自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

パーティー

2009年12月31日 | ごあいさつ Greetings
大晦日になりました。1年間、あいもかわらず変わり映えのしない文を書きつらねました。おつきあいいただいた皆様にはお礼申し上げます。
 私にとって今年はいくつかのことが印象に残っています。私的なほうでは、ひとつは元旦に次女が結婚したこと。11月に長女に3人めの孫(女の子)が生まれたこと、そして私自身が還暦を迎えたことです。サンタクロース・デビューできたのも私としてはビッグイベントでした。大学では南さんが研究室スタッフに加わってくれたことが最大でした。しかし授業数がとても多くなったので負担がかなりあります。その分、教育について考える機会が増えたとはいえます。調査はこれまでのものを継続しながら、アファンの森を加えました。モンゴルの調査は参加学生が個性的で特別充実していました。大学祭、モンゴル展と展示もおこないました。本の原稿をいくつか書きましたので、来年には出るはずです。論文はあまり書けませんでした。研究室に入ってきた3年生がとても明るく、また全体のために動ける人が多く、雰囲気がよくなりました。さまざまな活動の原動力になっています。12月は忘年会とクリスマスと誕生会を兼ねた多目的パーティがありました。学生は1日かけてぺちゃぺちゃおしゃべりをしながら準備をしていましたが、「作品」のうちクッキーだけ紹介しましょう。今年の納めとしてそのときの記念写真も。左側で前屈なのが南さんです。
 皆様、よい年をお迎え下さい。

  
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茅場

2009年12月30日 | 研究など research
秋にさかのぼります。東京西部に日ノ出町という町があります。郊外にある、かつて里山と呼ばれたであろう町で、今でもその名残があります。そこに東京西部のゴミを処分し、地下に埋めるという事業がおこなわれ、埋めた跡地に土をかぶせました。さて、その跡地をどう利用するかで議論があり、一部は町民が楽しむ野球場などになりました。なかなか広くてグランドで3面もとれるほどです。そのグランドは少し段差があり、私が相談を受けた段階では、その段差のところには園芸植物を植えたりしていました。でも別のところは何もしておらず、そこにはススキが入り込んでいました。私はその周囲でおこなわれていた生物の調査の評価を頼まれてこの処分場跡地と交流をもつようになりました。
 そして、この跡地の利用の仕方についても相談を受けました。私がお願いしたのは、園芸植物はやめて、ススキ群落にしてほしいということでした。また「グランド」の一部は外来牧草がパラパラと生えているだけでした。そこにソメイヨシノを植えるとかいろいろ意見があったようです。どうして、「何かを植える」と考えるのでしょう。私はこの牧草地は「何もしないでおいてください」とお願いしました。それはススキ群落を甦らせたかったからです。そして数年後、見事といってよい茅場が甦りました。このことについてはまた話します。


ススキ群落 2009.9.15 東京都日ノ出町
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これはまあ

2009年12月29日 | 研究など research
カキの木を訪れるのはヒヨドリとムクドリで最近はムクドリが多くなりました。見ているとカキの中に顔をつっこんでいますが、なかなか食べにくそうです。考えてみれば、細い枝にとまって大きくも小さくもゆれているのだから、カキとの距離もつねに動き、手があるわけじゃなのだから、食べにくいのは当然、バランス感覚のいい鳥でなかればできない芸当です。望遠レンズでとってみて、大きくして気づいたのですが、くちばしの付け根やおでこにカキの実がべったりついています。我々がスイカより大きい果実に手を使わないで挑戦するようなものです。でもまったく表情を変えないでいるのが実にかわいい感じです。がんばれ、ムクドリ。

 
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鳥のおみやげ

2009年12月28日 | 研究など research
しばらく前に大学のキャンパスで種子を集めている話をしました(12月10日頃)。まだ続いていますが、その成果を少し紹介します。一番多いカキの種子は除いてシャーレに入れてみました。ラグビーボールのような大きめで白いのはセンダンです。キャンパス内に1本あるので、そことカキの木をハシゴしているようです。小さめの丸いのが一番多いエノキです。小さめで半月系なのはトウネズミモチです。これは黒紫色の果実にうす茶色の米のモミのようなものが入っているのですが、黒い種子はその中に入っているので、サンプルの中には薄茶色のものと黒いものが混在しています。左側の赤いのはたぶんツルウメモドキです。右隅の3個ほどある少し大きい黒丸がありますが、ムクノキです。いろいろ運んで来るものです。



麻布大学のカキの木に鳥が運んできた種子 2009.12.15
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「クリスマスの約束」

