自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

大晦日

2008年12月31日 | ごあいさつ Greetings
今年も終わろうとしています。また齢をひとつ重ね、59歳になりました。ということは来年は還暦ということです。
 東北大学の助手だった時代に、先生が還暦だということでお祝いをしたことがありました。そのときの先生の貫禄のあったこと。なにか人生のさまざまなことが皆わかっていて、おだやかに微笑んでおられるというふうでした。比較するのもおこがましいとは思いながら、それにしても俺は成長がないと感じないではいられません。進んだのは頑固さばかりという感じです。成長がない分、あまり衰えないというところもあります。山歩きは以前よりつらいという感じがあまりありません。むしろ自然の奥行きの深さに関心が深まり、また何かみつけてやろうという気分は旺盛になっています。もっとも今年になって老眼が進んだのは認めざるをえません。それから、あんなに寝坊だったのに、早起きするようになりましたしね。ま、自然体で老化は受け止めようと思います。
 今年を振り返ると、楽しかったことのほうが多かったと感じます。金華山にたくさんの学生が集まってシカの調査をしたこと、八ヶ岳の調査が始まったこと、学生とモンゴルに行ったこと、大学祭で動物の交通事故をとりあげたことなどが印象に残っています。いくつかの本が出版されたことはうれしいことでしたが、中でも2006年に出した岩波ジュニア新書の文書が中学校の国語の教科書に採用されることになったのはとくに嬉しかったです。5年前に父を失いましたが、子供好きだった父が知ったらどんなに喜んでくれたかと、そのことが思われました。
 それからブログ読者からも「ゾウさん基金」へご協力いただきました。深くお礼申し上げます。スリランカの友人が帰国して、孤児たちにクリスマスプレゼントを手渡してくれました。
 ブログを書くことが、まあコーヒーを飲むようなというか、日常の行為のひとつになり、楽しみにひとつになりました。書かない日の方が気になります。毎日100人以上の人が読んでくださっているということは、たいへんなことです。ありがたく、これからも続く限り続けたいと思っています。この一年、読んでいただき、ありがとうございました。よい年をお迎えください。


霜 2008.12.15 小平市
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シャーロックホームズ3

2008年12月30日 | 自然 nature
ま、状況証拠は固めたのですが、最後にツメをしたいところでした。あるいはウラをとるというべきか。幸い今日大学に出たら、件のセンダンにヒヨドリが来ていました。実を口にした瞬間も見ましたが、写真にはとれませんでした。ヒヨドリはくちばしが長いので、この大きさの実を楽につまんでいました。もっとも私がみた鳥はくわえたあと、実を落としましたが。

センダンに来たヒヨドリ 2008.12.30 相模原市麻布大学
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シャーロックホームズ2

2008年12月29日 | 研究など research
 2,3日してから、大学の正門のセンダン(栴檀)の木を見上げたら、乳白色の大きな実がなっています。木の下にもたくさん落ちていました。大きさは大人の小指の先くらい。「あっ、これだ!」そこにもたくさんの謎の種子が落ちていました。この木と件のカキの木は100メートルほどしか離れていません。


その実を食べてみましたが、少し甘く、最近はやりの生キャラメルに通じるような感触でした。でも脂っぽくて気持ちが悪く、けっきょく吐き出しました。栄養価はたっぷりという感じでした。

センダンの果実 2008.12.25 相模原市麻布大学キャンパス

 ヒヨドリはこの実を食べるが、種子が大きすぎるのではき出すに違いありません。だから種子は汚れていないのです。図鑑で確認したら、まぎれもなくセンダンでした。これで数日、もやもやしていたものが解決して、すっきりしました。
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シャーロックホームズ1

2008年12月28日 | 研究など research
自然観察のおもしろさもさまざまです。花を美しいと感じて絵に描いたり写真に撮影するのもおもしろさなら、シャーロックホームズ的に謎解きをするのもまたおもしろさのひとつです。
 大学キャンパスにカキの木があり、さかんにヒヨドリが来てギャーガヤー鳴きながらカキの実を食べていました。学生の一人が鳥による種子散布を調べているので、糞を拾うようにいったところ、しばらくしてやってきて「先生、これがたくさん落ちてたんですけど、糞からじゃないみたいです。」といいます。けっこう大きな種子です。周りにそれらしい実をつけるような木はありませんし、カキの木の下にしかないので、糞由来だと思いましたが、鳥の糞にある白いものがついていません。そのこともわからないし、何の種子かもわかりません。大部の図鑑をくってみましたが、わかりません。くやしい感じです。なんだろうとあれこれ思いを巡らして、このくらい大きいならアオキの実ほどの大きさのはずです。「あっ」と思いついたのはハナミズキです。ちょっと季節は違うけど、あれの種子はこのくらいの大きさではないかと思いましたが、図鑑をみると明らかに違います。がっかり、フラストレーションは続きます。


謎の種子
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シダの紅葉

2008年12月27日 | 植物 plants
町田里山のたんぼ道を歩いていたら、ほとんど垂直な崖にシダが紅葉しているのを見つけました。私はシダはあまり知りません。調べればわかりそうですが、これはまだ調べていません。シダも紅葉するのですね。草紅葉(くさもみじ)ということばがありますから、シダ紅葉もありですかね。


シダの紅葉 2008.12.9 町田市図師
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イタヤカエデ

2008年12月26日 | 植物 plants
12月の9日に町田里山に行きました。このところあわただしくてあまりゆっくり歩く機会がなく、この日もそうでした。黄葉はまだ残っていて、初冬の雑木林はなかなかによいものでした。ふと林の下をみると、コナラやイヌシデの落ち葉の上に、イタヤカエデが重なっていました。このカエデは鋸歯がないので、すっきりとした洗練を感じさせます。色もあっさりしています。


イタヤカエデ 2008.12.9 町田市小山田
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曇りの雑木林

2008年12月25日 | 自然 nature
11月の下旬に静岡県の富士宮に行きました。すでに黄葉はピークを過ぎており、天気も曇りだったので、パッとしないといえばバッとしませんでしたが、私はこういう地味な林のようすが好きです。自己を主張することなく、木の幹も、枝も、葉も、地面もお互いに説けあうような馴染んだ色をしています。ごくたまに、こういう色合いの着こなしをした若い女性をみることがあります。ごくたまに、です。


雑木林 2008.11.28 富士宮市

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オオバジャノヒゲ

2008年12月24日 | 植物 plants
雑木林の下にはさまざまな植物が生えますが、冬には寂しくなります。そんななかでオオバジャノヒゲが黒々としたつやのある果実をつけていました。私はオオバジャノヒゲとヤブランの区別が苦手で、何度図鑑をみても混乱したままです。この種子はタヌキの糞から出てくるので、タヌキの冬のおやつになっているようです。


オオバジャノヒゲ 2008.12.3 小平市

よいクリスマスの夜をお過ごし下さい。
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クヌギの幹2

2008年12月23日 | 植物 plants
クヌギは夏には甘い匂いの樹液を出し、そこにはクワガタやカナブンが来て賑やかな酒場のようになります。冬の雑木林に宴のあとがありました。もっともこの雑木林は市街地の中の小さなオアシスのような緑地ですから、昆虫はあまりいません。カナブンやケシキスイくらいでクワガタはあまりおらず、カブトムシもめったに見ません。だからちょっと寂しい酒場なのですが、それよりも虫を採りに来る子供たちがいません。私にはそのほうが寂しく感じられます。


樹液の出た跡 2008.12.7 小平市
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クヌギの幹

2008年12月22日 | 植物 plants
コナラの幹にみとれたあとで、木の幹が気になり、クヌギの幹をみると、微妙に違い、これはこれで魅力的でした。




クヌギ 2008.12.7 小平市
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