自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

アズマギク

2010年09月30日 | 植物 plants
アズマギクは草丈が低いわりには大きめの花をつけ、その色も素朴な薄紫色と黄色の組み合わせで、幼児のような愛らしさがあります。モンゴルにもよく似たのがあって、きっといとこぐらいだと思います。この株は少しスラリとしていました。

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ドングリ

2010年09月27日 | 植物 plants
昨日はほんとに久しぶりに日曜日を我が家で過ごしました。この歳になると白いご飯にあっさりとした魚料理などが一番と感じるようになりましたが、日曜日の朝はカミさんの焼いたパンに苦めのコーヒーというのも悪くないものです。パンを焼くと家中がいい匂いになります。
 ゆっくりコーヒーを飲んで、近くの霊園に散歩に行きました。散歩なのだからぼけっとしてればいいものを、貧乏性なもので、学生の実習に使おうとドングリを拾うことにしました。これを計測したり、重さを測ったりして、生き物の統計を学ばせるためです。ドングリはまだ緑色ですが、落ちていました。今年はあまり出来がよくないようです。マテバジイもありましたが、これはしっかり茶色になっていました。
 家にもどって写真を撮りました。気づいた人もいると思いますが、ドングリをおいた板は古いもので、東大にいたとき廃棄されていたのを拾った机です。戦前のものです。材はケヤキだと思いますが、ドングリと広葉樹の板はやはりなじみがいいようです。

 

追伸:夏のモンゴルの写真を紹介しながら秋に突入しました。モンゴルはまだ続けますが、身近な観察もしているので、ときどきは紹介しましょう。秋はいろいろ見所がありますからね。
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トリカブト

2010年09月26日 | 植物 plants
トリカブトという名前は聞いたことがあると思います。有名な有毒植物です。典型的な訪花昆虫で、それもハチしか受け付けないスペシャリストです。花の作りが複雑で、左の写真は花のてっぺんの帽子みたいな部分をはずしたもの、右はさらに側弁とよばれる部分をはずしたものです。ハチは左下から入って、ここを通過してもぐりこみ、先端にあるもうひとつの小さな花のような形をした部分にある蜜をなめるのだそうです。まったくこった作りです。

 
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エーデルワイス

2010年09月25日 | 植物 plants
これも高校時代にさかのぼる。「サウンド・オブ・ミュージック」を見ました。年頃の男の子ですから、もうマリアにメロメロ。ジュリー・アンドリュース大好きがたくさんいました。もっとも有名な劇中歌は「エーデルワイス」でした。いま歌ってもメロディーも歌詞もすばらしいと思います。エーデルワイスは高山の花ですが、モンゴルでは平地に、雑草のように生えています。学名の意味は「ライオンの足」です。ビロード状の植物体が動物の体毛を連想させるのかもしれません。おそらく手のひらを広げたようすに譬えたのでしょう。ところで名画というのはたいていそうですが、音楽がいい。それに普遍性がある。高校生のときにはマリアの人生を描いた映画だと思っていたし、もちろんそれが主たるテーマではあるのですが、子供をもってから見たときには、反戦、国のありかたをもテーマにしていたことに気づき、若いときには「見えども見えず」なのだと思いました。

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フランスギク

2010年09月23日 | 植物 plants
「キク」というのは音読みなんだか訓読みなんだか知りませんが、たぶん中国語から来たのだと思います。ちょっとへんな名前だなという感じがあります。
「赤毛のアン」は高校生の頃に読んで感激したものですが、しばらく前に映画化されました。アンは気の強い女の子でクラスで出来のいい男の子と成績を競いますが、スペリングテストがあったときに、キクつまりChrysanthemumを競い合って、アンがうまくいえ、得意げに鼻をツンともちあげました。それほどにハイレベルなスペルだということで、英語圏でも「へんな名前」なのかとおかしく思いました。このクリサンテムムというのは学名でもあり、日本のキクやフランスギクなどが属します。モンゴルにはフランスギクによく似た花があり、同じ属に属します。純白な舌状花と中央の柱状花の配色がみごとです。でもちょっと考えると目玉焼きみたいな配色。



追伸 実に珍しいことにわがブログにコメントがありました。9月20日の「火の草」に関するもので、この人は我が国のほとんど唯一の「火の生態学」の専門家なので、さすがにヤナギランには詳しい。彼と私は兄弟弟子といえると思いますが、共通の師は「山火事だってえと、よろこんで行ったもんです」などと、とんでもないことをいう人でしたが、その言い方が東京の下町の歯切れのよさがありました。書き込みどうもありがとうございました。
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歯医者と学会:小田和正がつなぐもの?

