自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

雪の日

2017年02月28日 | 家族
去年の11月24日、東京に雪が降りました。孫が遊びに来ることになっていたので、よころばせようと思い、ウサギを作ることにしました。雪をあつめてウサギの体にし、カシの葉を耳にし、ナンテンの身を耳にしました。
 3歳のたくまくんはそれを見て大喜び。



お兄ちゃんがウサギを見ているあいだ、1歳のだいちくんは薬の入っている引き出しを引っ張り出して、中に入っているものを取り出すのに夢中です。そういうときは納得がいくまで遊ばせます。



そのとき、急に違うことを始めました。どうやら耳かきを見つけて、それが耳になにかするものだということを見ていたらしく、自分でもそのつもりで耳のあたりをホジホジしています。でもそれは完全にはずれています。



ぼんやりしているようで、大人のすることをちゃんと見ているものだと感心しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

乙女高原 11/23

2017年02月27日 | 乙女高原

本日インドネシアから帰国しました。長い移動で疲れました。また、日常の自然記録にもどります。

毎年勤労感謝の日は乙女高原で草刈りがあります。120人だったかな?たいへんな数の市民が集まってせっせ、せっせと草刈りをし、それをブルーシートにのせて運びだします。あっというまで、気持ちのいい汗をかきます。こうして草原が森林に遷移しないで維持されているわけです。





たくさんの人が働いているのを見るとなんだか感動します。

この日、恒例の豚汁をいただいているときに半場さんという人に「先生、カヤネズミの巣みたいなのを見つけたんだけど、見に行かない?」と誘われて、みつけたのでした。こちら

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インドネシアより

2017年02月26日 | 研究など research

 世の中は変わったもので、インドネシアからでもネットが使えるので、驚きました。調査地をあとにして飛行機の時間があり余っているので、ブログが書けます。詳細はあとで書くことになるでしょうが、とりあえずトピックを少し。
 ニホンジカの仲間でルサジカというのがいて、これが奈良公園みたいな感じでいます。体の大きさも同じくらいですが、ツノの枝数が少ないです。


ルサジカのオス


ルサジカのメス

それからカニクイザルという、これまたニホンザルに近縁なのがいます。尻尾が長いのが大きな違いですが、ほかにもややスリムで、顔にヒゲが生えているところも違います。


カニクイザル(メス)

 これらはずっと前に来たときにも見たのですが、今回はヤマアラシ、ヒヨケザルなども見ました。とくにヤマアラシは洞窟(鍾乳洞)の中にいて、2mくらいの距離で見れました。とても変わっていて、のそのそと歩くのがとてもかわいかったです。


ヤマアラシ

 ヒヨケザルというのはサルではなく、しいて探せばムササビのような動物ですが分類学的にはサルに遠からぬものだということがわかったそうです。ムササビのような、というのは、前肢と後肢のあいだに皮膜という膜があって、飛ぶときにザブトンのようになるからです。木の葉を食べるところも共通です。木の上にいるのでなかなかみつかりませんが、やっとみつけて写真をとりました。この写真ではよくわかりませんが、上が頭、前肢もみえます。腰のあたりがもりあがっていますが、これが皮膜がおりたたまれています。このあと振り返るように木から離れて「ザブトン」になって飛びます。


樹上にいるヒヨケザル

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インドネシアにいます

2017年02月19日 | 研究など research
17日に出発して、いまインドネシアにいます。30年ほど前に一度来たことがあるのですが、さすがに様がわりしています。一番驚いたのはITの発達で、ここでもメールもつかえ、このブログも書けることがわかりました。街に出ても、フマホをのぞいている人だらけです。
 出発前に、いま、書いている玉川上水のことを紹介しましたので、ご一読いただければ幸いです。

http://blog.goo.ne.jp/tjcanal

の「調べてわかったこと」というところです。

 これから先、帰国まではIT環境が悪くなるので、書けないと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フクロウ4 死体の中に死体

2017年02月16日 | 玉川上水
驚くことはいろいろあるもので、フクロウの死体を拾うとき、枯葉や土を落としてポリ袋に入れました。全体としては羽が目立ち、骨はそのすきまに見えるという印象でした。一番目立ったのは胸骨で、それに続いて肋骨が見えました。それに続いて寛骨が見えました。それらを確認しながら、肋骨のあいだをみると、しわしわの黒いものがありましたが、これはひからびた消化器官など「内臓」です。ふとみると、その中に小骨があります。


写真ではわかりにくいので、イメージを描きました。

そこでハッと気付きました。
「これはフクロウが食べたネズミの骨だ!」
とすると、死んだフクロウの中に死んだネズミが入っているということだと、不思議な気がしました。

鳥は歯がありませんから、消化しにくいものを食べたら、飲み込んだあとに砂嚢で潰したり壊したりします。砂嚢は巨大な筋肉でできており、鳥は砂利などを食べてここに溜め、飲み込んだものを物理的に粉砕します。フクロウの場合、消化したものを食道を逆流させて吐き出します。


フクロウの消化器官


同時に、
「よく見れば顎なども入っているかもしれない、そうしたらネズミの種類が特定できるかもしれない」
とも思いました。
 あとでとりだしてよく見ると、実はそれはネズミではありませんでしたし、顎の骨は出てきませんでした。細長い骨があり、四肢の骨で脛腓骨と呼ばれるものもありました。



