ベラルーシの部屋ブログ

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2024年5月12日。ウクライナ侵攻から810日目

2024-05-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年5月12日。
 ロシア大統領は今日、国防相のショイグ氏を安全保障会議書記に任命し、後任に第1副首相だったアンドレイ・ベロウソフ氏を任命しました。
 安保会議はロシア大統領が議長を務める安全保障問題の最高政策立案機関で、盟友ショイグ氏を自身の補佐役に置いたことになります。
 ベロウソウ氏は経済発展相などを歴任した経済官僚で、軍事の専門家ではありません。しかし国防相になります。軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長は留任したので、この軍トップの二人がうまくやっていけるのかどうか。
 ショイグ氏は軍需産業分野を統括する政府軍事産業委員会の副議長も兼務しています。プーチン氏はウクライナ侵攻継続に向けた軍備強化などを引き続き担当させるそうです。
 あからさまなクビにしなかったのは、ショイグ氏の解任がロシアの「特別軍事作戦」が思い通りに進んでいないことを国民に認めることになるからです。
 

 ロシアの警察は、ウクライナ東部で6人の仲間を射殺した容疑でロシア軍兵士を捜索しています。
 容疑者はユーリ・Gとよばれる57歳の「元受刑者」の二等軍曹です。つまり犯罪者で服役中だったのが、軍にスカウトされて6ヶ月生き延びれば、無罪放免になるという話にのった一人です。
 テレグラム・チャンネル「バザ」によれば、ドネツク人民共和国で5月4日に榴弾砲大隊の兵士6人を射殺した後、逃亡したそうです。
 サイレンサー付きのAK-12アサルトライフルと弾薬を所持している可能性があり、警察はロシアの国境地帯であるロストフ、ベルゴロド、ボロネジを捜索している、とバザをはじめとするロシアのニュースサイトが伝えている。この周辺地域に住んでいる人たちは気が気じゃないですね。戦争で敵国から攻撃を受けるのを恐れるだけではなく、味方の軍の頭のおかしい犯罪者が近所をうろつくようになる、これが戦争の持つ一面なのですね。

 ロシア軍では他にも、ドミトリー・ロボビコフという軍曹が昨年2023年1月13日から14日にかけて行われた新年会の最中に部下7人を手榴弾を爆発させて殺害し、少なくとも10人を負傷させた罪に問われています。
 コメルサント紙が報じたところでは、ロボビコフ軍曹は部隊の様子を確認するために兵舎に行き、そこでRGD-5手榴弾を取り出してピンを抜いてから、兵士の一人にピンを元の位置に戻すよう命じました。しかし、命令を受けた兵士は、やり方を習っていないと答えました。するとロボビコフは兵士を罵り、そして別の小隊の兵士が寝ていた隣の部屋に手榴弾を投げ込み、ガスボンベを爆発させ、7人を死亡させました。
 ロボビコフ軍曹は拘束され、殺人、殺人未遂、故意による身体的危害の加害、故意による器物損壊、爆発物の不法所持で起訴され、今日裁判が始まりました。
 ロボビコフの弁護士によれば、被告人は模範的な働きをしてきたが、脳震盪のために服用した鎮静剤とアルコールとの組み合わせで正常な状態ではなかったうえでの予想外の事故だったと主張しました。
 手榴弾はロボビコフが廊下で見つけたもので、兵士と言い合いになった後、彼は意識を失っていたそうです。その間に手榴弾は隣の部屋に入り込んで爆発し、ロボビコフ自身も重傷を負ったので、犯罪行為を行える状態ではなかったという主張です。