自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

3月を振り返る

2019年03月31日 | ごあいさつ Greetings
3/3 ノウサギの骨格標本作製開始
   麻布大学いのちの博物館でタヌキ頭骨計測
   リスの骨格標本整形
3/4 麻布大学いのちの博物館でタヌキ頭骨計測
3/5 ドバトの骨格標本作製開始
3/6 麻布大学いのちの博物館でタヌキ頭骨計測
3/7 麻布大学野生動物学研究室卒論発表会
3/10 玉川上水観察会 こちら
3/14 東大博物館でシカ頭骨標本せり
3/15 花マップの調査(小平)
3/16 花マップの調査(砂川)、ドバト骨格標本完成
3/23 横浜で「丹沢ブナ党」に丹沢のシカの食性分析結果の報告
3/24 武蔵野美大で「フクロウの巣からネズミの骨を取り出す2」実施 こちら
3/26, 27 麻布大学いのちの博物館で「粘土で動物を作ろう」実施  こちら
3/29 明治神宮のタヌキの糞分析が終わる
3/31 タヌキの体重の季節変化の論文、修正がほぼ終わる


ドバト


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ノウサギ 2

2019年03月31日 | 標本
ノウサギの頭骨は側面に独特の網目模様があります。切歯(前歯)はネズミなどと同じく非常に大きく、根の部分も大変ふかい作りになっています。ただネズミとは違い、下顎が上下に広く、上下の強い力がかかっても大丈夫な作りになっています。


ノウサギの頭骨


下顎骨

 もう一つの特徴は上の切歯が2列になっていることで、普通の切歯2本の「裏側」にもうもう2本あるのです。これは「副切歯」と呼ばれます。この前後の切歯のちょうど間に下側の切歯がピタリと収まるので、硬い草もスパッと切れるのです。


切歯と副切歯 上アゴを下から覗いたところ
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ノウサギ 1

2019年03月29日 | 標本
山梨の知人がときどき動物の死体を見つけて、ありがたいことに送ってくれます。今回はノウサギを送ってくれたので標本を作っています。このノウサギはメスで、体重は1980gでした。





ウサギといえば何と言っても長い耳。ノウサギは先端が黒くなっています。



耳は敵の存在を聞き取るため、そして「脱兎のごとく」というように、敵に気づけば俊足で逃げます。そのために後ろ足が非常に大きく、ダッシュ力があります。足の裏にまで長く高密度な毛が生えています。これで、雪の上でも平気なんですね。



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府中街道

2019年03月28日 | 研究など research


東京にあるごく普通の東京の道路、かなりの交通量です。府中街道で、これは津田塾大学前です。それが何?ですが、私にとってはなかなか意味があるんです。少し長くなります。
小平に住むようになって玉川上水の自然を見直し、その意義を考えていました。それは「細長い緑でも、繋がっていることに意味がある」ということでした。その細長い緑に接したもう少しまとまった緑があると、細い緑にない自然がある可能性があります。私はその例として津田塾大学の林に注目していました。そこには他にない植物が生えているだろうし、何と言ってもタヌキがいるだろうと踏んでいました。しかし女子大ですから簡単には入れません。それが実現し、すぐにタヌキが確認できました。その後、タヌキの食べ物を調べるために糞を集めて分析するなどしましたが、「タヌキの動きを知りたい」という人と、ソーセージにプラスチックマーカーを入れて決まった場所に置き、タメフン場で糞を集めて、マーカーの色と番号から動きを確認しました。大体はキャンパス内を動いていたのですが、ごく少数ではありましたが、この府中街道を横切っていることがわかったのです。ということはタヌキはこの危険な道路を行き来しているということです。
 ということは、このボタン式横断歩道は次のような意味を持つポイントだということです。
 かつて広々とした雑木林と畑の中でタヌキたちがのびのびと生きていた。それが開発のためにどんどん生息地を奪われ、玉川上水に逃げ込んだ。だがさらに開発が進んで、玉川上水でも住みにくくなって津田塾大学に細々と生きてきた。そのタヌキが、利便性を求め続ける東京人のエゴによって最後のトドメを刺されるか、あるいはささやかな優しさを捨てきらないで、--「一緒に生きよう」とは言わないでも--「タヌキくらいは一緒にいてくれてもいいかな」と思えるか、それが実行できるかを試されているということです。
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粘土で動物を作ろう

2019年03月27日 | イベント
麻布大学いのちの博物館で「春休み子供教室」として「粘土で動物を作ろう」を実施しました。こちら
というわけでこのところ、子供づいています。
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フクロウ・イベント

2019年03月26日 | イベント
武蔵野美大で「フクロウの巣からネズミの骨をとりだす2」というイベントをしました。これは地球永住計画の中の「ちきゅうえいじゅうがっこう」という子ども向けの活動として位置付けました。たくさんの申し込みがあり、断らないといけないほどでした。スタッフも集まってくれて、とても楽しいものになりました。