2010年09月22日 | その他 others
自然を離れます。
 今日、歯医者に行った。歳をとるとあちこちにトラブルが生じるもので、食事中にかぶせものがはずれた。痛くはないのでよかったが、食事がおいしくない。学会があったのでそのままにしていたが、日常にもどったので治療に行った。
 待合室にいろいろな本がある中にオフコースとか小田和正の本があったのでパラパラとみていた。治療が終わって支払いをするところにも小田の写真がある。「ははあ」と思って看護婦さん人に「先生、好きなんですか?」ときくと、微笑みながら「はい」。思わず、「先生に言っておいてください。私も好きでね。実は大学が仙台で、たぶん同じ教室で授業をきいていたはずです」といったら、驚いたような顔をしていた。
   ***
 学会で野生動物系の実習についての集会を企画した。専門的な話は省くが、実習の「実態調査」をもくろんだ。そこでは教員が学生の考えが理解できずに当惑している実態が浮かび上がって来た。曰く、レポートが大変だから不満だ。曰く、実習の終了時間が不安定だからバイトのつごうがつかず不満だ。曰く、動物が好きだから解剖はしたくない。念のために付け加えると、これらは野生動物学を学ぶために大学に入って来た学生のことばである。
   ***
 小田の魅力は透明な声だとか、美しいメロディーだなどとよくいわれる。だが、私が惹かれるのはあの頑固さだ。妥協しない。本物を追求する。そうしたことについては一歩も引かない頑固さを貫く。それは容易なことではないし、覚悟のいることでもある。その覚悟も自信もない大人たちは、「やさしい」おじさんになろうとする。
 私は何のために大学に入ったのかわからないような学生に対して「やさしく」接したくはない。そういうのをやさしいと言ってはいけないと思うのだ。実習にしても講義にしても、発信に手を抜くつもりはない。しかし大半のいいかげんな学生には通じるはずもない(このことばは小田の歌詞にある*)。それはやむをえないミスマッチとしかいいようがない。だが少数でもいい、本物を聞き分ける学生はいるのだ。
 私は小田和正の写真を飾るという形でファン気質を表現しはしないが、あの頑固さは心の大きな支えになっている。
   ***
ご飯を食べながら歯のフタが外れたことから、おもいがけない展開になり、料金を払ったあと、我ながらおかしかった。

*「秋の気配」僕の精一杯のやさしさを、あなたは受け止めるはずもない。(昔よく聴いた歌の歌詞はソラで覚えているのですね)
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ヒエンソウ

2010年09月22日 | 植物 plants
初めてこの花を見たとき、ほんとにドキッとしました。遠くからでも目に入りました。近づくとその色だけでなく形も複雑で洗練されているのがわかりました。距が発達していて、オダマキなどに遠からぬものだとわかりました。日本の花屋さんでデルフィニウムという名前で売られていますが、これは学名(属名)で、プリムラ(サクラソウ)なども同じです。中国にその名があるのでしょうか、ヒエンソウという名前があります。ヒエンとは飛燕です。花の形が飛ぶ鳥のように見えなくもありません。通訳を解してのことだし、お酒を飲みながらだったので、不正確かもしれませんが、モンゴルではこの花の汁をつけると髪が黒々とするので、女性が髪につけたそうで、お嫁さんの花といった意味の名前があるそうです。それにしてもヒエンソウの青はほかに似たもののない目にしみるような色で、写真ではピタリは表現できません。

 
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キイチゴ

2010年09月21日 | 植物 plants
林の中を歩いているといろいろな植物が目に入ってきます。ほとんどが日本で見覚えのあるものです。少なくとも属が共通しているので、「あ、あれの親戚だな」とわかります。これはキイチゴの仲間で、でもニガイチゴなどのような明るいところに出るのではなく、クサイチゴなどのような林の下にでるものに近いです。ちょうど赤い実がなっていて、とてもきれいでした。
 葉が複葉で、小葉が離れているのも、クサイチゴと共通です。ただ果実を形作っている「粒」が大きくて、数が少ないのが違います。
 ずっとずっと昔、同じのがあって、片方は日本列島にわたってきて隔離され、それぞれが少しずつ変化して、いつのまにか違ったものになったのだ、ということが自然に理解できます。そういうことを思いながら林を歩くのはとても楽しいものです。

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ヤツシロソウ

2010年09月20日 | 植物 plants
この花を初めて見たとき「あ、キキョウの仲間だ」と思い、「ホタルブクロに近いな」とも思いました。Campanula属で、教会の鐘の形をした花に由来します。そう思ったのは、ホタルブクロの花とは色が全然違うけど、花の作り、顎のようす、葉などが似ていたからです。花の作りはホタルブクロが下向きだから違うと思う人がいるかもしれないが、それは花柄が短いだけのことです。で、「でも日本にはないな」と思い、ひとつ見たことのない植物をみたとよろこんでいました。ところが日本に帰って図鑑をみてびっくり、そっくりの花があって「ヤツシロソウ」とありました。九州の八代のことのようです。日本では北海道だけというならまだしも、九州の山地にしかないそうで、なんだか不思議な感じです。それにしてもそっくりです。
 ヒエンソウとくらべると赤みの強い紫で、両者が並んで生えているとそのハーモニーが実にきれいです。

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火の草

2010年09月20日 | 植物 plants
この景色はカラマツの林のあいだに生えるヤナギラン群落を写したものです。ヤナギランという名は葉がヤナギのように細長く、きれいな花が咲くからで、ランの仲間ということではありません(ランというのは一般にきれいな花を指し、分類学的な意味でのラン科ということではありません)。色は違いますがマツヨイグサの仲間です。日本にもあるし、北アメリカにもあります。英語ではfire weed、つまり「火の草」といいます。火のように赤い花というのではなく、山火事のあとに出てくるからです。日本では高山植物といってよいほど高い場所に生えるのですが、モンゴルでは平地にあるので、なんだか具合が違います。写真を写したこのあたりも火事がよくあるようで、カラマツには焼け跡が見られました。写真にはカンバの木も見えます。

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