ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

東日本大震災から9年

2020-03-11 | チロ基金
 東日本大震災発生から9年。
 ベラルーシに住んでいる人の気持ちをそのまま日本の方が話しているインタビュー記事(週刊金曜日)があったので、リンクを貼っておきます。

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元酪農家の長谷川健一さん怒りの告発 「飯舘村では若い人が胃がんで立て続けに亡くなっている」
小雪が舞う2月上旬の福島県飯舘村(いいたてむら)。元酪農家の長谷川健一さん(66歳)宅を訪ねた。飯舘村を訪れたのは実に3年ぶりのことだ。

「バタバタ逝っちまう」
 東京電力福島第一原発事故に伴う飯舘村の避難指示が、一部の帰還困難区域を除いて解除されたのは、2017年3月のこと。同村前田地区の長谷川さんは翌18年5月に自宅に戻り、現在は妻と父の3人で暮らしている。

 久しぶりに訪ねた長谷川さん宅は、見慣れた牛舎が撤去され、そこにはなにやら真新しい工場のような建築物が建っている。聞くと、畑が荒廃するのを見かねて植えた蕎麦(そば)の実を選別・製粉する機材が、その“工場”の中に納まっているのだという。

 農作業のできない今の季節は「冬眠中だ」と言って笑う長谷川さんに、まずは自分の近況報告をした。飯舘村で避難指示が解除されたのと同じ17年の出来事だが、筆者に胃がんが見つかり、胃の4分の3を切除する手術を受けている。そのため体力が落ち、飯舘村に来られなかった不義理を詫びつつ、家族や友人の間で似たような大病をした人がいないか尋ねた。すると、長谷川さんが答える。

「いや、病気を通り越して、亡くなっているよ。50代後半から60代の、俺よりも若い人が。そのほとんどが、がんなんだけどな。中でも胃がんという人をよく聞く。見つかったと思ったら、皆、バタバタ逝(い)っちまうんだから。考えるに、飯舘村の俺らは皆、免疫力が低下しているからじゃないかな」

 長谷川さんの妻、花子さん(66歳)が続ける。
「仮設住宅に避難していた頃からです。でも皆さん、病院では必ず『原因はストレスですね』って言われるんです」

健一さん「今まで、そんなことはなかった。がんで若い人がバタバタ亡くなるなんてことは、原発事故の前の飯舘村ではなかった。
 ウチのすぐ隣の友達(62歳)は、避難指示が出ても仮設住宅に避難しないで、ずっと村に残っていた。それで一昨年、胃がんが見つかって胃を全摘したのだけど、あちこちに転移が見つかって、その年の6月に亡くなった」

花子さん「あの人は胃の手術の後、退院したその日からお酒を飲んだんだよ。『胃がなくても、ちゃんと酔っぱらう』って(笑)。でも、そんな人でも亡くなっちゃった」

健一さん「彼の妹も、乳がんが肺に転移して40代で亡くなっている。
 60歳で亡くなった人もいるんだよ。これも俺の友達で、やっぱり胃がんだった。肺や大腸、リンパにも転移していて、見つけた時はもう手遅れで、手術もできずに医者から『あと半年の命』と告知されたと、奥さんから聞いた。そのちょうど半年後の19年2月に亡くなった。今月がちょうど一周忌だ。
 そう言えば、あのTも胃がんだっけな?」

花子さん「そう」

健一さん「あいつも胃を取って、50代で逝ってしまった」

花子さん「胃がん以外でも、がんで亡くなった人がいっぱいいる。かなり若い人も亡くなった。なんで前田地区は若い人ばっかり亡くなるんだ――って言われたね」

健一さん「俺らと同じ年頃で逝くわけだから、余計に記憶に残るんだ。それも、がんが見つかってから、そんなに時間が過ぎないうちにどんどん悪くなって、逝っちまうんだから。
 80歳や90歳でがんになるのは、これはしょうがねえな、天命を全うしたんだな、とも思えるけども、60代だとそうはいかねえべ。
 ただ、因果関係はわからない。放射能との関係は。だから皆、諦めている。それに、当事者はなかなかしゃべろうとはしない。『俺はがんだ』って言いふらしてまわるバカもいねえし」

 東京電力福島第一原発が凄まじい量の放射性物質を放出してからまもなく9年が経つ。だが、この国では被曝による健康被害は「一切ない」ことにされている。本当にそうなのか。3月6日発売の『週刊金曜日』では、福島県のデータなどを掲載。放射線医学の専門家に話を聞くとともに、「泣き寝入り」しない方法を探っている。

(明石昇二郎・ルポライター。2020年3月6日号より抜粋)

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 ベラルーシで聞き取り調査をした人たちからも、小児甲状腺癌以外に大人が様々なガンになっていると言う声をよく聞きました。
 ベラルーシ人の場合、もともと皮膚ガンや肺ガンにかかる人が多いのですが、人種による体質の違いもあるでしょう。

 昨今のコロナウイルス感染の拡大、日本もベラルーシも心配です。
 特に放射能被曝を受けている人は、持病のあるなしに関係なく、免疫力が低下していますから、感染症に罹患するリスクが高いです。
 どうかみなさん、感染予防策を講じ、免疫力を高めるためのきっかけにしてください。
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