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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

私の使った切符 その120 楕円形の途中下車印

2020年09月10日 | 今日このごろ
私の使った切符 その120
楕円形の途中下車印

 ちょっとの間、私の趣味と離れて搭乗券という寄り道をした。切符に戻ろう。ディープなところとして、切符に捺された印について。最初は途中下車印。硬券の時代には、よく途中下車印を捺してもらった。運賃は長い距離の区間がkmあたりの料金が安くなるから、最も遠いところまで買って途中下車するのがよい。もちろん、有効期限などの問題があるし、最近は途中のJRが第三セクター化しているという障害もある。切符の中では均一周遊券が途中下車印をいちばん残しやすい切符だった。とくに北海道の各駅は下車印を捺してくれるところが多かった。これに対して大都会の駅員さんは忙しくて下車印を手元に用意してないことの方が多かった。私の手元には概算で110個の下車印があるが、大部分は楕円形に横書きのもの。捺してある切符は周遊券が多く、次いで硬券・手書き乗車券の順。「青帯券」と同じサイズの磁気切符に下車印を捺してあるものが2枚ある。なお、当ブログでは、「2色マルス券」を便宜的に「青帯券」と記している。もちろん正式名称ではない。

287 清水から北九州 乗車券(往復の帰り) 1987.1.28(再録)

 清水まで往復乗車券を購入して、往復とも下車印が捺してある。行きは静岡、帰りは京都の印。現在の「青帯券」になる直前の過渡期の切符で、自動改札機はあったはずだが、ハサミが入っている。この二枚は1987年の発行で、下車印のある切符の中で日付の遅いものの一つ。京都の印は、他よりも少し大きい。普通の楕円形の下車印は縦6mm横9mmほどだが、7mm・9.5mmほど。同じように二条駅も大きい。また4字の駅名の伊達紋別も縦の長さがもうちょっと大きい。

288 楕円形の下車印 1987.1.28発行の乗車券(拡大)


289 「青帯券」の下車印 2010.11.23発行の北九州市内から柏原までの乗車券

 1987年1月の下車印がこういう楕円形のもので国鉄時代の最後である。その直後の1987年4月に国鉄は民営化されたのだから。JRになって、しばらくの間下車印のある切符がなく、ずいぶん後のものがいくつか見つかった。20年以上も間が空いている。小倉から新幹線で新大阪にでて、福知山線に進み。三田駅で途中下車した時に捺された楕円形の印が右上に見える。これがおそらく最後の楕円下車印と思っていた。「青帯券」には円形でちょっと大きな、郵便消印のような印が捺されることもあるが、入場印と同じもののようでおもしろくない。

 2019年12月、池袋ショーからの帰途、京都駅で新幹線を降りて正面口(七条口)に向かった。この場合、京都駅では新幹線場内から直接外に出られるのは八条口だけで、七条に回るためには在来線側に一旦入る。その場内改札を通過して、七条口の自動改札で止められた。係員のいる通路に行って出ることができたが、その折9年ぶりに途中下車印を捺された。

290 カタカナ下車印 2019.12.17

 なんとカタカナの下車印である。乾く前にちょっと触って滲んでしまったが楕円形の中に「キョウト」と書いてある。この切符はこの後の自動改札でかならずひっかかった。最後の小倉駅でお願いして無効印を押してもらい、手元に残した。キョウト印の右に薄い青緑の新大阪の印も見える。こちらは漢字。新大阪の印が最後になるのだろうか。

 楕円印に戻って、すでに記したように、下車印は切符の行程の途中で駅から出る時に捺される。従って、普通の乗車券では行き止まりの駅で捺されることはない。しかし、均一周遊券では範囲内のどこでも旅行できるから、行き止まりの駅でも捺される。私の保管している切符では、北海道均一周遊券に見られる下車印が圧倒的に多い。

291 北海道の楕円形下車印 赤は廃止駅、緑は改称駅。

 北海道以外の楕円形横書きの印は次のところのものが見られる。リストは地方別、古いものから。
東北:
尻内(現・八戸) 塩釜 青森 会津川口 会津若松 
中部:
名古屋 富山 千種 枇杷島 尾張一宮 岐阜 高山 福井 静岡
近畿:
敦賀 京都 湯浅 紀伊田辺 二条 岩国 三田 それにキョウト 新大阪
中国四国:
尾道 新居浜 小郡(現・新山口) 広島 糸崎 呉 天応 
九州:
博多 高森 黒崎 東唐津(少し移動) 人吉 諫早 小倉 佐賀 瀬高 佐世保 

 ここでは少しサイズが違っているものを含んでいる。また駅によっては青色のスタンプ台ではなくて、赤や黒のものが見られるがここでは区別していない。
 以上の楕円印の中で珍しそうなものを選んでみよう。以下に出てくる下車印のスケールは1cmとした。

292 弟子屈(現・摩周) 1969.7.21発行の北海道周遊券

293 万字炭山 1972.8.29発行の北海道周遊券

 弟子屈駅は、1990年摩周駅に改称。万字線は1985年廃止、それに伴って終点万字炭山駅もなくなった。

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