2009年12月27日 | その他 others
今年も小田和正の「クリスマスの約束」を見ました。涙が出そうなほど感激しながらも、そして十分に満足もしながら、少し引っかかりがあります。
 コンサートは私の一番すきな「風のように」で始まりました。この歌を聞いて思うのは、自分が年々頑固オヤジになることの自覚です。頑固であるということは、自分の価値観をもち、妥協しないことで、いまの大人が避けていることです。私は小田作品に通底するこの頑固さが好きです。そう、「誇りある道を歩いてく」です。私は生物学を天職と信じ、そのために自己鍛錬をし、もてる時間を使ってきました。もともと周りの大人にも理解されず、それでも押し通した道なんだから「たとえいつか、一人きりに、なってしまうとしても」です。その基準で頑固を通そうと思っています。
 「クリスマスの約束」は、私にとっては小田の歌を聞き、語りを味わうのが楽しみなのに、今年はそのどちらも期待はずれでした。もちろんそれにおつりがくるほどの怒濤のような「組曲」はすばらしかったし、音楽とはこんなにも人を感動させるのかとも思いました。またこの年齢になると、組織力という能力にも思いをいたすようになるもので、その意味での小田の能力もすごいと思いました。またスタッフとのやりとりで、彼にやり方に対して「なんでこれをやらないといけないかわからない」という人がいて、小田が一言いうと「お前までもそういうことをいうか、みたいなことをいいますけどね」とドキッとするような険悪な雰囲気になりました。でもそれは、よい作品を作るためには明確なフィロソフィが不可欠だという、一流のことをする人の発言です。それはおもしろかった。
 ただ、それを含めて、「作品」の前にこれまでの経緯を紹介するという番組構成もいかがかなと思いました。作品は作品そのものに語らせるべきだといいます。絵でも演奏でも、どうすばらしいかの解説はよけいなことです。そういう意味で「親切すぎ」だと思いました。
 もうひとつは、曲にしても、したがってアーティストにしても、「本当に小田が選んだのだろうか」という点です。私にはそうは思えなかった。もちろん「懐かしのフォークソング特集」にする必要はなく、若くてもすぐれたアーティストはたくさんいるが、10年後に歌われるとは思えないものが多かった。あれだけ歌詞を大切にする小田が、歌詞をまるで打楽器のようにしか使わないようなラップ調の歌をなぜ採用するか。そうしたことから、私はメジャーになってしまった「約束」が、まちがいなく視聴率を上げるというノルマを抱え込んだ結果、とりあえず視聴率を確保できる人選のように思えました。それなら紅白歌合戦と変わらないではないか。
 私は「約束」第一回の誰もこなかったのに感激したし、その後も手作り感のあるものや、本当の共感者がゲストで来たときの感動などを、好感をもって繰り返しみてきた。しかし今年の動員数は1000人は軽く越えていたのではないか。あるいは数千か。いまに武道館になるのではないか。
 初めてみた小田の涙に感動し、「何も語らない。語るとたいせつなものがこぼれおちる」というすばらしい言葉に共感しながらも、やはり「誇りある道」を少しはずれたような、あの頑固さをゆるめたような気がして、後味の悪さを感じています。

自然に関係なくてすみません。
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My dream has come true

2009年12月26日 | その他 others
ときどき夢はかなうことがあり、だから人生は悪くないと思えます。ことしはモンゴルの体験とか、孫の誕生とか、大学祭の感動とか、うれしいことがいくつかありましたが、昨日はまたスペシャルなことがありました。
 娘が働く保育園でサンタさんになったのです。これは若いころから一度はやってみたいと思っていた夢です。娘が園からの意向を聞かされ、二つ返事で引き受けました。ヒゲをつけてカツラをかぶったら暑かったです。
 0歳から小学生までいましたが、前に陣取ったのは3、4歳のおチビさんたちでした。担当の人が鈴の音をならして「あれ?なんだか聞こえてきたよ、ひょっとしてサンタさんじゃない?」と引き込みます。そこにサンタさんが登場して「皆さんこんにちはー」と始めると、目をまん丸にして「こんにちはー!」と大声で返してきます。完全に信じているようでした。司会の人が「どこから来ましたか」と訊くを無視して「日本語、あまりわからなーい」「あ、そうなんですか」「でも、子供のことば、わかーる」と、なんだか酔っぱらいのような始め方をしました。子供から質問があってやぱり「どこから来たのですか」と聞くので、準備していた画用紙とクレヨンで地球を描いてフィンランドから来たことにしました。「はーい、はーい」と元気に手を挙げていたのにあてられると「えーとね、えーとね」と質問を忘れる子もいます。「トナカイさんはどんな顔をしていますか?」これはしめたものです。トナカイの顔を描いて鼻を赤くしました。「男の子ですか、女の子ですか?」「そう、これを見て。これは何?」「つのー」「そう、角があるから男のこだよ」(これはほんとと違うのだけど、ま、いいことにします)。「何色が好きですか?」緑色を塗ると「緑だ。」「うちのママと同じだ」。なんとも楽しく、にぎやかです。
 それからお待ちかねのプレゼント。その前に保育園へのプレゼントがあり、「これは保育園へのプレゼントだよ」「サンタさん、ありがとー!」の合唱です。それから、ひとりひとりの名前を呼んで手渡しました。
 なんだかとっても幸せな気分になってきました。いつのまにか日本語ペラペラになっていました。ウソをつきながら、こんなに幸福感に浸れるなんてほかにないことだと思いました。
 最後に「ではサンタさんは帰ります。来年も来るから、それまでよい子でいてね」「ハーイ!」
 それから園の人の紹介で、園児が書いたサンタさんへの手紙を受け取って、サンタさんはフィンランドへ帰ったのでした。電車の中でその手紙を読みながら、長年の夢がかなったことの喜びをかみしめました。
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確かに食べている

