のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

凹凸も障りを越えた記憶なり

2006年07月26日 | 今年の梨づくり
通常「選果」というと、収穫してきた実をクラス別に区分することを意味しますが、収穫前に最終的に摘果をすることを「樹上選果」と呼びます。つまり、樹上についている段階で商品にならない果実を選別し、収穫時の選果の手間を省こうというわけです。

例年は歪に生長した実や成育の遅れた実を摘み落とすのですが、今年は写真のような実もときどき見かけます。早い時期にカメムシに吸汁され、そのまま生長した実です。成長期の障害にもくじけず、運命をそのまま受け入れ自らの役目を果たそうとした姿ともいえます。

凹んだ部分は食べても繊維分だけになっていておいしくないのですが、そのほかの正常に生長した部分は普通に食べられます。しかし、樹上に残ったほかの実がより成長する可能性があると判断し、今のうちに摘み落とすことになります。

ここまで育って捨てるのはもったいないと思うよりも、いままで何度も梨畑に入っていても見落としてきたわが身を省みるべきですね。