自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

日の出処分場 2

2021年12月09日 | その他の調査地
玉川上水についてのアンケートにご協力お願いします。
周辺にも拡散していただけるとありがたいです。

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造園学的な感覚でいえば「何かをすること」が仕事ですから、「何もしないでください」というのは呑めないことだと思います。しかし私は、この場所はもともと農業地帯であり、雑木林や茅場があった場所で、そこには独特の生態系があった、それをいわば破壊した後、復元すべきは里山的自然であるべきだと考えました。
 何かを植えてこそ「仕事だ」という造園的感覚がずれているのと同様、都市住民にはしばしば「自然こそ素晴らしい」という観念的な価値観が濃厚にあります。そのために自然といえば知床や白神のような原生的自然と、里山のように人の営みの中で培われた、いわば「反自然」があることを区別しません。私はそのことを区別して、目指すべきビジョンを明確にすべきだと主張しました。そしてこの草地をススキ草原にすることを提唱しました。ここの土壌は客土したもので、かなり痩せています。その上、地下には防水シートが敷いてもあるので、普通の場所とは違いますから、すぐに里山の茅場のような環境が戻ってくるかは判断しかねました。
 それでも数年でススキ腹になり、そこにノウサギやススキ原にいるカヤネズミという小さいネズミも「戻って」きました。狭山丘陵には所々に草地的環境が残っていますから、そういうところに生き延びた個体が戻ってきたのだと思われます。
 そうして現在ではなかなか見事な里山景観が蘇りました。

谷戸沢処分場の景観。背後がコナラの雑木林で、手前がススキ原


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日の出町処分場 1

2021年12月08日 | その他の調査地
玉川上水についてのアンケートにご協力お願いします。
周辺にも拡散していただけるとありがたいです。

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東京西部の日の出町に廃棄物処分場があります。その一つは谷戸沢処分場といい、そこに行きました。この場所は谷をほり、そこに廃棄物をいれて上に土を被せて、その上にサッカー場などを作るとともに、その一部に自然が戻ってくるようにススキ原があり、周囲に丘があって雑木林があります。私はそこの自然をどうするかを考える委員としてお手伝いしたことがあります。
 私はその種の委員は時間が取られるのであまり引き受けないようにしていたのですが、この時は引き受けました。というのは、仙台に住んでいた時、嫌な思いをしたことがあったからです。ある時、ニュースで関東地方の廃棄物処理行者が宮城県に不当にゴミを廃棄したと報じました。「自分の出したゴミは自分のところで片付けろ」と当然のことを思いました。「東京の奴らは利便性を享受しならら、その生活から出たゴミは地方に捨てるんだ」という腹立ちもありました。
 ところが、委員になって欲しいという人の話では、文字通り東京で出たゴミを東京で処理し、その場所の今後の自然を考える委員会を作ろうとしているというのです。私は「それならやりましょう」と答えました。
 さて、委員になって現地を訪れて私たちが見たのは「自然を回復させた」というのが、コスモスやダリアが咲き乱れる草原でした。日の出町は「自然を回復する」というのは、園芸植物を植えることだと思っていたようです。「植物好き」というと園芸植物が好きな人であるのだから、無理もありません。だから行政が考える公園などの緑化とは、園芸植物とまではいわなくても、造園的な感覚です。木を植えれば下にジャノヒゲ などを植えるというのはよく目にするところです。私はお願いしました。
「お願いですから何もしないでください」


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はけ のタヌキ 3

2021年10月25日 | その他の調査地


その美術館の表側(南側)に道路があり、その下側に細い水路があって、この湧水が流れていました。市街地の中にこんな道路があるなんてなかなかいいなと思いました。

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はけ のタヌキ 2

2021年10月24日 | その他の調査地
小金井のコガネイは、「黄金の井」つまり素晴らしく美しい池ということのようです。いわゆる国分寺崖線で、きれいな湧き水がでます。美術館の脇に池があって、そのゆわれがわかるような湧水がありました。これを見て「井戸」の「井」はこの写真の中央にある石組みそのものだと思いました。

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はけのタヌキ

2021年10月23日 | その他の調査地
10月14日に小金井にある「はけの森武術館」の近くに行きました。9月に知人がある秋やに動物の糞があるからなんだか教えて欲しいと写真を送ってきたのですが、写真ではよくわからないので、現物を見に行きました。それが美術館の近くでした。私が見慣れた、糞を重ねたため糞ではなく、バラバラとしたため糞でした。
その時にセンサーカメラを置いてきたら、すぐにタヌキが写っていました。


糞を分析したら、ムクノキが主体で、時々カキノキ、エノキ、コブシなども見つかり、10月下旬のものからはヤブミョウガの果実が見つかりました。

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高尾山 6 シカの痕跡

2019年07月18日 | その他の調査地
今回の目的は、高尾山にシカが少し入ったばかりの段階で、現状を記述しておこう、そうすればよくあるような「今はひどい。でもかつて大丈夫だった時の情報はない」という例にしたくない。そのために、「今のところこの程度」という記述をするために、何をどう記録するかを覚えてもらうことにありました。
 幸い、私たちがみた範囲ではほとんど影響はみられませんでしたが、これを今後、さらに広範囲で行ってもらうための、いわば実習をしたということです。
 実は裏高尾でも1年前はほとんど影響はありませんでした。ところがこの冬に急にアオキが食べられるようになったのです。だから高尾山でも来年同じようになるという保証はないのですが、今年「この範囲をこういう方法で調べたら、ほとんど影響がない」という記録があるかなかいかは大違いです。その下準備ができてよかったと思います。


シカの痕跡に注目しながら歩く参加者
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高尾山 5 野草

2019年07月17日 | その他の調査地

地面を探しながら見つける春の花も「やあ、一年ぶり」と心で声をかけます。


キランソウ


ジュウニヒトエ


ミミガタテンナンショウ


ヤマルリソウ


ユリワサビ
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高尾山 4 野草

2019年07月16日 | その他の調査地
「春がきた」と思わせるものに、キブシがあります。早春というより晩冬というような時期から咲き始めます。


キブシ

そのほかの低木

ニガイチゴ


モミジイチゴ

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高尾山 3 スミレ

2019年07月15日 | その他の調査地
高尾山といえばスミレが気になります。玉川上水を歩いてもほとんどはタチツボスミレですから、そうでないのを見つけると目がカッと開きます。


エイザンスミレ


コスミレ


タチツボスミレ


ナガバノスミレサイシン


ニオイタチツボスミレ


マルバスミレ

確かにスミレの多い山です。

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高尾山 2

2019年07月14日 | その他の調査地
高尾山に戻ります。
調べ方、観察のポイント、規則の仕方などを揃えるために、一緒に歩きました。山好き、植物好きの人たちですから、あれこれ野草を見つけて歓声をあげていました。ただ、シカについてはあまり目を配っていなかったらしく、湿ったところで私が足跡を見つけたら、皆驚いていました。
「ええ、やっぱりいるのか」
皆さんの頭の中に、ここにシカが来ているイメージが湧いたようでした。
「やっぱり、見る人が見るとわかるんだ」

ただ、植物に食べ跡はなかなか見つかりませんでした。


シカの足跡
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