その雑木林の中を歩くのは楽しいものです。花や昆虫をみかけることはなくなりましたが、光を楽しむというか、葉を通り抜ける初冬の光がすばらしく美しく感じます。同じ場所も見る角度で違います。私はこの写真のように、向こう、それもやや傾いた角度から射す逆光が好きです。葉は光をうけ、光を遮る幹は真っ黒になるコントラストが美しいと思います。これを向こうから見るとまったく印象が違います。
雑木林というのはひとつひとつの木のいろが違っていて、それでいて調和があるもので、私はコナラのこういう色調がとても好きです。カエデの紅葉を最高のようにいいますが、そういう人の色彩感覚は、ま、未熟ですな。
11月24日に東村山にある北山というところに行きました。黄葉のいいタイミングで、里山的景色が楽しめました。ここでは半分観光のような形で米作りをしていて、同じ土地でアヤメの栽培もしています。トトロの森のモデルになったという話です。
ちょっと驚いたのはイノシシが写ったことです。すぐ近くに民家があり、自動車がバンバン走っている場所です。園の中はよい林があるとはいえ、こういう大型獣がいるというのは驚きです。
ここにもカメラをおいていることは書きましたが、このときはアナグマも写りました。アナグマは春から夏にかけてはミミズを食べていますが、秋には果実を食べることがわかっています。このときはカキの実に来ました。よく太っています。1月になると写らなくなったので、冬眠したようです。それに備えて脂肪をたくわえていたのですね。
若いころに読んだ文章にボタンヅルの仲間のことをTraveller's dream、旅人の夢というのだと書いてありました。なんとなく記憶に残っています。
この仲間はClematisという属名で、そのものクレマチスという園芸植物がありますし、テッセンというのも同じ仲間です。花びらに見えるのはガクで、テッセンはそれが巨大に改良されてます。野生のClematisは花びらは小さなものですが、魅力的です。花も見事ですが、花が終わって果実になったとき、果実を飛ばすための羽根毛があり、ほんとうに鳥の羽毛のようです。花のつけねに数個の種子があり、それぞれに外向きにうねった軸が出て、そこに羽毛状の毛がついています。
軽くなって飛ぶためには、ごくごく細い繊維をつくり、風を受けるのがベストです。現実にススキの穂でも、タンポポの綿毛でも、ごく細い繊維になり、そういうものは遠目には銀色になります。そうなると、光があたると輝くことになります。
ボタンヅルが実をつけるのは秋も終わりのころ、日が短くなり、気づくと太陽が傾いていて、あちこちに暗い影ができるようになります。そういう陰をバックにした銀色の毛は夕日の光を受け止めます。受け止めてそこから光を発しているように見えます。
ヨーロッパの旅人が晩秋の旅をして、一休みしたところにボタンヅルの実がなっているのを見たとき、「ああ、俺の夢が輝いている」と思うのはありえることです。
この仲間はClematisという属名で、そのものクレマチスという園芸植物がありますし、テッセンというのも同じ仲間です。花びらに見えるのはガクで、テッセンはそれが巨大に改良されてます。野生のClematisは花びらは小さなものですが、魅力的です。花も見事ですが、花が終わって果実になったとき、果実を飛ばすための羽根毛があり、ほんとうに鳥の羽毛のようです。花のつけねに数個の種子があり、それぞれに外向きにうねった軸が出て、そこに羽毛状の毛がついています。
軽くなって飛ぶためには、ごくごく細い繊維をつくり、風を受けるのがベストです。現実にススキの穂でも、タンポポの綿毛でも、ごく細い繊維になり、そういうものは遠目には銀色になります。そうなると、光があたると輝くことになります。
ボタンヅルが実をつけるのは秋も終わりのころ、日が短くなり、気づくと太陽が傾いていて、あちこちに暗い影ができるようになります。そういう陰をバックにした銀色の毛は夕日の光を受け止めます。受け止めてそこから光を発しているように見えます。
ヨーロッパの旅人が晩秋の旅をして、一休みしたところにボタンヅルの実がなっているのを見たとき、「ああ、俺の夢が輝いている」と思うのはありえることです。
去年になりましたが、11月26日に高尾にある多摩森林科学園に行きました。高尾駅を降りて、多くの人は高尾山のほうに行きますが、私はこの科学園に行きます。駅前の道を行くと川があり、科学園のある森がみえます。11月の下旬はまだ黄葉しきらない木も多く、黄葉しらコナラなどとの対比がきれいでした。赤い葉のカエデも見えます。
左奥にコナラの雑木林がありますが、全体に褐色です。それにくらべると科学園の森は大きなモミの木もあり、この地方の原生的な林に近いと思われます。
左奥にコナラの雑木林がありますが、全体に褐色です。それにくらべると科学園の森は大きなモミの木もあり、この地方の原生的な林に近いと思われます。
ツキノワグマも写っていました。しかも母子で。これは夜中に撮影されたので、目が光っているし、ブレていますが、貴重な証拠写真です。フラッシュをたくカメラもあるのですが、動物が警戒するので、このカメラでは光らない条件で撮影するようになっています。
ひとりの学生はタヌキが糞を通じて種子を散布することを調べています。森林におけるタヌキの役割を示したいというわけです。それで溜め糞場があるところにカメラをおいていたら、申し訳ないほどそのままの写真がとれました。プライバシーの侵害ですな。ごめんね、タヌ君。これも君が森林で偉大な役割をになっていることを示してあげるためなんだ。
ただ「かわいいから」では本当の保全の理由になりません。生態学を学ぶ者は、研究成果によって保全の根拠を示すべきだと考えています。
ただ「かわいいから」では本当の保全の理由になりません。生態学を学ぶ者は、研究成果によって保全の根拠を示すべきだと考えています。
自動撮影カメラを回収したら、いろいろな動物が映っていました。
これはテンで、10月25日の撮影ですが、もう冬毛になっていました。
これはテンで、10月25日の撮影ですが、もう冬毛になっていました。