音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ Brahms の掛留音(非和声音)も、Bach由来■

2015-07-22 18:45:38 | ■私のアナリーゼ講座■

Brahms の掛留音(非和声音)も、Bach由来
~ 第11回 金沢 Invention・アナリーゼ講座 11番 g-Moll ~

           2015.7.22   中村洋子

 

 

★インヴェンションは、第1番 C-Dur から昇りつめ、

9番 f-Moll で頂点に達します。

そして、10番 G-Dur は、その後の世界をあたかも眺望するかのような、

明るく晴れやかな曲です。


★11番 g-Mollは、10番と対を成す曲ですが、

いずれも1番 C-Dur の大きな翼の下にあるのです。

一曲ずつ、単独で向かい合うのでは、

Bach が意図した構想、音楽の真の姿には、触れることができません。


沈痛な曲想の「Inventio11番 g-Moll」の主題は、

実はあの明るく、喜びに満ちた「10番 G-Dur」 から

導き出されています。 


★1、2小節に奏される一番目の対主題の「半音階」は、

紛れも無く 「9番 f-Moll」 と呼応しています。

Inventio全15曲のなかで、この11番の果たしている意味について、

分かり易くお話します。

 

 

★「Sinfonia 11」も同様に、Sinfonia 1~10番までを、

総合している曲ですが、近代的で「斬新な和声」が次々と繰り出されます。

それを、ピアノの音で実際に聴いていただき、

「耳と、頭と、心」で、体験して下さい。

テンポやエクスプレッション、ディナーミクなどの奏法と直接、

関係してきます。

 

★この11番のメランコリックな世界を深く愛したのが、

Brahms ブラームスです。

「Drei Intermezzi 間奏曲Op.117-2」を例に、

Brahms と Bach の「非和声音」、特に今回は、

「掛留音(suspention)」をご説明します。

 

日本語に翻訳された和声用語の難解さに惑わされるのは、

本当につまらなく、時間の無駄であると思います。

無味乾燥な教科書で覚えようとしても、理解不可能です。

Bach や Brahms の本物の作品を通して、

「非和声音」を分かりやすく噛み砕いてご説明いたしますので、

自然に身につくことでしょう。

 

 

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■日  時 :  2015年 26日( 午前 1012 30

■会  場 :  カワイ金沢ショップ 金沢市南町5-9 
             ( 尾山神社前 南町バス停より徒歩3分)

■予  約 :  Tel.076-262-8236 金沢ショップ

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■講師 :   作曲家  中村 洋子  Yoko Nakamura

     東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
     日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

         2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

         07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
         無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
         Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
    CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

         08年: CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
        CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

         08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

         09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」  から出版。
 
         10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                    全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

         10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
       「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」の楽譜を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
       Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

         11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」の楽譜を、
    ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
      チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」の楽譜を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

         13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
         「 Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 3番 」の楽譜を、
      ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

         14年:「 Suite Nr.2、4、5、6 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 2、4、5、6番 」 の楽譜を、
       ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

          SACD 『 Suite Nr.1、2、3、4、5、6 für Violoncello
                            無伴奏チェロ組曲 第 1, 2, 3, 4, 5, 6番 』 を、
     「disk UNION 」社から、≪GOLDEN RULE≫ レーベルで発表。

           スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
      自作品が演奏される。

        ★上記の 楽譜 & CDは、
「 カワイ・表参道 」 http://shop.kawai.co.jp/omotesando/ 
「アカデミア・ミュージック 」         https://www.academia-music.com/academia/s.php?mode=list&author=Nakamura,Y.&gname=%A5%C1%A5%A7%A5%ED
 https://www.academia-music.com/                           で販売中。

       ★私の作品の  SACD 「 無伴奏チェロ組曲 第 1 ~ 6番 」
   Wolfgang  Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、
  disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/

 

 


※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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