のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

特異日の得意な今年のまだ異変

2010年08月20日 | 今年の米づくり
千葉県北西部でも早生種のコメの刈り取りが始まり、
今年のコメの作柄の様子が伝わってきました。

例年との大きな違いは籾の乾燥度が非常に低いということ。
例年ですと、刈り取り直後の水分量は27~28%程度。
それが今年は21%~22%。

これを15%前後に乾燥させ籾すりをするわけですから、
見方によっては燃料費がかからず、よかったとなるわけですが、
じゃあ、その田んぼと稲はどうだったかといえば、
葉は緑濃く、コンバインのクロ―ラも泥んこになって
後の掃除が大変というくらいの湿田状態。
この夏の猛暑ですからどの田んぼも直前まで水を張っていましたから
当然の話です。

田んぼに水があって、イネにも水分が十分あって、
それでいて籾の水分が少ないのはなぜか。

この猛暑の中、イネは自分の体を維持するのに精いっぱいで
籾の方まで水分なり養分が生き届いていないのではないか。
こんな解釈が大方の見方のようです。
玄米検査では暑さの影響を受けた白い玄米やカメムシの被害粒が
例年より多く見られたといいます。

カメムシは異常発生注意報が出されているくらいですから致し方ないとして、
今年は例年に見られないイチモンジセセリとかコブノメイガのような
害虫の被害も確認されているそうです。
これも気温が高いことによる影響だろうといわれています。


もうひとつ、特筆すべき異変は、
イネがまだ青い田んぼほど倒伏し始めているということ(写真)。

イネの倒伏は、普通、地形的立地条件で風や軟弱な地盤が原因となるものや
窒素肥料の過剰施肥、収穫直前の台風の影響などが考えられますが、
今年はこれらの要因とは関係なく、遅い時期に田植えをした田んぼほど
倒伏傾向がありそうとのこと。

これも6月以降の高温傾向でイネが急成長し、
茎が軟弱になっているからではないかと言われています。
わが家の田んぼも遅い田植えの例外ではなく、
周辺で一番青い葉色なのにもう傾き始めました。

倒伏していて、その上、今は猛暑で乾燥しているのに
稲刈りが始まるころには天気がぐずつき始めるようなら
もう、踏んだり蹴ったり。