キクザキイチリンソウ

その日、私がいちばんうれしかったのはキクザキイチリンソウをみつけたことです。小川のほとりに密やかに咲いていました。その白の純白なこと。春になって地中から、こうした無垢な命が生まれることに、昔の人が感動したのはごく自然なことと思われます。土の中にこういう生命を生み出す、なにか不思議なものがあると想像したことでしょう。そして、こうした花に若者の初恋や悲恋などが喩えられるのも、またごく自然な心情であろうと思います。

梅林

3月20日に八王子にドライブに行きました。ウメの花が盛りで、春になったことを感じました。このあたりは青梅と同じような立地で山地が平地に接するところで、青梅が名前のとおりそうであるように、梅作りが盛んなようです。


梅林　2010.3.20　八王子

葉脈

金華山は一休みします。
2009年の10月の牡鹿半島を歩いていて、葉脈だけになっている植物の葉をみつけました。コナラの葉と思われます。むこうが透けて、支那の絹の団扇にこんなのがあったような。虫に食べられたのか、なんらかの化学変化でもうけたのか、あまりみないことでした。

シカの死体

春の調査ではシカの死体を見つけることがあります。ナマし大破ブログにははばかられますが、白骨ならいいかなと思い、紹介します。まる１年放置していたら、きれいな白骨になっていました。



2010.3.14　金華山

氷

沢にあった氷は複雑な水の動きがあるらしく、炎のような形になっていました。

モミの巨樹

金華山にはモミの大樹もあります。大きな木の前に集まって「はい、ポーズ」。シカの調査を手伝ってくれた学生諸君です。麻布大学、帝京科学大学、早稲田大学の皆さんです。

モミ林

モミも常緑だ。常緑樹でもシキミのような広葉樹と、モミのような針葉樹では、林の雰囲気がまるで違う。常緑広葉樹林は「うっとうしく」、何か圧迫感を感じる。これに対して針葉樹林は落ち着いた気持ちになる。落葉広葉樹林のような楽しさはないが、浮き立った気持ちにはなら、ず心が静まるような気がする。
　森のようすでそんなにも心に影響を受けるのは、私たちの祖先が森に暮らしていたからに違いない。

シキミ林

シキミというのは感じでは樒と書く。早春にクリーム色の花をつけ、花の色が地味なせいか、仏前に飾られる。お寺によく植わっている。金華山にはもともとはない木だと思われる。というのは自然分布をしていないし、島でも神社の一角だけにしかないからだ。おそらく神事に使うために植えたものと思われる。常緑樹は冬にシカが食べるのでなくなってしまうのだが、樒は有毒なのでシカが食べず、増えている。シキミの林の中に入ると西南日本の海岸でもあるいている気分になる。

イヌシデ林

そうしたイヌシデの大樹が林を作っていると、１本とはまた違う荘厳さがあります。金華山の木は枝を広々と伸ばしていてみごとです。

イヌシデ

写真では大きさが伝わりませんが、直径が1.5mくらいあるイヌシデの木です。大きな木の前に立つと、手を合わせたいような木になります。