サッカーワールドカップに一喜一憂しました。12日に73歳になりました。論文執筆、タヌキの糞分析、シカの頭骨測定とラベルつけは日課にしています。
執筆:今月は浦和商業高校のタヌキの食性、岩手県のシカの年齢別妊娠率などの論文執筆をし、以下の論文の査読対応をしました。
1)玉川上水の植生状態と鳥類群集(山階鳥類学雑誌)、
2)玉川上水の杉並区に敷設された大型道路が鳥類群集に与えた影響、
3)都市孤立樹木の結実パターンと鳥類による種子散布:舗装を利用した種子回収の試み(保全生態研究)
4)タヌキの成長の論文(Bone growth and body weight patterns in juvenile raccoon dogs in Wakayama Prefecture, western Japan, Mammalia)
12月22日にモンゴルで調べた草原の柵内外を比較して放牧の影響の効果を調べた論文(Responses of plants protectefd by grazing-free fences based on the groeth form in north-central Mongokua)のゲラ校正が届きました。
小平霊園での鳥類による種子散布の論文(Binosへ投稿)の最終ゲラ校正を終え、公表されました(こちら)。
12月16日に「植生学会誌」が届き、そこに私のシバとススキの論文が掲載されました。これは30年も前に、3年かけて野外実験した労作で、やっと日の目を見て嬉しかったですこちら
なお、今年公表できた論文は文末に示しました。
+++ 分析など +++
シカの頭骨測定とラベルつけ:岩手の1988年分を終わりました。1日と8日に東大に行きました。
アサココの「玉川上水の野草たち」は次の二つが公表されました。
12.01 ガマズミ、アオツヅラフジ こちら
12.15 ムラサキシキブ、ご挨拶 こちら
+++++++++++++
12/3に八ヶ岳のフクロウ・サンプルが8つ届いたので、一時処理をしました。その一つからヤマネの死体が見つかり、骨格標本を作りました。こちら
12/11に玉川上水の観察会をしました。こちら
12/14 玉川上水の保全についての連絡協議会があり、樹林と野鳥について発表しました。
12/15 東松島(宮城県)のフクロウの巣材が届き、足輪が入っていて驚きました。こちら
+++ 2022年に公表した論文 +++
高槻成紀, 2022. 植物量と草食獣の密度の関係の説明について. 植生情報, 26: 4-7.
高槻成紀, 2022. 記載的な論文と査読のあり方について. 哺乳類科学, 62: 279-283.
高槻成紀・望月亜佑子, 2022. スギ人工林の間伐が下層植生と訪花に与える影響 —アファンの森と隣接する人工林での観察例—. 人と自然, 32: 99−108.
高槻成紀・鈴木和男, 2022. 和歌山県におけるタヌキの体重の季節変化. 哺乳類科学, 62: 133-139.
高槻成紀・立脇隆文, 2022. 東京近郊のタヌキの体重の季節変化 – 暖温帯との比較. 哺乳類科学, 62: 233-237.
Takatsuki, S. and S. Suzuki. 2022. Food Habits of the Japanese Dormouse in the Yatsugatake Mountains, Japan. Zoological Science, 39: 1-5.
Takatsuki, S. 2022. Long-term changes in food habits of deer and habitat vegetation: 25-year monitoring on a small island. Ecological Research, 37: 92-101. こちら
Takatsuki S, Tsuji Y, Prayitno B, Widayati KA, Suryobroto B. 2022. Seasonal changes in dietary compositions of the Malayan flying lemur (Galeopterus variegatus) with reference to food availability. Mammal Research.
高槻成紀, 2022. 生け垣を利用した種子散布の把握 – 東京都小平霊園での観察例. Binos, 29: 1-7.
高槻成紀, 2022. ススキとシバの摘葉に対する反応−シカ生息地の群落変化の説明のために. 植生学会誌, 39: 85-91.