のらやま生活向上委員会 suginofarm

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梨ドレが激戦市場を切り開く(のらやま通信241/1412)

2016年04月27日 | かしわかあさん

この冬もわが家のナシを使って『梨ドレッシング』を作っています。試作、商品化、改良につぐ改良と農産加工所“かしわかあさん”で取り組んできた商品です。梨ドレッシングの構想はかなり前からあたためてはいたのですが、ソース類製造の加工場ができてから昨年はじめて商品化しました。
昨年9月、農文協加工講座(出版社が主催する農産加工の実践講習会)に参加し、そのワークショップで『梨を加工した売れる商品』というテーマで参加者からお知恵を拝借しました。「お菓子は日持ちが課題」「キムチは美味しいし、韓国では梨を料理にいろいろ使っているからいいんじゃない?」「いやいや、日持ちの点ではジャムやドレッシングがいい」…。ああだ、こうだの結果、新しい商品として梨を主にしたドレッシングが売れそうだという結論に達しました。さらに杉野に来年の加工講座に商品化してもってくるようにと宿題がでました。
それからは<学ぶはまねぶ(まねる)から>というとおり、梨ドレッシングと名前のつく商品を買い求めたり、レシピ本を見たり、インターネットで検索をしたりと、まずは情報を集め、それらをもとに試作をし、これはと思うレシピを決め商品化にこぎつけました。冬から道の駅しょうなんにて販売開始。ちょぼちょぼと売り始めました。
この10月、本年度の農文協加工講座が開催されました。加工の先生小池芳子先生が講評する加工品品評会に昨年度の宿題であった梨ドレッシングを出品、批評していただきました。「味はよい(やったー!)。ただ、分離液状というタイプのドレッシングなのだが、現状の作り方だと梨と米油が分離していてよく振ったとしても油が先に出てしまう欠点がある。これをどうするか?」参加者からも、油っぽいとかパンチに欠けるとか色が地味とかの感想が寄せられました。
小池先生からは次のような指導がありました。梨と酢や油をよく攪拌して混ぜること。梨やたまねぎなど生のものは全体の3割までにすること。唐辛子を使っているが、辛いもの、辛くないもの、いろいろあるから配合を工夫するように。味とは別に商品ラベルがおとなしいとの指摘もありました。これまでは味がすべてでした。次は味と長期保存が課題となり、PHメーターという測定器を使うことも覚えました。講習会から帰ってから改良バージョンを作り、油が分離しにくくなり、唐辛子の配合を変えてこれまでよりパンチをきかせた梨ドレッシングになったつもりです。そして、現在直面している課題は商品のラベルと外観です。
つい最近ある方から次のような話をされました。『およそ世間にある商品にまずいものはない。農家の方はこだわってつくっているから、なおのこと味はよい。しかし200の商品が並んでいて200の消費者がもう一方にいて、さあと言ったときに選ばれるものとそうでないものとがある。味見ができないとしたら、ポイントはデザイン。』
これまでは串団子やシフォンケーキなど消費期限の短いものを道の駅の直売所を出品していましたが、賞味期間が6ヶ月から1年のものを作り始めたのですから販売チャンネルを増やすことも必要です。わが家の加工品を多くの方に手にとってもらいたいと考えています。
そんなことを考えているとき、テレビで、大手デパートのドレッシング売り場で農家の手作りドレッシング(ねぎのドレッシング)が売れているという放映がありました。ならわが家の梨ドレッシィングだってという気にもなるじゃありませんか。また、加工講座でこんな話も聞きました。「ガラスびんは割れる重いなどの点からプラスチック容器に変わっていて、びん業界全体の生産量は減っている中で微増しているのがドレッシングびんです。」
はてさてこれからわがやの梨ドレッシングはどこへいくのでしょうか。こんなアメリカンジョークがあります。発展途上国に行ったセールスマンの話。
セールスマンA この国はだれも靴をはいていない。だから靴は売れっこないよ。
セールスマンB この国はだれも靴をはいていない。しめた。だからこれから靴はバンバン売れるぞ。
梨ドレッシングなんてふつうのスーパーではあまり見かけません。アイスのガリガリ君や“ふなっしー”のおかげで梨も加工できるんだと認知されてきました。梨ドレッシングはセールスマンBのようになれるでしょうか?
(2014年12月)

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