ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年3月16日。ウクライナ侵攻から386日目

2023-03-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月16日。

 ベラルーシの国境警備隊は、リトアニア国境との検問所で昨日、他人のパスポートを使用してベラルーシに入国しようとした男を拘束しました。
 この男は、ラトビア人のパスポートを提示しましたが、写真と顔が全く違っていて、すぐに他人のパスポートを使っていると分かったそうです。
 どうしてすぐばれる嘘をつくのか・・・
 取り調べに対し、男は親戚を訪ねるためにラトビアからリトアニア、ベラルーシを経由してロシアに行くつもりだったと話しました。
 ということは、ラトビアからリトアニアに越境するとき、両国の検問所では、パスポートの写真と顔が全く別人なのに、国境を通過させたということになります。それがおかしいとベラルーシ国境警備隊は指摘しています。
 この容疑者の真の目的は別にあると思われます。


 ポーランドのメディアによると、昨日ロシア人とベラルーシ人からなるスパイ6人がポーランド国内で逮捕されました。スパイ活動していたのはは、ウクライナ国境近くのジェシュフ付近で、彼らは隠しカメラで軍事装備を搭載した列車を撮影し、受信した情報をネットワークにリークし、破壊工作の準備をしていたとされています。
 このことが明るみになってからポーランドの鉄道といくつかの重要なインフラ施設に警報が発せられ、治安部隊は厳戒態勢に置かれました。
 ジェシェフには、西側の武器と弾薬をウクライナに移送するためのハブ空港であるジェシュフ空港や鉄道があります。
 ベラルーシ当局はポーランドでベラルーシ人3人がスパイ容疑で拘留されたことを事実だと確認しましたが、スパイ活動などとは無関係だと主張しています。


 ロシアのロストフナドヌーにある連邦保安局(FSB)国境警備隊の庁舎敷地内で今日、爆発を伴う火災が発生し、1人が死亡、2人が負傷しました。弾薬庫が爆発したとの情報がありますが、こんな町中の庁舎の中に弾薬庫があるの?と疑問に感じました。
 現地メディアによると、電気系統のトラブルが原因の可能性があるそうですが、よくある火災発生の原因の一つですね。


 1420チャンネルが新しくベラルーシでのインタビュー動画をアップしました。
 今回の質問は「ロシアと西側、仲良くしたいのは、どちらですか? ベラルーシ人にきいてみた。」
 ベラルーシ人の今の心境がとてもよく理解できます。
 リンク先はこちら。 


 モルドバ議会は今日、公用語の名称を従来のモルドバ語からルーマニア語に変更する法案を政権与党などの賛成多数で可決しました。
 混乱は起きないのでしょうか。国民はどう思っているのか?

壺井栄ロシア語訳作品集をバラノヴィチの図書館に寄贈しました

2023-03-16 |   壺井栄
 壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」をベラルーシ各地の図書館に寄贈し回っています。
 3月16日には、バラノヴィチ市立中央図書館に寄贈するため訪問しました。
 この図書館には外国語文学室があり、英語が得意な司書が担当しています。
 贈呈式には国立バラノヴィチ大学の学生さんや、図書館関係者が訪れ、真剣に壺井栄文学の紹介を聞いてくださいました。
 司書の方は、新しい外国文学の新刊書が来た、しかも書店では販売していない稀少本だとまで表現して、喜んでいました。こちらも翻訳した甲斐があった、寄贈した意味があったと本当に嬉しかったです。

 贈呈式の様子はバラノヴィチ中央図書館のサイトで見ることができます。リンク先はこちらです。ベラルーシ語ですが画像が見られます。

 バラノヴィチの地元の新聞「ナーシ・クライ」2023年3月17日付の記事です。(ベラルーシ語)

 司書さんが撮影してくれた画像はまとめてこちらで見られます。
 

 司書の方々は、「世界に不協和音が多い時代こそ、文化活動を熱心にするべきと思って仕事をしている。」と話していましたが、同感です。
 また「二十四の瞳」のあらすじをお話しした後に「教育が大事。これで人生が変わる。」と司書の方が話すとバラノヴィチ大学の学生さんや先生がうなずいていました。会場には女性が多かったです。
 
 「二十四の瞳」の物語は12人の子どもとその先生の人生の話ですが、その過半数が女性という設定にしてあるのが、つまり女性の運命についてよりいろいろと作者は書きたいと思っていたということです。
 物語の最後では、12人の子どもたちが25歳になっており、それぞれの人生が描写されているのですが、自らの力(学力)で、希望する職業に就けたのは2人(と大石先生)だけで、この2人がなった職業が、助産師と学校教師というところに作者の意図するところが表現されていると思います。

 バラノヴィチ図書館で出会った大学生の皆さんや司書の方々、その子ども世代の人たちはこれからどんな人生を送るだろうかと思いました。
 よりよい人生を送ることができるようによりよい社会になってほしいと思いました。
 壺井栄も社会がよくなってほしいと、啓発するつもりもあって作品を書いていたと思います・・・と出席者の方々には話しておきました。