のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

酷暑でも一週遅れの秋の幸

2010年08月18日 | 梨の出荷
ようやく幸水の収穫も本格的になってきました。
たいへん恐縮ながら、大玉クラスは
本日、7月17日にいただいたご注文分を発送しました。

今年は7月以来の猛暑?酷暑?により糖度の高い果実になっていますが、
この間、まともな降水のなかったという極端な乾燥状態により
小ぶりのまま色づくものと
肥大しているものの熟期の遅れているものに二分される傾向があります。
そのためご注文の大玉クラスにつきましては
これから収穫、出荷が進みますのでご了承ください。


小玉、大玉に二分される要因としては
乾燥という特異な気象条件によって樹勢の違いから大小の差が大きくなることと
もうひとつ、
交配時の花粉量の差が表れているのではないかと考えています。

今年の交配時はたいへん厳しい状況にあり
豊水開花中の4月17日には降雪まで記録しました
それまでも寒い曇天が続いていましたので
いつもの梵天による人工交配では受粉が難しいと判断し、
花粉を直接吹き付ける交配器を試みています。
その効果が大玉になっているのではないかと思っています。

というのは、単純に樹勢の差だけで果実の大小が決まるなら
大玉がずらりとぶら下がっている木に小玉が見られることはないはずです。
これは授粉時の花粉量の違いでしょう。
なぜ同じように人工交配したのに小玉傾向の木があるのかといえば
樹勢であったり交配時のタイミングが合わなかったためと思われます。

今年の春は、全般としては花粉量が足りなかったと思われます。
それは例年より変形果が多いことからもわかります。
その中でいつものように大玉がこれから収穫できるというのは
交配時のひと手間の効果ではないかと単純に喜んでいます。