詳細は こちら

以下は私の感想です。

 八ヶ岳のフクロウの分析は私にとって唯一の鳥についての論文になりました。それも国際学術誌に掲載されたものです。そういう専門的な内容につながる作業を3、4歳の子供と一緒にできたことがなんだか不思議な感じです。そのことを考えてみました。
 私は初等教育の経験はないので、小さい子供に接するのはどうしていいかわからないところがありました。それで、へたに「教える技術」は考えないで、言葉はやさしくても直球勝負で接するようにしています。麻布大学いのちの博物館でも子供相手のイベントがありますが、動物の骨のスケッチなどは明らかに学年差があるため、年齢層を絞ることになります。思えば絵を描くというのは、さまざまな約束事を理解し、技術を覚えるという「勉強」をしないといけません。「手続き」といった方がいいかもしれません。ところが私たちにとっては同じか、むしろ難しいのではないかと思う粘土細工は意外と小さい子と大きい子の差がありません。多分粘土の方が絵ほど約束事がないからだと思います。そういうことからすれば、土の中から小骨を探すというのは幼児が大人とも差がなくできることです。
 思えば現代社会は約束事だらけです。子供には訳のわからないことだらけです。なぜそうなるのかわからないものに囲まれて生きています。その結果、大人のすることは子供には全く理解の外にあることばかりです。こうして、大人と子供は完全に切り離されています。
 今回の作業はそれと全く逆のことをしました。子供にもできる骨の取り出しについては、親が倍速でできるわけではない。多少ピンセットの使い方は器用かもしれないが、発見する目はどうかすると子供の方がいいかもしれません。「僕のしていることがお父さんのすることと同じだ」、それは子供にとってはワクワクすることだったはずです。そのことも日常になかったことでしょうが、そもそも親と一緒に同じことをすることそのものがなかなかできないことです。たっぷりとした時間を「あ、歌うおじさんがあった」「これってなんだろう」と言いながら過ごすこと自体が心満たされるものだったはずです。
 小さい子が休憩もしないで2時間も作業を続けるなんてびっくりです。よほどおもしろく、よほど楽しかったのではないでしょうか。
 間違えて叱られることもない、自分が目にしているものは本当にフクロウが巣の中に残したものなのだ、これはフクロウが飛んで捕まえたネズミの骨らしい・・・その時のことを想像したかもしれません。それは学校で「テストで良い点を取るために覚えなさい」と脅迫のように言われるのとどれだけ違うことでしょう。それどころか、自分がたまたま見つけたものがヒミズという珍しい動物の顎の骨だったといって大人が騒いだのは「うれしい」というのとは違う喜びの感覚だったと思います。そういう想定しないことが起きるのが本物の自然です。
 紛い物でないホンモノはこれほどに力を持つのですね。これは子供の潜在能力を引き出すという意味でも、大人を夢中にさせるという意味でも、小さいものから自然のストーリーを読み取るきっかけになるという意味でも、親子が楽しい時間を過ごすことができるという意味でも、とても適した教材だと思いました。

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フクロウの模型

2019年03月25日 | その他 others
1月に麻布大学いのちの博物館でフクロウのイベントをした。その時の材料が大量に残っていたので、自分で分析してもいいと思っていたが、割合好評さったので、地球永住計画で行なっている活動の一つとして行うのもいいと思い、準備をすることにした。子供を対象にして、出来るだけわかりやすく説明し、保護者と一緒に作業をさせてみようと思った。それはフクロウお巣に残された巣材からネズミの骨を取り出すというもので、今年は八ヶ岳に加えて弘前のリンゴ園の材料も手に入った。ただの作業だけでは不十分なので、解説をし、それだけでなく標本類を見せることにした。私は不思議なことにフクロウの死体という自然界で遭遇することはまずないものに一度ならず二度遭遇した。一つは宮城県の金華山で、非常に新鮮な標本だったので、羽のついた素晴らしい標本になって今麻布大学いのちの博物館にある。それは見せるわけにいかない。もう一つは津田塾大学でタヌキの調査をしている時、偶然見つけた。これはやや古い斧で、一部が破損していた。。ただ、頭もほぼまともだったので、骨格標本を作ることにした。そのほか、展示に使ったネズミの模型やその骨の模型、ネズミとリスの骨格標本などであった。ただ、良い機会なので、一つフクロウの模型を作ってみることにした。
 粘土で形を作り、水彩色鉛筆で模様を描いた。目にはプラスチック製のものを使った。




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2月の観察会

2019年03月24日 | イベント
観察会というのは結構忙しい。歩いていれば、あれこれと出会いがある。それを開設し、ゆっくりと進んでいく。春から秋はそうだ。だが、冬になると花も葉も乏しくなるからそれほど説明することはなくなる。それだけに時間的な余裕はある。そこで2月はスケッチをすることにした。その対象は冬芽にすることにした。
 落葉樹の冬芽は種ごとに違い、地味ながら美しい。冬芽を観察するということはあまりないので、よい機会だと思った。

津田塾大学の南側は明るいので、色々な低木もある。そこでいくつかの枝を選んでスケッチしてもらうことにした。



私はコナラとカエデ(多分ヤマモミジ)、ムラサキシキブなどを選んだ。



 明るい日差しが差していたので、あまり寒さを感じず、楽しい時間だった。



普段、あまりみないものをじっくり眺め、描くことも自然の理解につながると思う。


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ポストカード

2019年03月23日 | 植物 plants


玉川上水の花マップ活動で、一つは楽しみで、一つは冊子の原稿のために、野草のスケッチを始めました。かなり溜まったので、ネットでポストカードに印刷することができるとわかったので、注文してみました。割合いい印刷のようなので、少しずつ注文しました。それを部屋の壁に貼ってみました。
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今日の玉川上水

2019年03月22日 | 玉川上水
今日は天気が良かったので、玉川上水に行ってみました。野草観察ゾーンと言って上層の木を切って明るくした場所があるので、そこに行きました。明るい分、暖かいのでしょう、鷹の台方面では林の下で葉はたくさんあるのに、花はまだでしたが、ここではたくさんの花が見られました。

 

 こうして写真に撮ればはっきり分かりますが、実際には枯葉の間に小さい花があるだけなので、注意深く眺めないと気づかないほどで、実際、多くの人は気づかないまま歩き去りました。
 アマナの花は例年だと4月に入ってから見られるのですが、まだ3月なのにたくさん見られ、それどころかここではニリンソウも咲いていました。



 ニリンソウは4月下旬という印象があります。今年は花が早いようです。
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