これらは、私の知る限りネズミではないように思えます。もしかしたらカエルか別の鳥の骨かもしれません。
 新たな課題ができました。

● あしたから27日までインドネシアに行きますので、ブログはお休みします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フクロウ3 足

2017年02月15日 | 玉川上水
フクロウの死体を拾ったのですが、足は折られて少し離れたところにありました。改めてみると、その鋭い爪に驚きます。これでしっかりと獲物を捉えるのですね。


フクロウの足
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フクロウ2 頭骨

2017年02月14日 | 玉川上水
 さて、そういうわけで私はフクロウにはちょっと思い入れがあるのですが、実は先日、ちょっとしたことが起きました。津田塾大学でタヌキの調査をしていますが、いい季節なのでタメフンを探そうと津田塾大学内の森を歩いていました。そしたら鳥の死体がありました。キジバトの羽が散乱しているのはよくわるのですが、明らかに違います。焦げ茶色と白の段だら模様です。「トビかもしれない、でももしかしたら・・・」



 実は私は10年以上前に金華山の草原を歩いていて偶然、ごく新鮮なフクロウの死体をみつけて標本にしてもらったことがあります。めったにないことです。津田塾大でも、近づいてみたら、まちがいなくフクロウでした。しかもわりあい新しく羽もきれいで、近づいてみると頭もありました。それを丁寧にひろってきました。
 タヌキがいるし、カラスもたくさんいるのに、よく破壊されなかったものです。
 いまクリーニングしていますが、頭骨の現段階を紹介します。



 それにしても偶然とはいえ珍しい体験をしました。そして東京の市街地に囲まれた緑地にフクロウがいたということに感激しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フクロウ1 死体

2017年02月13日 | 玉川上水
私は動物と植物の関係を研究してきたので、シカと植物、あるいはシカの食性などの論文が多いのですが、1枚だけフクロウの論文を書いたことがあります。鳥の論文はもちろん初めてで、今後もないかもしれません。
 フクロウは丸顔で、それ以外にも印象的なので世界中で人気がある、というか特別の鳥と信じられていて、人形なども世界中にあります。

手元にある人形をのせておきます。


オランダ、中国、インドネシアなど


ネパール


これは奄美の海岸でひろった石と貝とサンゴで作りました。

フクロウは、ワシ、タカの仲間、猛禽類ですが、ネズミを食べることに特化しています。日本では森林にすむアカネズミやヒメネズミをよく食べるのですが、ヨーロッパでは(ヨーロッパに同じフクロウがいるのです!)草原にすむハタネズミの仲間をよく食べているようです。
 私は縁があって八ヶ岳で自然観察をしているグループの提供を受けてフクロウの巣箱に残されたネズミを調べたことがあります。ネズミの顎の形からアカネズミ系の森ネズミとハタネズミははっきり区別できます。


アカネズミの下顎


ハタネズミの下顎

おもしろいことに八ヶ岳では牧場に近い巣箱にはハタネズミが、森に近いところでは森ネズミがよく出てきました。当たり前といえば当たり前ですが、これはフクロウが環境の変化に応じて食べるネズミをスイッチしていることを示唆します。八ヶ岳は戦後、外地から帰国した人たちが苦労して開拓し、森林を牧場に変えたところです。
 このことを知った高校生は、開拓した人はがんばって生活のために努力した。それはよいことだ。でもそのことでクマやカモシカは困っただろうし、森ネズミもすみ場がなくなって困ったはずだ。でもハタネズミはよろこんだだろう。フクロウは食べるネズミを変えた。そうすると、なにがよくて何が悪いかなんて、簡単には決められないではないかと、すばらしい論考をしてくれました。しかもそれを「ああー、今日も森が切られていくよ」といった童話風に表現してくれまたのです。
 興味ある人は「動物を守りたい君へ」(岩波ジュニア新書)を読んでみてください。

(つづく)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南アルプスのキツネの糞からノウサギ

2017年02月12日 | 研究など research
 南アルプスの農鳥岳は3000mクラスの高山ですが、ここで山小屋の番人をしている深沢さんという方がおられます。ここにもシカが見られるようになり、いまでは高山植物が荒らされているそうです。深沢さんはいろいろ自然観察をしておられ、キツネやテンの糞が小屋のまわりで見られるということで、2013年から採集してもらって分析をしています。ひとつのポイントはライチョウの羽毛が出てくるかどうかということですが、いまのところ出てきていません。
 深沢さんは去年は足をケガされたので5個しか拾えなかったということでした。その中に色の薄い(ほとんど白に近い淡褐色)哺乳類の毛がたくさん入っているサンプルがありました。この薄い毛はこれまでにも何度か見ていて、「ノウサギかカモシカかな?」と思っていました。ネズミなどは焦げ茶色で明らかに違うし、シカは直線的で先端は焦げ茶色なのでそれとも違います。今回、この毛の中にノウサギの歯が出てきたので、ノウサギのものであることがわかりました。写真の上が上顎の切歯、その下が下顎の切歯、下にならんだのは臼歯類です。


ノウサギの歯、格子間隔は5mm


農鳥岳のようす(撮影 深沢糺さん、私は行ったことがありません)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高尾 11/22 落葉

2017年02月11日 | 高尾
紅葉の季節ですが、木によって落葉のタイミングにずれがあるようで、ケヤキやイヌシデなどの茶褐色の彼はの上にトウカエデなどの黄色い落葉が積もっていました。



こちらはモミジバフウですが、前に落ちて彼は色になった葉の上に落ちたばかりの黄色い葉が重なっていました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする