「紅一点」というのは「万緑叢中紅一点」のあとのほうを採り上げたもので、緑の中にあって赤が目立つということです。緑の自然の中で一番目立つのは赤やオレンジの色ですから、鳥に食べてもらうために目立とうとして赤い実が多くなったことはまちがいなさそうです。でも自然にはかならず例外がある。そこがおもしろくもある。タラノキは黒い実で、黒意味は案外よくあります。今回のアファンの森では白い実を見つけました。フッキソウです。それはつやのある白で、ちょっと真珠を想わせるものです。これも鳥に目立つのだろうか、実際に鳥が食べるのだろうか。興味のあるところです。フッキソウの果実は柱頭のあとが角みたいにちょんちょんとついています。
タラノキ
フッキソウ
タラノキ
フッキソウ
ツリバナが実をつけていました。マユミの仲間です。若いのは丸いですが、よーくみるとこれから亀裂ができるところに細い筋があります。子供の頃、雑誌の付録に切り抜きがありましたが、あのカットのようです。もう少したつとパカッと割れます。おもしろいのは「実」がその先端についていること。これはじつは種子の皮の部分が果肉的になっているもので、こういうのは仮種皮というそうです。もっと立つと星のように開ききります。私はこのときのようすからなんとなくサーカスを連想します。さきっちょに朱色の丸い物がついているのがピエロの沓に見えるからか、はたまたピエロの鼻に見えるからだか、なんだかよくわかりませんが、いずれにしても日本風ではなく西洋風です。
ツリバナ アファンの森
ツリバナ アファンの森
ある人から「コメント」を送ったのにアップしないの?というメールが来ました。「今日もコメントはないなあ」といつもがっかりしていますが、ボツにするようなことはありません(ただし私的にすぎるものは控えさせてもらっていますが)。調べてみましたが、技術的な問題はないようです。コメントをもらうと喜びますので、どんどん寄せてください。
最悪の忙しさを脱したので徐々にもとに戻していきたいと思います。
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きのう高校生を対象に解剖実習をしました。大学と高校がいっしょに活動をおこなおうという趣旨で、いいことだと思います。大学の近くで交通事故で死んだ動物を調べているので、それを提供して解剖をしました。麻布大学は獣医系の大学なので施設も、スタッフもしっかりしています。解剖場でタヌキとハクビシンを対象にしました。
高校2年生といえば17歳くらい、10人のうち7人が女子でした。かなり緊張しているようでしたが、彼女らの表情からメスを入れることのためらい、開いて見える内臓の位置関係やそれぞれの器官の機能の説明を聞くときの感動が伝わってきました。
交通事故の個体だから内出血をしていたりするし、内臓の臭いも強烈ですが、リタイアする子はいませんでした。若い感性にこの体験がよいものを残してくれればいいなと思いました。
最悪の忙しさを脱したので徐々にもとに戻していきたいと思います。
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きのう高校生を対象に解剖実習をしました。大学と高校がいっしょに活動をおこなおうという趣旨で、いいことだと思います。大学の近くで交通事故で死んだ動物を調べているので、それを提供して解剖をしました。麻布大学は獣医系の大学なので施設も、スタッフもしっかりしています。解剖場でタヌキとハクビシンを対象にしました。
高校2年生といえば17歳くらい、10人のうち7人が女子でした。かなり緊張しているようでしたが、彼女らの表情からメスを入れることのためらい、開いて見える内臓の位置関係やそれぞれの器官の機能の説明を聞くときの感動が伝わってきました。
交通事故の個体だから内出血をしていたりするし、内臓の臭いも強烈ですが、リタイアする子はいませんでした。若い感性にこの体験がよいものを残してくれればいいなと思いました。
書き込みをと思うのですが、だめです。忙しすぎて果たせません。そのかわりという言い方もなんですが、インターネットで「麻布大学」と入力して、トピックスというところを開けてみてください。最新のものが私が準備しているモンゴル展です。小さな大学でこういうことをしたことがないので、当惑することばかりですが、なんとかここまで準備しました。
http://www.azabu-u.ac.jp/topics/2009/10/post_120.html
まずいことに明日は高校生にタヌキの解剖を指導し、その次の日は金華山の実習指導で、とんぼ返りして展示の仕上げと、よろしくない忙しさです。
http://www.azabu-u.ac.jp/topics/2009/10/post_120.html
まずいことに明日は高校生にタヌキの解剖を指導し、その次の日は金華山の実習指導で、とんぼ返りして展示の仕上げと、よろしくない忙しさです。
