のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

同じ血を引く兄弟は似て非なり

2010年08月23日 | 梨の品種
最近育種された二種の青ナシです。
左が早生の「なつしずく」、右が中生の「秋麗 しゅうれい」です。

「秋麗」の果皮に赤いサビが出ていますが、二つはよく似ています。

それもそのはず、「なつしずく」は
「幸水」と「菊水」を掛け合わせた「平塚25号」と「筑水」の子。
「秋麗」は「幸水」と「筑水」の子。
兄弟とも従兄ともいえる仲。

肉質は柔らかくち密で果汁も多いという性格はそっくり。
特徴をそれぞれ一言でいえば、
「なつしずく」はモモのような風味があり、「秋麗」はたいへん糖度が高い。
二種とも人気の出そうな雰囲気はあります。

消費者の方は美味しければそれでいいのですが、
生産するとなると作りやすさとか熟期なども問題です。

「なつしずく」はまだよくわかりません。
苗木の段階では樹勢は良いようです。
「秋麗」は栽培して5年以上たちますが、
植え付けた畑がよくないのか、いまひとつ勢いがでません。
また、研究開発機関の資料では
「病害虫に対しては慣行防除で対応できる」とありますが、
特に黒星病に弱い気がします。

そのうえ、「なつしずく」は8月上旬、「秋麗」は9月上旬が収穫期といわれるのに、
なぜか今年はほぼ同時に熟期を迎えた実がでてきました。
「なつしずく」は苗木だからずれるのは仕方ないとして
「秋麗」がもう色づきはじめたような…
「幸水」が遅れているから「秋麗」も遅れるのかと思いきや、です。

これも今年の特異事例なのか、それとも実際の傾向なのか。
晩生の「王秋」も資料では10月下旬が収穫期となっていましたが、
実際につくってみると10月中旬ごろから収穫しても美味しいようです。

いずれにせよ、今年は受注に足りなそうな幸水の穴埋めに
「秋麗」を使わせてもらいますか。
「幸水」でご注文いただいていてお応えできるかわかりませんという
お客様の中でそれなら「秋麗」に変更してもいいよという方がいれば
ご連絡ください。
数量限定で検討させてください。