自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

ムラサキシジミ

2012年02月29日 | 動物 animals
12月30日比和田山です。

冬の山なのにチラチラと飛ぶものがいます。私は近視なのですが、子供のころから鍛えてきたせいか、蝶が飛んでいると目がそちらに向き、こまかな特徴も「見え」ます。これは不思議なことですが、視力検査の視力とは違う視力があるようです。見つけると視力のほかにいろいろな情報が瞬時に処理されて、判断されるのです。考えているわけではありませんが、冬に成虫がいるというだけでかなり絞られます。しかもシジミチョウとなるとさらに限られ、翅の表の一部ですが青い色があるので「ムラサキシジミ」だということがわります。実はもうひとつ「ムラサキツバメ」というのもいるのですが、後翅に短い尾がついているのと、青の色がもっと紫なこと、それに翅が縦方向に長いのが違います。
 ともかくムラサキシジミがいました。暖かい地方の蝶で、多くのシジミチョウが卵や蛹で越冬するのに対して珍しく成虫越冬です。翅の裏側は地味な焦茶色なので、暗い林にいると目につきにくいです。仙台にはいなかったのでかなり久しぶり感があります。



参考までに標本を並べてみます。
 
ムラサキシジミ               ムラサキツバメ

思えばわれながら不思議、こんなによく似た蝶を野外で見分けるなんてふつうありえないことのように思われます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フユイチゴ

2012年02月28日 | 植物 plants
2月20日から今日までマレーシアに行って来ました。その話はそのうちということで、中断していた12月30日比和田山です。

冬の林は殺風景ですが、よく眼をこらすと少しですが、カラフルなものがあります。これはフユイチゴでキイチゴ類としてはかなり大きな葉をつけます。そのせいもあって果実は目につきにくいのですが、よく見るとなかなかきれいな赤です。モミジイチゴやニガイチゴなどよりはひとつの果実の数が少なく、同じ属の中ですがちょっと毛色が違うと思われます。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジャノヒゲ

2012年02月19日 | 植物 plants
今日からのシリーズは2011年の最後になります(ただし明日から1週間ほど海外出張のためお休みします)。12月の30日にカミさんと埼玉県の日和山に行きました。二人とも山陰そだちなので、冬と言えば曇り空、年末は家でこたつにあたっているものと思って育ったので、冬なのに明るいというのはなんだかまぶしいような気持ちがあります。娘たちも嫁いだので二人ででかけることが多くなりました。
 山道を歩いていたら青い実をみつけました。ジャノヒゲです。タヌキの糞を紹介しましたが、糞の中にあったのはこの種子である可能性が大きいです。それにしてもこの青の色の鮮やかさはどうでしょう。上質な陶器の青に通じるものがあります。
 ジャノヒゲ 2011.12.30 日和山
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これはわかる?

2012年02月18日 | 自然 nature
12月下旬の日ノ出町廃棄物処分場跡地です。タヌキは「貯め糞」といって一種のトイレを作って、いつも同じ場所に糞をしますが、たいていは林の中です。ところがここではグランドの脇などの見晴らしのいいところにたくさんの貯め糞があります。これは、実際にはタヌキは広々としたところも使うのだが、人がいるところでは危険なので林に隠れてくらしているということだと思います。



 ところで、糞の中に白い球があります。これはヤブランかジャノヒゲの種子です。白い半透明でプラスチックのような質感です。見た目だけでなく、硬いところに落とすとよく跳ねてほんとにプラスチックみたいです。果肉はないので、これを食べてもほとんど栄養になるとは思えないのですが、見た目においしそうに見えるからついつい食べてしまうのですかね。同じ林にマンリョウとかヒサカキなど同じくらいの大きさの実があるから、まちがえて食べてしまうのかもしれません。


ヤブランの果実

 マンリョウ 2010.1.9 狭山丘陵

 ヒサカキ 2010.10.10 小平市
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これなんだ?

