のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

山猫の米は売りたし米はなし

2010年08月05日 | わが家の時時
今回の対馬ツアー、本来の目的は
ツシマヤマネコと共生する地域起こしの事業モニター。
そこで、第一晩目は「佐護ヤマネコ稲作研究会」メンバーとの意見交換会。

             

ヤマネコの餌は野ネズミ等の小動物。
それを確保するためには稲作が維持されていることが大事。
ならば環境にやさしい稲作を実現して
地域の活性化とヤマネコの保護を目指そうという研究会。

             

対馬随一の米どころ、北西部の佐護地区の米農家を中心に
地区内にある野生生物保護センターに出入りする若者たちが
有機米づくりに取り組み始めました。

             

いま流行りの佐渡のトキ米や豊岡のコウノトリ米のように
付加価値をつけて稲作経営を安定させたいというもくろみですが、
話を聞いて行くうちにそれほど単純な話でもないようで…

現状は島内の米の自給率は低く、
お世話になった農家の生産した米はすべて島内の消費者へ直接届けているといいます。
島民が付加価値をつけた高価なお米を購入する余裕はなく、
一方で、島外向けに志ある消費者に送る米の余裕もない。
付加価値のついた米を島外に送り出し、
安価な米を島内に持ち込むというのは本末転倒ではないか。
とはいえ、いまのままでは稲作経営も厳しいというのです。

なにかアドバイスをと言われても困りましたが、米を買ってもらうことではなく
そういう米をつくっているところを訪ねてもらうことで地域経済を安定させるために、
とにかく情報発信してみたらどうかと。

観光客を呼び込むことは、当然、彼らも気付いているポイントです。
お世話になったKさん宅でも料理の得意な奥さんが農家民宿を始めたいとかで、
われわれが農家民宿のモニターだったわけです。
晩御飯の食卓は地場のお魚料理のフルコース。
見たこともない聞いたこともない小骨の多い魚でしたが、
煮つけはたいへん美味しいものでした。
対馬では普通の魚ということ。
やはり現地にいって食べるから美味しいのでしょうねえ。
でもいつもあんなに大判振舞していたら民宿でも赤字出しちゃいますよ。