2009年12月25日 | アファンの森
メリークリスマス!
我が家は事情があって孫の男の子2人が泊まることになり、そのことを手紙に書いたおかげでサンタさんが間違えないで、我が家にプレゼントを届けてくれました。朝起きた4歳と3歳の孫はお願いしていたプレゼントがちゃんと届いていて、大興奮です。

さて、クリスマスの話題としてはなんですが、ケンポナシを続けます。
ケンポナシの木はそうどこにでもあるというものではありません。群落調査をしてもひっかることはほとんどありません。ところが、みつけたタヌキの糞(たぶんそうだと思う)にはこんなにたくさんのケンポナシの種子が出てきました。ちゃんと匂いでどこにあるかをわかっているのですね。実はこれまでもシカやカモシカやクマの胃内容物や糞から出てくるので注目はしていたのです。光沢があって美しい種子です。


タヌキ?の糞 2009.12.6
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ケンポナシ

2009年12月24日 | アファンの森
きのうの写真は単純な枝でしたが、ふつうはもうすこし複雑でこの写真のように花柄が交錯しています。

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ナシ?

2009年12月23日 | アファンの森
ずっと気になっている植物があります。ケンポナシです。私はシカだけでなくいろいろな動物の食べ物を調べていますが、ケンポナシの種子が出てきます。でも山でこの木をみつけることは稀です。動物たちにとってよほどおいしいものと思われます。
 なんで「ナシ」といわれるかは現物をみればすぐわかります。果実が甘い匂いがして食べるとナシのような感触があるのです。果実と書きましたが、じつはこれは花柄が肥厚したもので、ふつうの果実とはまったくちがいます。でも動物にすればおいしいものが「果肉」なわけです。この仲間はヒマラヤから日本にかけての狭い範囲にしかありません。色も地味で匂い優先ですから、鳥ではなく哺乳類に食べてもらうように進化したに違いありません。それで、どういう動物が食べるかを知りたかったのです。
 アファンの森に夏に訪れたとき、偶然ケンポナシの木をみつけ、花盛りなのを確認しました。それで秋になって回収して、自動カメラの前に置きました。誰が来るか楽しみです。
 これはケンポナシの「果実」ですが、ぐにゃぐにゃまがったのが花柄で、ここが甘いのです。先端部に球状のものがありますが、この中に3個の種子が入っています。狭義にはこれが果実ですが、動物にとってはなにの魅力もなく、花柄を食べるときに「ついで」に食べられて運んでもらうわけです。

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ナツボウズ

2009年12月22日 | アファンの森
知らない植物に出会いました。でもそれがジンチョウゲ科だということはわかりました。色は違うが形がそっくりの花を咲かせていたからです。それに葉の質感もジンチョウゲによく似ています。いっしょに歩いていた松木さんという老人が「ナツボウズだ」と教えてくださいました。何かで読んだ記憶があります。夏に落葉するから「夏坊主」です。「キバナジンチョウゲ」あたりが無難なところでしょうが、これはユニークな命名です。あとで調べたらオニシバリというほうが一般的な呼び名のようで、これはこれでユニークな名前です。同じ仲間のミツマタは和紙の材料になるくらいだから繊維が丈夫なことからの命名でしょう。


オニシバリ(ナツボウズ) 2009.12.6 アファンの森
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