自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

アファン7月の花 2

2011年08月31日 | アファンの森
   

コシジバイケイソウ、タマガワホトトギス、クモキリソウ、キクバドコロ

単子葉植物をまとめました。コシジバイケイソウは人の背丈を超えるほど背が高い草です。コシジとは「越路」で、「越後の」ということで、なかなか風情のある名前です。それに比べれば、カントウヨメナ(関東嫁菜)などは味気ない。知らないランがあったので、後で調べたらクモキリソウというのでした。


コシジバイケイソウと「背比べ」をする学生
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アファン7月の花 1

2011年08月30日 | アファンの森
7月にみたアファンの花です。
     

サワギク、クララ、イチヤクソウ、ウワバミソウ、キツネノボタン

クララは学生に説明すると必ず微笑みます。ハイジとクララのクララを連想するようですが、食べると偉く苦くて頭がクラクラするほどというところからついたという説明があります。ほんとかいな?
ウワバミゾウは山菜で「ミズ」と呼ばれるもので、左右不対称な葉に特徴があります。私は花を丁寧にみたことがなく、今回デジカメで接写してみて、そのおもしろい形に驚きました。
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林縁

2011年08月29日 | アファンの森
群落の調査をするときは、ナントカ林とカントカ林とを比較するために、群落の中の「代表的」な場所を調べて、それぞれの林に生えている植物を比較します。「違いが分かる」ことを目的とするとそれがよい方法ということになります。しかし、考えてみればそういう群落を代表するような中央部分は、確かに典型的ではありますが、現実に存在する森林はそういう「きれいな」ものばかりではありません。とくに雑木林のように人が管理する林は面積も狭く、林として断続あるいは孤立していることのほうが多いのです。そういう林には「林縁」と呼ばれる部分があり、そこに固有の植物も生えています。とくにつる植物や低木類はこういう場所によくあります。そうなると、中央の典型的な部分だけを比較するのではとりあげられない植物も出てきます。そういう意味で、現実の林を表現するにはこういう林縁部分にも着目しなければなりません。アファンの森ではヤマノイモの仲間や、ハンショウヅル、ヤマブドウなどのつる植物やアブラチャン、ミツバウツギなどの低木が林縁によくみられます。それはこれらの植物のどういう性質に支えられているのでしょうか。そういう興味で林を眺めると、林はまた違った貌[かお]を見せてくれます。


林縁は異質な群落の接点であり、そこには特別な植物が生える。
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生き物調べ:森林の管理

2011年08月28日 | アファンの森
私たちはアファンの森を「森林管理によって生き物がどういう影響を受けて変化するのだろう」という興味で調査しています。そのことは少し大げさにいえば、日本の里山をどうするかという問題にもつながることです。
 写真にはアファンの森の明るい林を示しました。散歩道には間伐した木から作ったチップを巻いて歩きやすくしてあります。明るくて気持ちがいいです。


管理されたアファンの森

 これは繰り返し下生えを繰り返して刈り取ることで意地されています。


林の下草を刈り取ったあと

 これに対してアファンの森に隣接する国有林をみてください。この林はアファンの森に隣接する国有林で、営林局のご好意で調査させてもらうことになりました。ご覧のようにスギが植林されており、暗くて下に生える植物もごく限られます。それでも比較的手入れがされているので、森林としては立派さがあります。

アファンの森に隣接する国有林のスギ林(人工林)

 ところが同じスギ林でも民間のものになると、働き手がいないために放置され、モヤシのようにヒョロヒョロの木が生えていたり、それが風雨に倒れたりしています。倒れたところにはクズなどが入り込んで荒れ果てています。
 アファンの森もかつては荒れ果てて「幽霊森」と呼ばれていたそうです。それは落葉樹林でしたが、手入れをしないで荒廃していたという点では共通です。私たちはこういう林と比較することで、アファンの森の生き物の豊かさを示したいと思っています。

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黒姫の空

2011年08月27日 | アファンの森
8月も終わろうとしていますが、カタツムリ・ペースの「日誌」は、まだ7月上旬のことを書いています。

7月8日、アファンの森に行きました。この日、長野の市内の空にきれいな雲がありました。「彩雲」というのだと思います。孫悟空や雷神、風神などが乗っている雲です。写真ではわかりにくいかもしれませんが、雲のふちの部分がほのかにピンクや紫に染まっていました。



この日は空が不思議で、夕焼けが見事でした。夕焼けになる少し前、虹が出たのですが、背景には雲があり、その雲に夕日が反射して、ぼんやりとピンクを帯びていました。なんだか不可思議な空間でした。