2012年02月17日 | 自然 nature
12月20日、東京西部にある日ノ出町の廃棄物処分場跡地にいってきました。ここは東京のゴミを埋めて土を埋め、その上にグランドを作っているのですが、その一角に動植物が戻ってくるような努力をしている場所もあります。普段は立ち入り禁止なので水鳥がのんびりと暮らしていますし、タヌキなどの哺乳類も暮らしています。
 そこの人が写真のものをいらないかと聞いてきたので、もらうことにしました。



これはチョウゲンボウのペリットです。
「なんだそれ?」
ですって?チョウナンボウではありません。ハヤブサのような猛禽の仲間です。
 この写真はなかなかよくとれていますが、実は多摩動物公園で飼育係さんが手にとめていたものです。



飛ぶ姿がたいへんきれいです。モンゴルではよくみかけます。


ペレットとは「粒」pelletということで「ペレット」なのですが、この場合は「ペリット」といいます。動物が吐き出したものが固まった状態になっているものです。鳥は歯がありませんし、ヒツジのような反芻胃もないので、のみこんだ食べ物を砂嚢でつぶし、消化できなかったものは口から吐き出すのです。大人の小指の先ほどの大きさで、赤みがかっています。
 ヨーロッパの文献をみるとほとんどネズミで、少し小鳥の骨が入っているようですが、ここのものは昆虫の脚などばかりでした。日本は昆虫の多い国ですからチョウゲンボウの食べ物もヨーロッパのものとは違うようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モチノキ

2012年02月16日 | 自然 nature
12月上旬の小平霊園。植えられたものですが、モチノキが赤い実をつけていました。このあたりの果実のなる木の下には鳥の糞が落ちていますが、その中にかなり高い確率でモチノキの種子がでてきます。この赤い実は鳥の眼に目立つようです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雑木林

2012年02月15日 | 自然 nature
自宅の近所の霊園にある小さな雑木林です。東京は12月上旬がコナラ、クヌギの黄葉がきれいなときで、この日もやや落ち過ぎでしたが、黄葉が冬の日に輝くようでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012年02月14日 | アファンの森
12月3,4日のアファンです

自慢ではないですが、私は日々の暮らしはからきし<ダメオ>です。物忘れは天才的です。忘れてはいけないと思って鞄の奥につめて、どこに入れたかを忘れてあわてるなどよくあること。本を読んでいて駅をおりそこねなどかわいいものです。この前、論文のことを考えていて、駅についてので改札口で、意識は「定期を出す」だったのですが、体は「右手で何かをする」になっていて、こともあろうに持っていたコウモリ傘を開いてしまいました。あのワンプッシュでパッと開くやつです。さいわい周りに人がいなかったのですが、けっこう恥ずかしかったです。
 というわけで困ったものですが、12月のアファンではこんなことがありました。いきつけの宿がお休みだったので、別のところに電話して頼みました。とても感じのよい対応だったので泊まることにしたのですが、電話を切ったあとで値段を聞いていないことに気づきました。でも感じがよかったので、電話をしてキャンセルするというのもなんだか悪いような気がしてそのまま行きました。結果的には私にはふさわしくない豪勢な一泊になり、落ち着きませんでした。でもいいことがありました。冬の山が見える眺望のよい窓辺に、きれいな色ガラスの瓶が並べられていたのです。選ばれた瓶の好み、並べ方の案配のよさ、宿主さんのテーストが偲ばれます。この窓辺を見たことで貧乏研究者は値段を納得しました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オニグルミ

2012年02月13日 | アファンの森
12月3,4日のアファンです

アファンの森にはクルミ(オニグルミ)がたくさんあり、ときどきリスもみかけるので、クルミを運んでいるに違いありません。このことを調べてみたいと思いました。このことも以前紹介しました。1本のクルミの木の下に落ちたクルミをすべて調べて、去年以前に落ちたものは位置を確認して回収し、この秋に落ちたものはそのままにして追跡をしました。そうすると、その後に落ちたものもあれば、確かにあったのに消えたものもありました。えらく手間取りますが、わからないことがわかるのはおもしろいものです。
 それからスギの枝などがまとめられたところがあるのですが、そういうところにたくさんのクルミが集められていました。何年もかけたネズミやリスの努力の集積です。集めた学生はうれしそうでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ケンポナシのお客さん

2012年02月12日 | アファンの森
12月3,4日のアファンです

ケンポナシという植物の話をしたことがありますが、動物による種子散布という意味でとても興味深い植物です。ケンポナシを食べに来る動物がだれなのかまだ調べられたことがありません。それでカメラで調べることにしました。11月に置いて12月に確認したら、写っていました。キツネとテンです。新知見です。


ケンポナシは花柄の部分が厚くふくれて、甘い匂いがします。種子はその先端にある丸いもので、全体が「果実」に相当します。いろいろな動物の糞に出てきます。


ケンポナシを食べに来たキツネ


テン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする