音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ ショパンに秘められた古典性!!! ■

2008-07-10 12:22:50 | ■私のアナリーゼ講座■
■≪ショパンに秘められた古典性!!!
   ショパンの『バラード』をアナリーゼする≫■
  08.7.10 中村洋子


★9月15日(月)敬老の日、午後1時半~午後4時

カワイ表参道2F「コンサートサロン・パウゼ」で、

「第3回アナリーゼ講座」を開催いたします。


★フレデリック・ショパン(1810~1849)は、

1831年~35年にかけ、「バラード第1番ト短調」を作曲しました。

ショパンは、その短い39年の生涯のなかで、バラード4曲を、

ほぼ10年かけて、書き上げました。

≪第2番(1836~39)、第3番(1840~41)、第4番(1842)≫


★この講座では、バラードという様式が

ショパンにとって、どういう意味をもっていたか、さらに

それが、後世の作曲家にどのような影響を与えたかについて、

詳しくお話いたします。


★バッハの音楽がなければ、現在のクラシック音楽が全く、

別なものになっていたのと同様、

ショパンなくしては、その後のピアノ音楽、

特に、フランスやロシアのピアノ音楽は、

全く違う形になっていたことでしょう。


★それらを、バラード第1番を分析しながら、解説いたします。

また、バッハを由来とするゆるぎない構成力と、

“ああ!ショパン”と、感じさせる、独特な和音の配置、

その和音をどう弾き、どう聴けばショパンの

本質を捉えることができるか、についても説明いたします。


★さらに、この第1番を、ソルフェージュの課題に、

応用することも、触れてみたいと思います。


★7小節から成るLargoの序奏は、

神秘的なナポリの和音で始まります。

この序奏の「動機」が、全曲を有機的に構成していきます。

それが、バッハの手法です。


★それまで、演奏者の即興に任されていたような

装飾的なパッセージまで、ショパンは、楽譜に書き込みました。

それは、バッハが「イタリア協奏曲」の第2楽章で、

細かく音符で、書き込んだことと同じです。


★大ピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインは、

「ショパンの作品には、インスピレーション、

ピアノ的な構想力、さらには、古典派的バランス感覚の

絶妙な組合せが見られる。

≪ロマン派≫の代表であるべき彼としては、

これは意外なことであろうか?。

実は、作品に見られる彼の思想は、

≪ロマン派的思想≫とは正反対だった」

と、語っております。


★ブラームスも愛好しましたナポリの和音や、

バッハから学んだ保続音や、半音階を

詳しくアナリーゼしながら、

どこにショパンの独創性と個性があるか、そして、

それらを演奏に生かす方法も触れてみたい、と思います。


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