今年も最後の日を迎えました。振り返ればいつもの年よりも「大ごと」のあった年でした。いや、人生で最大かもしれません。
まず3月に最終講義がありました。長かった大学人としての最後のお勤めでした。私なりによいものにしようと準備しました。結果として、自分らしいものができたと思えるものになりました。多くの人が集まってくださり、感激しました。
退職してのんびり、というわけにはいかず、9月の開館に向けて博物館の準備をすることになりました。博物館になった建物は学生食堂で3月まで営業をするということですから、工事はその後、それを横目に見ながら、内壁の色、展示のデザイン、展示物の決定、解説文の執筆、ラベル作り、歴史展示では麻布大学の歴史を勉強して、その冊子作り、パンフレット作りなどのすべてを一人でしなければなりませんでした。今思えば、どうしてできたのか不思議なくらいですが、ともかく9月12日に開館式典をし、15日に開館、19月には大学祭と博物館関係で大ごとがありました。
本がいくつか出たことも大ごとでした。「たくさんのふしぎ」に「食べられて生きる草の話」(福音館)を書きましたが、これは2年かかりの長い仕事になりました。子供に動植物のおもしろさ、すばらしさを伝えたいという私の夢がひとつ実現しました。子供用といえば、「ふしぎのお話365」(誠文堂新光社)もでました。これは執筆ではなく、話題提供したものをサイエンスライターが文章化したもので、365の話題のうち3つを担当しました。それから、これも時間がかかったのですが、「動物のいのちを考える」(朔北社)がでました。これは編著です。8月には「シカの脅威と森の未来」(文一出版)が出ました。これは専門書で、前迫ゆりさんとの編著です。10月には「となりの野生動物」(ベレ出版)がでました。これは9種の動物の解説と、動物の言い分を動物になりかわって書きました。朝日新聞がとりあげてくれました。11月には「シカ問題を考える」(ヤマケイ新書)が出ました。シカ研究に長くかかわってきたので、いつか書かないといけないと思っていましたから、荷物を降ろしたような気持ちがあります。アマゾンの環境問題ジャンルで一位になっているそうです。来年の1月6日に「タヌキ学入門」(誠文堂新光社)が出ますが、印刷はできていて、私のところには届いています。動物学を勉強しながら、日本人とよりそうように生きてきたタヌキのことを、おとぎ話をよみときながら考えるような本にしました。「となりの野生動物」とタヌキの本では好きなイラストを描かせてもらいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/06/0a9f37ba2f96fecb42fb46864a7160a4.jpg)
というわけで多産な年になり、うれしいことでした。本というのは数年に1冊くらいのペースで出るものだと思っていたので、1年に数冊も出たというのは「びっくりぽん」です。
一方、私生活では3女が6月2日に次男を出産、「大地」という名前に決まりました。すくすく育って、今は歯も生え、はいはいをするようになりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/82/e48b46c4951f640488d68bd7af94b47f.jpg)
11月26日には母が天寿を全うしました。91歳でした。病気ではなく、眠るように息をひきとりました。戦中に満州に渡り、父と出会って結婚し、文字通り命からがら引き揚げて、一生懸命生きました。「シカ問題を考える」の校正の段階で亡くなったので、あとがきに一文を添えました。1ヶ月経って、「いなくなったのだ」という実感がじんわりと効いてきました。
生まれるものがいれば、死ぬものがいる。人生の大ごとを見た思いです。
今年もつれづれな文章におつきあいくださり、ありがとうございました。これからもこうした調子で書いていきますので、気の向いたときに訪問いただければさいわいです。皆様、よい新年をお迎えください。
まず3月に最終講義がありました。長かった大学人としての最後のお勤めでした。私なりによいものにしようと準備しました。結果として、自分らしいものができたと思えるものになりました。多くの人が集まってくださり、感激しました。
退職してのんびり、というわけにはいかず、9月の開館に向けて博物館の準備をすることになりました。博物館になった建物は学生食堂で3月まで営業をするということですから、工事はその後、それを横目に見ながら、内壁の色、展示のデザイン、展示物の決定、解説文の執筆、ラベル作り、歴史展示では麻布大学の歴史を勉強して、その冊子作り、パンフレット作りなどのすべてを一人でしなければなりませんでした。今思えば、どうしてできたのか不思議なくらいですが、ともかく9月12日に開館式典をし、15日に開館、19月には大学祭と博物館関係で大ごとがありました。
本がいくつか出たことも大ごとでした。「たくさんのふしぎ」に「食べられて生きる草の話」(福音館)を書きましたが、これは2年かかりの長い仕事になりました。子供に動植物のおもしろさ、すばらしさを伝えたいという私の夢がひとつ実現しました。子供用といえば、「ふしぎのお話365」(誠文堂新光社)もでました。これは執筆ではなく、話題提供したものをサイエンスライターが文章化したもので、365の話題のうち3つを担当しました。それから、これも時間がかかったのですが、「動物のいのちを考える」(朔北社)がでました。これは編著です。8月には「シカの脅威と森の未来」(文一出版)が出ました。これは専門書で、前迫ゆりさんとの編著です。10月には「となりの野生動物」(ベレ出版)がでました。これは9種の動物の解説と、動物の言い分を動物になりかわって書きました。朝日新聞がとりあげてくれました。11月には「シカ問題を考える」(ヤマケイ新書)が出ました。シカ研究に長くかかわってきたので、いつか書かないといけないと思っていましたから、荷物を降ろしたような気持ちがあります。アマゾンの環境問題ジャンルで一位になっているそうです。来年の1月6日に「タヌキ学入門」(誠文堂新光社)が出ますが、印刷はできていて、私のところには届いています。動物学を勉強しながら、日本人とよりそうように生きてきたタヌキのことを、おとぎ話をよみときながら考えるような本にしました。「となりの野生動物」とタヌキの本では好きなイラストを描かせてもらいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/06/0a9f37ba2f96fecb42fb46864a7160a4.jpg)
というわけで多産な年になり、うれしいことでした。本というのは数年に1冊くらいのペースで出るものだと思っていたので、1年に数冊も出たというのは「びっくりぽん」です。
一方、私生活では3女が6月2日に次男を出産、「大地」という名前に決まりました。すくすく育って、今は歯も生え、はいはいをするようになりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/82/e48b46c4951f640488d68bd7af94b47f.jpg)
11月26日には母が天寿を全うしました。91歳でした。病気ではなく、眠るように息をひきとりました。戦中に満州に渡り、父と出会って結婚し、文字通り命からがら引き揚げて、一生懸命生きました。「シカ問題を考える」の校正の段階で亡くなったので、あとがきに一文を添えました。1ヶ月経って、「いなくなったのだ」という実感がじんわりと効いてきました。
生まれるものがいれば、死ぬものがいる。人生の大ごとを見た思いです。
今年もつれづれな文章におつきあいくださり、ありがとうございました。これからもこうした調子で書いていきますので、気の向いたときに訪問いただければさいわいです。皆様、よい新年をお迎えください。