のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

できるまであんずるあせるのちおごる天地忘れてひとりジタバタ

2006年07月12日 | 今年の梨づくり
今年のナシづくり、交配時の天候が恵まれなかったの、日照不足だの、カメムシの当たり年だのって、いろいろと愚痴をこぼしてきましたが、そんな作っている人間のジタバタをよそに例年と変わらずに果実は育っているようです。

ジタバタしたからこそ天地の恵みを呼び込むことができたといえるかもしれません。しかし、人が手を抜いたりごまかしたりしなければ天地が応えてくれると考えるべきでしょう。

収穫まであとひと月。まだまだ心配事はありますが、まずはここまで天地に感謝です。

手塩したヤマも知る暑に入る暦

2006年07月11日 | ネイチャースケッチ
去年は10日にカブトムシを確認しています。今年もほぼ同時期にその姿をみることが出来ました。

         

日照不足だとか、梅雨が長いとか、人はいろいろといっておりますが、自然界ではしっかりと季節を感じ取り、何不満言うことなく与えられた役割をそれぞれが演じているようです。

この7月上旬が低温状態だと、ナシの豊水にミツ症状という生理現象が出るという不安があったのですが、今日も気温30℃になろうという蒸し暑い一日でした。なんとかなるでしょう。被害の出た方面の方には申し訳ないのですが、南風を呼び込んで日本海に抜けた台風に感謝。

煙る葉にヒグラシ渡りヤマ締まる

2006年07月09日 | ネイチャースケッチ
朝方は数日前から鳴いていたようですが、夕方では今日始めてヒグラシの鳴き声を聞きました。

停滞前線による小雨で木々が煙っている中、突如、例の鳴き声が響き、思わずわが身も引き締まったように感じました。

セミは夏至を過ぎて数日後から鳴き出すといわれています。今年も夏の使者がきちんとやってきました。もうすぐ梅雨明けでしょうか。

電話もカメラもテレビもパソコンも携帯し街はいつでもマイルーム

2006年07月08日 | わが家の時時
初めて「歌会」なるものへ参加してみました。

ここ2ヶ月あまり、なんとなくその波長に惹かれてこのブログにむりやり五七調のタイトルをつけています。なんだこりゃと思われるものばかりですが、日々発信する者としては独り悦にいっていました。しかし、少しばかりの向上心から、身内の歌会だからという甘えも許されて、いざ他流試合。

これまで短歌についてはラジオなどの番組をたまたま聞いていたくらいで、中学校の授業レベル以上の講義を聴いたこともなく、最低限のお約束事もわかりません。

そんな超初心者の歌でも「いただきました」(本当は句会用語のようですが)の声がかかりました。共感していただけるものがあったようです。素直に喜びました。


短い言葉で何かを表現するには身の回りの仔細まで観察する眼をもつことが大事な気がします。実はその観察眼は農業の現場でも大きな役割を果たしていると思います。

熊本県で『昭和の聖農』と呼ばれる松田喜一翁という方が、「百姓の五段階」というものを示しています。


第一段階 生活のための百姓 (生活のために働く生活で、虚栄と享楽を追っているのが現状)

第二段階 芸術家の百姓 (生活に余裕ができても百姓に励む人間。農業の芸術味を解した百姓)

第三段階 詩的情操家の百姓 (風景の変化や虫の音も神の奏でる音楽に聞こえる田園の詩的生活に入った百姓)

第四段階 哲学家の百姓 (天地の声なき声を聞く百姓)

第五段階 宗教家の百姓 (神様のお手伝いをするのが最高の百姓。農業こそ神仏に近づく道)


わが家はまだまだ第一段階。第二段階なんて夢また夢の向こう。ならば飛び越していっそのこと第三段階を少しばかりかじってみようか、というわけでもないのですが、そういう心持にだけでもいつかは到達したいものです。