そして数分後、西の空に浮かぶ雲に夕日があたって劇的ともいえる夕焼けになりました。私たちは歓声をあげ、その美しさに陶然としました。



私や院生が空をみてよろこんだり、大声をあげるのをみた新しい学生は、調査というのはまじめにデータをとるもので、生き物や景色に見とれたりしてはいけないと思っていたらしく、
「いいんですか?いいんですよね」
と確認するような気持ちでいたようです。
「いいとも」
というより、こういう自然の美しさに対する感動こそが、研究を進める衝動の源にあるのですが、どうもそういうふうに思うようには教育されていない。それは大きな問題だと思います。
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カエル君

2011年08月26日 | 動物 animals
カエルという動物は特別な気がします。魚類に比べれば「高等」ですが、同じ両生類のイモリやサンショウウオと比べてもあきらかに「ヒトに近い」感じがします。より「高等」な爬虫類でもトカゲやヘビはヒトとはまるで違う感じがするのに、カエルは身近な印象を与えます。それはなんといっても、胴体に両手両足が人のようについていて、同じ哺乳類のイヌやネコと比べてさえ、カエルのほうがヒトと似ているからだと思います。鳥獣戯画にも登場しますが、昔の人も同じように「同類」意識をもったのだと思います。
 このアマガエルは学生のカッパ(爬虫類ではありません)に乗ってきたのを学生が手に乗せたところを移したものです。
「やあ、カエル君」
と、話せば言葉が通じるような気さえします。





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カエルの調査

2011年08月25日 | 研究など research
カエルは何種かいるようですが、多いのはトウキョウダルマガエルとヤマアカガエルだそうです。私は中国地方で育ったので田んぼにはトノサマガエルと「イボガエル」がたくさんいると思っていましたが、関東にはトノサマはおらず、よく似たトウキョウダルマガエルというのがいるようです。ちょっと顔などが違ってなんとなく違和感があります。「イボガエル」は正式にはツチガエルというそうで、驚いたことにいまや絶滅に瀕している珍しいカエルとなったようです。私が子供のころの山陰ではあまりにどこにでもいるので、子供がつかまえることもありませんでした。それに色も褐色でぱっとしないし、体表面にイボイボがあってなんだか気味が悪いということもありました。
 カエルを調べている学生はトウキョウダルマとヤマの食べ物が違うことを明らかにしましたが、次の調査として、えさになる小動物(おもに昆虫)を調べることにしました。そのために、携帯掃除機で「吸い込んで」います。そうでもしないと小さな虫たちは採集がたいへんです。


カエルのえさを採集する学生たち 2011.6.30 町田市図師

追伸的に添えます。アファンでも、町田でも、調査している学生は女の子です。「野生動物学研究室」と聞けば屈強な男子学生がいるというイメージをお持ちかもしれませんが、今やこの分野も女性の勢いが強いです。とくにこういう活動となると圧倒的に女子学生が元気です。「なでしこジャパン」然り。今や「なでしこ」も、「控えめでつつましやかな」というイメージは払拭され、元気の象徴のごときです。還暦をすぎたおじいさんとしては、「日本の男はどうした」などという無駄なことを考えてイライラするのはやめにして、にぎやかな会話についていくのに四苦八苦しながらも、楽しく過ごしています。
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町田の里山

2011年08月24日 | 自然 nature
少し挨拶的にモンゴルの景色を吹き込みましたが、いずれゆっくり紹介することとして、今日はまた日常に戻りましょう。
6月30日は町田にある里山に行きました。田んぼにすむカエルの調査をしている学生の指導のためです。いわゆる「谷津田」で、田んぼの両側にはコナラの雑木林などがあります。モンゴルの乾いた世界から戻ると、日本がいかに緑豊かな国であるかを実感します。



町田市図師の里山
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牧夫

2011年08月23日 | モンゴル生活
モンゴルらしいといえば、この写真はまさにモンゴル的な風景です。強い日射しのもと、広い草原をヒツジやヤギの群れを追ってウマに乗ってすごします。真っ黒に日に焼けた風貌はたくましく、体は頑強。ずっと変わらないモンゴルの男の生活です。どういうことを考えているんだろうか?あれこれ想像させます。


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帰りました

2011年08月22日 | モンゴル自然
しばらくごぶさたしておりました。8月8日から今日までモンゴルに行っていました。1日雨で動けない日がありましたが、あとはよい天気で、順調に調査ができました。
追い追い報告しますが、まずはモンゴルらしい景色を。








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