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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

私の使った切符 その133 切符の地紋

2020年12月13日 | 鉄道

 切符には多くの場合細かい単色(稀に数色)の地紋が印刷されている。切符であることをわかりやすくし、偽造を防ぐためだろう。下の写真は1986.10.17発行の「あさかぜ」特急券をスキャンしたもの。緑色の地紋が見られる。日付は切符の他の場所からペーストしたもの、スケールは画像に書き込んだ。

348 国鉄の緑地紋 

 よく見えないので、画像処理して地紋を出してみた。

349 画像処理後

350 さらに拡大

 これくらいに処理すると、地紋のデザインが見えるようになる。この地紋は、蒸気機関車の動輪とそれを蛇行して囲むリボン状のところに、「こくてつ」と「KOKUTETSU」の文字が連続しているものだ。「JNR」のロゴも見える。ここからは切符の地紋を調べてみよう。なお、写真は切符のスキャン画像に対して強い画像処理を加えたもので、明度・コントラスト・色調・彩度などをいじってあるから、元の色調とは大きく異なる。またスケールを書き足してある。スケールはすべて1cmである(これから後は1cmの文字は入れない)。また、切符の区間などは書かないで発行年月日と硬券などの区別だけを記す。手元の切符は384枚、ただしうち32枚は無地または印刷が消えて見えないので除外し、352枚が「地紋調査」の対象である。
 なお、無地のものには入場券が多く含まれている。

351 硬券の青色地紋 1967.11.3

 最も基本的な地紋として、国鉄硬券の灰色から薄青の地紋がある。厚紙のせいか、紙の日焼け・退色がはげしく、上の写真は実物の色調とは全く異なる。

352 硬券の青色地紋 1967.11.3 拡大

 色の再現は諦めて、白黒にし、さらに拡大したのがこれ。蒸気機関車の動輪と複雑な交差曲線が描かれ、「JNR」「こくてつ」のロゴが描かれている。
 この硬券は、名神バスの切符。京都駅で販売しているのは国鉄で、他のバス会社と共同運行だった。比較的色が残っていたのでこれを選択した。サイズにふた通り以上あるが、44枚の硬券にこの地紋が使われている。対象である切符の12.5%にあたる。最も後の日付は1975.11.17で、1987年の国鉄民営化直後までちょっと間があるがどうなったのだろう。

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