自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

春の花 カタクリ

2008年03月31日 | 植物 plants
八王子の春の花、第3弾はカタクリです。仙台にいたころ、4月になるとカタクリを楽しみにしていたものです。早く始まり遅くまで続く冬がようやく終わり、植物が一気に、怒濤のごとく芽吹き、花を咲かせます。「木の芽立ち」は精神が不安定になるといいますが、確かに私たちは落ちつかなくなり、まともさを失うような気分がありました。
 仙台に行くまでカタクリの花をみたことはありませんでした。それがいきなりこんなきれいな花に出会いました。それも市内のふつうの丘に乱れ咲いているのです。自宅のすぐ近くの、子供たちが通学する道にいくらでも咲いていました。
 東京に来ると、「カタクリ生育地」が宣伝され、新聞をみると縄張りとして監視者がおり、人が行列をなしているようで、あきれて見に行く気も起きませんでした。それでカタクリとはしばらくごぶさたしていました。それが28日に突然、再会となりました。小さな株でしたが、いとおしいような気持ちでした。花をよく見ると花被片の奥のほうにW字の模様があります。今回、つぼみをよく観察したら、このW模様はつぼみの外側からも見えました。淡い紅色にこの紫色と形、脱帽であります。北アメリかには黄色のカタクリがあるそうですが、これはわがカタクリに軍配があがりそうです。
 花の繊細さとは不似合いなようなたっぷりした葉の幅広さ、そこにつけられた紫色の斑ら模様。名花というべき植物です。





カタクリ 2008.3.28 八王子市
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春の花 アマナ

2008年03月30日 | 植物 plants
早春の植物はあっというまに通り過ぎるので、はかないものに譬えられます。eternalに対してephemeral。はかないものを好む私たちに日本人に人気があり、カタカナでスプリング・エフェメラルといわれますが、こういうことばこそ日本語で表したいものです。「たまゆらばな」でもいいと思いますが、生物学用語は訓読みはなじまないようです。「早春花」はどうでしょう。ただ、私はこういう植物にははかなさよりも、むしろ寒さもある早春に伸びる勇気、みずみずしいのに枯葉のあいだを伸びてくる生命力にこそ印象づけられます。それにはかないというのは、花だけのこと、地中ではたくましく生命活動を続けているのですから。
 さて、八王子の恩方で、その早春の花のひとつ、アマナをみつけました。ある場所にはいくらでもありました。以前この花をみたとき、私はカタクリと似ていると思いました。いや、もちろん大いに違うのですが、花びら(これは花弁ではなく、3枚の花弁と3枚の萼で、花被片という)や葉の「つやけし」感などに共通のものを感じたのです。それから葉の形は違うが質感はチューリップに似ていると思いました。あとで調べてびっくり、属名はTulipaというのでした。アマナの花の花びらや葉を広くすれば、確かにチューリップに似ています。
 それにしてもアマナの花は横向きで、あまり開くことなくひかえめにみえます。あくまで明るい春の光を受けていました。





アマナ 2008.3.28 八王子市
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ツツハムシ

2008年03月29日 | 動物 animals
「目」は磨くべきもので、視力とは違う眼力というものはあるものです。私は車を運転していても、無意識に植物を見ていて、意識の中で名前を確認しています。なので、知らない植物があると「!」と反応して、「あれはなんだ。ここで、この季節で白い花なら、ニリンソウかな」などとクルクル回転して、それで納得できれば通過、できないと停車となります。
 植物の目は磨いたつもりですが、昆虫は中学生くらいのときのほうがよかったように思います。その後昆虫学を学んだら、目が磨けたのでしょうが、退化してしまったようです。
 町田の里山を歩いていてナナホシテントウをみつけ、そのあとでテラテラした魅力的な甲虫をみつけました。遠目で写真をとって、今度は近づいてと思っていたら、葉からポトンと落ちてしまい、見失いました。とりあえず写しておいたものを拡大したら、ヨツボシクロツツハムシということがわかりました。えらく長い名前です。ハムシの仲間に円筒状の体型をしたのがいて「筒ハムシ」、それの黒いやつで、「黒ツツハムシ」、そして4つの斑紋があるので「4つ星クロツツハムシ」なのだと思います。
 甲虫はなんだか気楽で愉しそうです。

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春の花 アズマイチゲ

2008年03月29日 | 植物 plants
今日は八王子の奥にある恩方というところに行ってきました。東京都は思えないほどのどかな田園地帯です。ウメが花の盛りを終えていましたが、まだ十分にきれいな花があり、なつかしいような景色でした。車が林を走るとき「もしや?」と思いました。停めてもらって近づくとちょっと違いました。もしやと思ったのはニリンソウかなと感じたのですが、見たのはアズマイチゲでした。同じAnemone属ではありますが、うれしい思い違いです。そのみずみずしい清楚さ。若いころに仙台で初めてであったときのことを思い出しました。そのほかにもアマナ、ユリワサビ、フクジュソウなどもみつけ、とても幸せな一日でした。
 早めにうちに帰って、早い風呂に入りました。アルコールの好きなひとならビールをグイッと、というところでしょうが、下戸の私は熱い番茶と甘いものをいただきました。ああ、極楽、極楽。  3月28日記





