語っていれば、私の偏見が壁となり、読書を邪魔したと思いますが、「異文化のコミュニケーション」がテーマだと、抵抗なく読めます。20年も日本にいれば、私のようにひねた日本人でも、素直に読める叙述方法を会得するのでしょうか。

 なんであれ、中国の一般庶民を知る本として、私は有り難いと思います。息子たちのためにも、中国人を知る有意義な書として、勧めたい気がします。大事な点は、「共産党政府」と「一般庶民」は、別物だという意識をどこまでも捨てないことでしょう。

 次回からは、氏の著書を頼りに、中国の庶民の思考方式や生活習慣を、ご報告いたします。ついでながら、講談社の『愛国』は、本日燃えるゴミの日に、野菜クズや腐った残り物と一緒に、ゴミステーションに捨ててきました。王氏の著作は、同じゴミでも、小学校の有価物回収に出しますから、別扱いです。

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