ススキ群落をかき分けながら進むと、ジュウシマツの巣のようなものがありました。これは鳥の巣ではなく、カヤネズミというネズミの巣です。カヤとは茅あるいは萱と書いて、ススキに代表されるイネ科のことです。カヤネズミは茅場にいるネズミということですから、里山の動物といえます。体重が10gもない、ミニミニネズミで、とても愛らしい姿をしています。手としっぽでススキの茎をつかんで地面に降りることなく器用に移動します。そしてネズミの巣とは思えない球形の巣を作ります。鳥の巣と違うのは、生きたススキの葉をそのまま編んで巣にするので、葉は茎について生きたまま編み込まれる点です。カヤネズミはユーラシアに広く分布していて、イギリスでは保護活動も盛んです。日本のカヤネズミの命運は里山のありかたにかかっています。ゴミ処分場がカヤネズミの避難所のようになっているのはちょっと皮肉なことです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/62/50ee903c19fe1599836acf3e260e63ab.jpg)
カヤネズミの巣 2008.11.7 東京都日ノ出町
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カヤネズミの巣 2008.11.7 東京都日ノ出町