イタリアにムシも加勢する決勝戦

2006年07月07日 | ネイチャースケッチ
庭のセリ科の花にセリエA・ACミランのユニホームを着たカメムシがたくさん集っていました。W杯ドイツ大会決勝戦に向けてイタリアを応援しにやって来たに違いありません。

フランスが勝って、MFジダンの引退に花を添える形でサクセスストーリーが完結するのも悪くありません。しかし、手堅いイタリアが優勝するような気がします。

このカメムシは「アカスジカメムシ」と呼ぶ種類のようです。セリ科の植物につくので匂いも独特といわれますが、確かめる気にはなりませんでした。

やはり今年はカメムシの当たり年のようです。

今日も小さな傘開く明日小暑

2006年07月06日 | 今年の梨づくり
西日本では連日豪雨になっているようで、台風も近づいているのも気がかりです。

春以降、梅雨のような天候が続いています。普通の年ならそろそろ気温が高く、あまりキノコを見ることもないのですが、今年はナシ畑でいろいろなキノコがずーっと出ています。


         

今頃のナシの管理は差の出てきた小さな実を摘みながら、新梢をピンチしています。ピンチとは摘み取ること。必要のない部分に次から次へと出てくる新しい梢を摘み取ります。

普通なら枝の成長が止まるこの時期になってもまだ新しい枝が出てくるのって不思議かもしれません。確かに春に出てきたままの枝先は止まり葉となって、これ以上伸びる様子は見られません。ところが、新しい梢が出てきては摘み取り、出ては摘むという作業をしてきた部分では、まだ新しい梢を出そうとしています。ですから新梢に取り付くアブラムシも普通ならいなくなる頃なんですが、まだいます。

人のために米を作るのを止めましたと宣言するまでのみちのり

2006年07月05日 | 農のあれこれ
無除草剤稲作のメーリングリストで福岡県のHさんからのメールに「今年から、人のために米を作るのを止めました」とありました。

単純に儲からないから止めたとも受け取れますし、いろいろとあってとうとうがまんできずに「食べる米は自分で作れ」と言ってしまったとも受け取れますし…。

農薬はいらない。野菜の値段は安い方がいい。機械の音がうるさい。田んぼにごみが捨てられる。冬にきゅうりが食べたい。まあ、本当にいろいろありますから、後者の心境に共感してしまいます。

食べ物を作って買ってもらって生活をしている農家とすれば自殺行為ともいえますが、最後は食べるものは自分で作れると農家が独立宣言したようなもの。このくらいの強い意志を持って農業に取り組みたいものです。

向かい合い新婚だねと我言えば老後と妻言う二人の夕餉

2006年07月03日 | わが家の時時
家族が皆出かけて夫婦二人だけの夕餉のテーブルにつきました。結婚して20年以上もたつと妻には新婚時よりも老後の方が身近なようで。もっとも新婚時も家族と同居していましたから、二人だけで食事をしたことはなかったのですが。

農家をしている友人たちのところでも後継者の結婚が話題となってきています。家業を続けるなら、同居か同居に近い住まい方がよいと考えているのですが…

田の草も多様な生き物も土次第

2006年07月01日 | 今年の米づくり
コナギに埋もれたわが家の20aの無除草剤田んぼ。疲れすぎないよう毎日数時間ずつ、手取り作業をしています。もちろんすべて取り切れるわけはなく、時間切れでそのまま収穫へ。

田んぼの中を這いつくばっていて、草が一面に生えているところとそれほどでもないところのあるのを気が付きました。たとえば写真の左側は比較的草がありません。

その違いは草を抜こうと泥の中に手をいれると明らかです。草の少ない部分は
いわゆるトロトロ状態。多い部分は固い感じがします。トロトロ層の部分にはイトミミズや小さな巻貝(モノアラガイ?)がたくさん見られます。

やはりトロトロ層がポイントか。無除草剤稲作のポイントを再確認できたところで、体力も気力も限界…