30日から麻布大学でモンゴルの野生動物についての展示をするため忙殺されています。書き込みが休みがちになって申し訳ありません。
加藤和彦の追悼文がきたやまおさむによって書かれました(朝日新聞10月19日文化欄)。「悲しくてやりきれない」の作詞をした人で、フォークルのメンバーです。思えばフォークルのメンバーのなんと個性的なことよ。加藤は背が高くて脚がひょろ長く、それだけで存在感があり、はしだは逆に小さくてひょうきんな感じ、北山はがっしりして鼻筋の通ったハンサムで、ブレザーにネクタイという印象です。歌はうまくなかったが考えや詩がまっすぐで私は大好きだった。精神科医になったのだから頭脳明晰に違いない。思慮深く、最近コンサートに出るときはサングラスで隠していた。患者のことを思いやってのことだろう。
その北山の追悼はやはりすばらしいものだった。加藤がすべてのことに一流を求めたこと。「お前は目の前のものを適当に食べるけど、僕は世界で市場おいしいケーキがあるなら、全財産はたいでもどこへだって跳んでいく」という、いかにも加藤の言いそうな台詞が紹介されていた。私は父が九州人だったから食べ物のことにあれこれいうのは恥ずべきことだと教えられて育った。だからこういうことをいう奴は許せないと思っていた。実際、食べ物のことを云々するようなのはたいてい単なる俗物だった。ただ私はほんの数人だが、ホンモノに出会った。そういう人はそういうことを言っても周りが納得するものをもっている。加藤がそういう完璧主義であったことはよくわかる。ユニークというのはちょっと変わった人のことをいう傾向があるようだが、フランス語のuniqueは、その人だけのものをもつということだ。「個性的」というワンパターンや、「空気をよむ」などといって周囲に盲従するような今の若者にuniqueなど期待できもしない。
北山の書いていることは私の追悼と共通するものが多いが、さすがに詩人と思わせることばがあった。
「しかし私たちには、そんな背の高い天才の肩の上に乗ったら、見たこともない景色が遙か遠くまで見えた。」と。これを読んだときに私の中にある景色と歌詞が思い出された。
景色はモンゴルの丘に立ったときのもので、はるかかなたまでみえた。たまたま直前の書き込みに紹介したタヒの背後の景色とも共通する。
歌詞のほうはYou raise me upという歌でたしかこういうものだ。
I am strong when I am on your shoulders
You raise me up to more than I can be
加藤和彦の追悼文がきたやまおさむによって書かれました(朝日新聞10月19日文化欄)。「悲しくてやりきれない」の作詞をした人で、フォークルのメンバーです。思えばフォークルのメンバーのなんと個性的なことよ。加藤は背が高くて脚がひょろ長く、それだけで存在感があり、はしだは逆に小さくてひょうきんな感じ、北山はがっしりして鼻筋の通ったハンサムで、ブレザーにネクタイという印象です。歌はうまくなかったが考えや詩がまっすぐで私は大好きだった。精神科医になったのだから頭脳明晰に違いない。思慮深く、最近コンサートに出るときはサングラスで隠していた。患者のことを思いやってのことだろう。
その北山の追悼はやはりすばらしいものだった。加藤がすべてのことに一流を求めたこと。「お前は目の前のものを適当に食べるけど、僕は世界で市場おいしいケーキがあるなら、全財産はたいでもどこへだって跳んでいく」という、いかにも加藤の言いそうな台詞が紹介されていた。私は父が九州人だったから食べ物のことにあれこれいうのは恥ずべきことだと教えられて育った。だからこういうことをいう奴は許せないと思っていた。実際、食べ物のことを云々するようなのはたいてい単なる俗物だった。ただ私はほんの数人だが、ホンモノに出会った。そういう人はそういうことを言っても周りが納得するものをもっている。加藤がそういう完璧主義であったことはよくわかる。ユニークというのはちょっと変わった人のことをいう傾向があるようだが、フランス語のuniqueは、その人だけのものをもつということだ。「個性的」というワンパターンや、「空気をよむ」などといって周囲に盲従するような今の若者にuniqueなど期待できもしない。
北山の書いていることは私の追悼と共通するものが多いが、さすがに詩人と思わせることばがあった。
「しかし私たちには、そんな背の高い天才の肩の上に乗ったら、見たこともない景色が遙か遠くまで見えた。」と。これを読んだときに私の中にある景色と歌詞が思い出された。
景色はモンゴルの丘に立ったときのもので、はるかかなたまでみえた。たまたま直前の書き込みに紹介したタヒの背後の景色とも共通する。
歌詞のほうはYou raise me upという歌でたしかこういうものだ。
I am strong when I am on your shoulders
You raise me up to more than I can be