アズマイチゲ 2008.3.28 八王子市恩方
1枚目は午前中に見たもので、目のいい人は葉にのった水滴に気づくはず
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ホトケノザ

2008年03月28日 | 植物 plants
オオイヌノフグリと同じ頃から花を咲かせる植物のひとつがホトケノザです。春の七草のひとつですね。この花の色のピンクはいい感じです。いやピンクとはいわず、淡紅色というのかもしれない。少し紫色がかかります。今はあまり見なくなりましたが、金平糖というお菓子があって、半透明な感じの砂糖に色がついているのですが、その原色的な紅色もあの紅と似ています。仏様に供える粉菓子に着色する染料も共通の原色っぽさがありますが、あれの蓮の花などにつける紅色にも似た感じがあります。ああいう染料は色の安全は大丈夫だったのでしょうか。
 さて、ホトケノザはまとまって咲くのでひとつひとつの花の紅色が空気全体を染めるような感じがあります。「仏の座」は花をみると大きく上と前に弁が開いていて、シソ科の花によくある形で、サルビアなども同じです。てっぺんの部分にビロード状の毛が生えていますが、これはつぼみのときに濃い紅色です。



ホトケノザ 2008.3.15 小平市
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ナズナ

2008年03月27日 | 植物 plants
明るい草原や道端は光が燦々。そういう場所を好む植物がいっしょに生えることになります。ナズナもそのひとつ。早春のひなたを代表する植物のひとつです。オオイヌノフグリといっしょに生えていることがよくあります。これも近づいてみると確かに4枚の花弁をもつアブラナ科です。日本では4は縁起が悪いとされますが、ヨーロッパでは十字架の4に通じ、アブラナ科は神聖な植物群とされます。ナズナというよりペンペン草、花よりも果実のほうがよく知られる植物です。果柄が長いので、茎を揺すると果実がぶつかって「ペンペン」というのですが、これを三味線のばちにたとえるらしいですが、私はどうみてもきれいなハートだと感じます。







ナズナ 2008.3.22 狭山丘陵六道山公園
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畑に湯気

2008年03月26日 | 植物 plants
昨日の朝のことです。いつもの通勤路にある畑に湯気が出ていました。前夜はちょっと冷え込んだのですが、朝は暖かく、きっとその落差で湯気が出たようです。美風が吹いて湯気が流れていきました。写真にはうまく撮れませんでしたが、なかなかおもしろい景色でした。畑に生えた牧草(たぶんカモガヤ)も葉を伸ばしています。



畑の湯気 2008.3.25 小平市
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オオイヌノフグリ

2008年03月25日 | 植物 plants
霜のことを書いたとき、春は突然訪れたと表現しましたが、しかし実際には、そう感じさせる暖かい日があったあと、また寒がもどり、そういう寒暖をくりかえしながら、気がつくと「すっかり春」になってゆくのでしょう。私はこういうときに「寒さ」ではなく、「寒」(かん)というのが好きです。
 さて3月の中旬になって急に春らしくなりましたが、その代表といえるのがオオイヌノフグリ。外来の雑草ですが、すっかり日本の風景にとけ込んでいます。あまりにもありふれて振り向く人もいない雑草ですが、花の色の青の独特のさわやかさや、葉の形もとても魅力的で、じっくり観察するに値する植物です。




オオイヌノフグリ 2008.3.22 狭山丘陵六道山公園
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樹液

2008年03月24日 | 植物 plants
3月22日に狭山丘陵に散歩に行ったときです。オオイヌノフグリやナズナの花が咲く明るい公園で、まさに「光の春」そのものという感じでした。コブシの花もさいており、3歳の孫との春の日を楽しみました。帰りしなに、ミズキの木がありました。まだ葉は開いていません。その木の枝の分かれ目からポタポタと水滴が落ちています。その勢いがすごく、1秒にひとつくらい、ポタポタポタポタという勢いです。小型のデジカメで映るかどうか試してみたら、たくさんの失敗の中にちょっと映ったものがありました。もちろんブレていますが。
 それにしてもミズキという名前に納得です。冬眠しているかにみえる木の中をたいへんな勢いで樹液が流れているということがわかりました。こういうものを昔の人はちゃんとみていて名前をつけたのですね。
 孫がいいました「これ水道?」






ミズキの水滴 2008.3.22 狭山丘陵
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グラニュー糖

2008年03月23日 | 自然 nature
春めきました。ほんの少し前、それも今月のことです。ある朝、通勤路でみたハナミズキを植えた場所(小平あたりは土地が痩せているせいか、野菜や果樹を作らず、木を植えた土地がよくあります)に農薬でも撒いたのか、白い粉がありました。でもちょっと違う感じです。近寄ってみるとそれは霜でした。でもふつうの霜と違って、透明感がない白だったので化学製品のように見えたのです。近寄るとグラニュー等のようでした。春は突然のように到来しました。





2008.3.9 小平市
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