
ナデシコ科ワチガイソウ属の似たもの同士が、津金寺のお堂の前に同居しています。
左が「ヒゲネワチガイソウ」、右が「ワダソウ」、開花期は10日ほど違います。
パット見た感じの違いは、ワダソウは全体的に上の葉の縁が波打っています。
ワダソウの和名は、長野県の和田峠に由来するそうで、親しみをおぼえる花です。

よく似る2種の最も見分け易い時期は開花期で、花弁数や花弁の形が異なります。
左のヒゲネワチガイソウは、花弁数が5~7枚、花弁の形は細めで先端は尖ります。
右のワダソウは、花弁数が5枚、花弁の形は丸めで先端のくぼみが特徴です。

両者とも花は茎頂にひとつですが、ワダソウは時に3個前後をつけることもあります。

見分けのもう一つの決め手は、花柄や萼片に生える毛で、肉眼でも確認できます。
左のヒゲネワチガイソウは茎や葉には毛を有すものの、花柄にはなく、つるつるです。
右のワダソウの花柄や萼片には、白色の毛がたくさん生えています。

結実期になった株ですが、ヒゲネワチガイソウとワダソウが隣接しています。
画像左端と下側の株の葉は波打っていませんが、他の株は波打ちが分かります。
葉の縁の波打ち具合でおおよその見当をつけ、花柄の毛を確認します。

前画像の花柄がついている株の拡大ですが、この時期でも毛の有無は明瞭です。
左が前画像の下の株で花柄はつるつる、右が上の株で、毛がたくさん生えています。

雰囲気を変えて、今が花盛りの「トウゴクミツバツツジ」、渓流を紅で灯しています。
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