goo blog サービス終了のお知らせ 

自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

小金井桜 2

2025年02月13日 | 玉川上水
その心配が現実のものになりました。小金井橋の下流の切り株が無惨にも上水の中に落下していました。

上水に落下したケヤキの切り株

この場所は私が2020年に見て衝撃を受けた場所です。

並ぶケヤキの切り株

同じ場所の2020年3月の写真

その切り株からはひこばえが生えていました。つまり切られても懸命に生きようとしていたのです。外からは見えませんが、根を張り、そこから水を吸って切り株に送り、そこから芽を出して葉を開き、光合成をしてまた養分を蓄えながら生きてきました。しかし、委員会の方針で伐採しただけではこと足らず、完全に枯らすことが目的となり、ついに死に絶え、落下したのです。これで水道局が懸念する「水を汚さない」ことはできないことが実証されてしまいました。これは今後、次々と起きて、周辺の土壌は根による土止めを失い、上水に流れ込むのは確実です。

同じような切り株は無数にあり、枯れ始めている(新小金井橋上流)

 これは砂防学の常識であり、その常識のようになっただけのことです。非科学的な想定は間違っていることが証明されたと言うことです。私にはこれを見て水道局が「委員会の方針は間違っていたのではないか」と思わないのが不思議です。

 この行いは、砂防学を無視したこと、ここに生えていた豊かな野草を失ったこと、そこに生きていた無数の鳥や昆虫を立ち去らせたことなど、生物多様性を保全するという精神を無視するばかりか、それに逆行するものという意味で大いに問題です。

 そういう意味での問題も多いですが、私はもっと深いところにあるごく単純なこと、つまり懸命に生きようとして伸びてきたひこばえをさらに刈り取り、それでも生えてきたものをまた刈り取り、ついには完全に枯らせてしまったという恐るべき感覚に戦慄を覚えます。これは幼子が転んで泣いていて立ち上がったところに行って、倒し、また起き上がったところをまた倒して、死に至らしめるおこないに相当するといえるでしょう。それを「桜を愛する」ことを推奨し、100周年とお祭り騒ぎをする小金井市がおこなっているのです。物言わぬケヤキをなぶり殺す精神の持ち主が桜でもなんでも、植物を愛することができるはずがありません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小金井桜 1

2025年02月12日 | 玉川上水
玉川上水は細いながら樹林が連続していることに大きな価値があるのですが、それが小金井地区で途切れます。それは「小金井桜」のためで、桜以外の樹は不要、桜の生育を邪魔するからと皆伐されたからです。

この写真は小金井市が出した冊子の表紙です。


 「ああ、やはり桜はいい」と感じるでしょうか。そう感じる人が多いのかもしれないし、だからデザイナーはこれを選んだのでしょうが、私の目は桜よりも見て左岸の「肩」の部分の切り株に向かいます。これはかつてここに生えていた数十歳と思われるケヤキの切り株です。想像をたくましくしても、ここにケヤキの樹林があったことを想像するのは難しくなっています。ケヤキはそれでもひこばえを伸ばしていました。その木が生きていれば根が張るかもしれず、そうなれば土止め効果も期待できます。しかし毎年このように伐採が繰り返されるので、さすがのケヤキも息絶えます。そうなれば、ただ腐っていくだけですから、そこから土壌崩壊が進みます。これは砂防学の常識ですが、ここの管理を「指導」している委員会は、信じられないことに、その常識に真っ向から反対して伐採を進めました。他にも多くの問題がありますが、一番深刻なのはこの樹木を欠くゾーンによって連続した樹林が断続したということです。こうなれば、鳥でさえ移動するのは難しいと思われます。森林に住む昆虫はもちろん、野草も消えました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フクロウ巣箱

2024年12月23日 | 玉川上水
11月7日に津田塾大学にフクロウの巣箱をかけに行きました。春に姿を見た人がおり、この辺りにいるのは確かなので、条件の良い個々のキャンパスに巣箱をかけ雨のが可能性が大きいと思ったのです。12月13日に確認に行きましたが、着た形跡はありませんでした。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黄葉

2024年12月22日 | 玉川上水
12月10日の玉川上水の紅葉です


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

観察会

2024年05月16日 | 玉川上水
5月12日は観察会の日でもあり、午前中は玉川上水を歩きました。


詳しくは こちら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年05月02日 | 玉川上水
この冬、東京では雪が降りませんでした。ところが2月の6日に少しですが雪が降りました。出かけるのが少し遅れたので、枝の雪は落ちていましたが、珍しい雪景色になりました。



いこい橋の上流(2024.2/6)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

出版助成

2024年03月22日 | 玉川上水
アサココに「玉川上水の野草たち」を連載し、それが完了した報告をしました。できればそれをまとめて小さな本にできたらいいなと思い、ダメもとで出版助成を申請していたのですが、それが採択されたという連絡が届きました。ありがたいことです。
アサココでは文章と写真でしたが、この本にはスケッチも載せたいと思っています。


表紙のイメージはこんな感じにしたいと思っています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

巨樹調査

2024年02月25日 | 玉川上水
去年の12月頃は玉川上水の巨樹調査をしていました。これは小平のクヌギの例です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月9日の玉川上水

2024年02月24日 | 玉川上水
東京では紅葉は12月上旬くらいが一番きれいだと思います。これは12月9日の鷹の台近くです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学習会 4

2024年02月23日 | 玉川上水
この研究のもう一つのミソは、鳥類調査なのに樹木調査をしたことです。各地で樹木の太さを測定して、そこから断面積を求めました。それを左から小平、小金井、三鷹、杉並の順に並べたのが下のグラフです。小平は緑色のコナラなどの落葉樹が多いですが、三鷹ではシラカシなどの常緑広葉樹もあります。しかし小金井と杉並はピンクのサクラが多いです。


生態学には多様性指数というものがあり、いろいろな樹木がごちゃごちゃであると大きく、少数種しかなくて、1種類が独占的だと小さくなります。それを算出すると、小金井が目立って小さいことがわかります。


そういうわけでこの結果は山島鳥類研究所の学術誌に掲載されました。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする