■第2回・Bach 「ゴルトベルク変奏曲」アナリーゼ講座■
~第4変奏:初めて四声が出揃う、第6変奏:「禁じ手」の和声が美しい~
2016.4.12 中村洋子
★「ゴルトベルク変奏曲」第2回・アナリーゼ講座のご案内です。
・澄み切った大気に響きわたる鐘のような「第4変奏」
・蕾が一気に花開く「第5変奏」
・和声の禁じ手が得も言われぬ美しさを醸し出す「第6変奏」
を、掘り下げていきます。
★ゴルトベルク変奏曲は、三曲ずつのグループで構成されています。
今回は、その第二グループの第4、5、6変奏です。
★第1変奏は二声 、第2、3変奏は三声でした。
第4変奏は、ソプラノ、アルト、テノール、バスが
初めて出揃う四声です。
澄み切った大気の街の上を、教会の鐘が鳴り響くような
清々しい音楽です。
曲の冒頭モティーフ「h¹-g¹」は、
次々と声部を替え、変化、模倣されます。
この「h¹-g¹」は、
主題(アリア)冒頭「g²-a²-h²」の「g²-h²」の反行形です。
★第1~4変奏は、「一段鍵盤」と指定されているのに対し、
第5変奏は、初めて「一段か二段鍵盤で」と、
Bachが書き込んでいます。
ピアノで弾く場合、左手は右手と交差して
高音域にまで手を伸ばしたり、
またすぐに元の低い声部に戻ったり、
目まぐるしい動きを繰り返します。
楽譜は二声部で記譜されていますが、
実は、豊かで華やかな四声体の音楽なのです。
ここで、第1~4変奏までの蕾が一気に、花開くのです。
★第6変奏は、2度のカノンです。
第3変奏曲は、1度のカノンでした。
冒頭「g²」で始まるモティーフを、2小節目の長2度上の「a²」で始まる
モティーフが追っていきます。
★非和声音である掛留音(suspension)が多用されます。
掛留音の真下に、その掛留音の解決音を配置するという
和声の「禁じ手」すら、Bachは使っています。
この「禁じ手」こそが、得も言われぬ美しさなのです。
★この講座は、初版譜ファクシミリ(Fuzeau出版社)を
基にして進めます。
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■日 時:2016年5月14日(土)14:00 ~ 16:30
■東京都・文京シビックホール、練習室1(地下1階)
■申し込み:アカデミアミュージック・企画部
電話:03-3813-6757
Email : fuse@academia-music.com>
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●受付開始は4月13日です。
定員になり次第、締め切らせていただきます。
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