自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

モゴッド、競馬1b

2015年09月30日 | モンゴル
 そうこうして、小一時間すると広い草原にでました。そのときジャガさんが
「始まった」といいました。
そんなこといったって、少年たちの列は先頭から末尾まで100mくらい離れているから、不平等じゃない、と思うのもつかのま、とにかく少年たちの馬は疾走を始めました。それを見た私は熱いものが湧き上がってきて、泣いてしまいました。



 あの涙は何だったのかよくわかりません。無心な少年たちの姿に感動したのですが、それだけではない。この大地に、何百年も前から少年たちがこの競馬を続けてきて、今見ている大人たちも数十年前に同じように走ったし、そのじいさんも、そのまたじいさんもそうしてきた。ソ連の時代も、その前も・・・そういう思いが私に涙を出させたのかもしれない。ともかく声を出しそうになるのを必死でこらえていた。
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モゴッド、競馬1a

2015年09月30日 | モンゴル
ドライバー兼通訳のジャガさんがボソッといいました。
「今日は小さなナーダムがありますが、行きますか?」
ナーダムというのは7月中旬にある祭りで競馬や相撲、弓などを楽しみます。そのため国中が機能麻痺みたいになります。それもあって7月はなかなか訪問できません。なので8月中旬にナーダムがあるとは思ってもいませんでした。ジャガさんが小さい声で言ったのは、まあ私が毎日地面にはいつくばって草原の調査をしているから、そっちを優先させるだろうと思ったからだと思います。彼は日本に何年かいたので、日本人がまじめに働くのをよく知っているのです。だから私が
「行く、行く」
と調査をそっちのけにしたのが意外だったようです。
 行くと、すでに人が集まっています。男たちは民族衣装を着て、帽子をかぶって正装をしています。日に焼けた無骨な感じのおじさんたちが結構おしゃれをしているのが、妙におかしい。
 そうこうしているうちに
「先生、競馬に行きますか?」
という。行かいでか!こんなチャンスはありません。
 でも行くってどういうことかわかっていませんでした。ともかくジャガさんにおまかせです。丘を少年たちが50人くらい上手に乗って進んでいます。その集団をおとなが先導しています。この人たちがスタート地点に連れていくようです。



 ずいぶん進みました。丘を越え、また丘を越え、谷に下りてまた丘を登りという感じです。そのあいだに、少年が馬から落ちるということがありました。聞くと、馬も少年もこれから始まる競馬のことを思い、興奮して馬がゆっくり歩くことができなくなってふり落としたのだということでした。みると少年たちはいつものブーツを履いていなくて靴下です。それに鞍もなく裸馬です。だから、乗せてもらうとき大人が手伝っていました。大人でも高い背中だから、少年にとってはとても高いはずですが、慣れたものですっと乗ります。




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動物のいのちを考える

2015年09月29日 | 研究など research
朔北社から「動物のいのちを考える」という本が出て、本日届きました。いまどき珍しい地味ともいえる表紙で、気に入っています。興味のある人はご検討ください。多少便宜をはかってくれるようです。

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モゴッド、ウマ

2015年09月29日 | モンゴル
もう少し紹介したいウマの写真があります。

シルエット


川辺で草を食む
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モゴッド、女児

2015年09月28日 | モンゴル
ボロさんの子供たちはウランバートルにすんでいる人もいますが、夏は馬乳酒作りで忙しいので、実家に集まってきます。孫の子供の夏休みも兼ねているようです。町の子といっても、モンゴルの子供ですから、家畜の扱いや家事のお手伝いはできます。子供たちは楽しげに遊んでいます。ときどき私のゲルに来るので、キャンディーを餌に遊びます。言葉はわからなくてもなんとなく感じ合うものがあります。小学生の女の子二人について歩いている小さな女の子がいて、とてもかわいい子でした。雨の日に小さな傘をさしていました。



ところがあとでわかったのですが、この子は男の子でした。モンゴルでは生まれてたしか3歳くらいまでは髪を切らないそうで、髪が長いと幼児は男女の違いがわかりませんが、それだけでなくて着るものも女の子モノです。単にいとこのお古だったみたいです。
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モゴッド、ボロさん

2015年09月27日 | モンゴル
 モゴッドではボロさんのゲルにお世話になります。ご主人のボロさんは自他共認める「生粋のモンゴル牧民」で、家畜を扱うときは威厳があります。こういう頼り甲斐がある男というのは今の日本ではめったに見ませんな。
 彼は夏のあいだ馬乳酒だけで通すそうです。どういうことかって?食事は摂らないで、馬乳酒をガブガブ飲むだけだということです。実際は夕食に少しウドンのようなものを食べるらしいですが、実質ほとんど馬乳酒だけです。そのことに誇りを感じているようでもあります。
 なおボロというのは「茶色」という意味だそうです。会って納得しました。


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モゴッド、ヒツジの群れ

2015年09月25日 | モンゴル
モゴッドはウマの多い場所ですが、もちろんヒツジもいます。ヒツジの群れがいる草原というのが一番モンゴルらしいという気がします。







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タックル

2015年09月24日 | その他 others
ラグビージャパンが南アフリカに勝ったのに感激して、タックルのことを書きました。ゆうべのスコットランド戦の前半の最後に五郎丸が捨て身でおこなったタックル、あれが私のいうむずかしいタックルです。あれはふつうトライになります。
 ボールをもつ側からいえば、すでにゴールは見えている。相手はかなり離れたところで一人だけ。そのまま走れば右隅に飛び込めます。だが、五郎丸は考えられない速さで近づき、横っ跳びに少し相手の前に全体重をかけた。あれが真横だったら、跳ね返されないまでも、あれだけ見事に外にふっとばない。走るコースと体重のかけかたが、少しでもずれていたらトライにつながっていました。逆にいえば、五郎丸の位置がもう50cmランナーに近かった場合、相手は「タックルが来る」と予測して、走るコースを変えるか、あたりを予測して腰を入れて(体重を五郎丸のほうに移動させて)タックルを受けます。そうすれば味方にパスすることができます。あの距離があったから、ランナーはタックルは来ないと判断して、単純な直線走になったのです。まったく信じられない見事なタックルでした。
 試合というものは微妙なもので、あれでハーフタイムになり、盛り上がりが断たれたような感じになり、後半は残念な結果になりました。このとき、プレースキックで点差を縮めるチャンスはあったが、この前のようにトライをとりにいき、今回は裏目に出ました。こういうこともあるでしょう。
 しかし、私はやはりスコットランドが一枚上だったと思います。ディフェンスラインがすばらしかった。日本の攻撃ラインのすぐ前にいるから、ボールをもらった直後にぶつかってくる。パスができないからぶつかるしかない。相手は体が大きいからそこでつぶされる。そのためボールを左右にゆさぶることができなかった。後半になると疲れが出てきて全力でディフェンスに行けなくなるものなのに、スコットランド選手はまったく手をぬくことなく、つねに全力でダッシュし、日本のバックスのパスを封じていた。そのため日本はまったく攻める機会をもてず、これを繰り返していれば、スコットランドには得点する確率が確実に高まります。事実そうなりました。

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モゴッド、草を食べるウマ

2015年09月23日 | モンゴル
ウマが草を食べるのをじっくり観察しました。たしかにウシとは違い、舌を使わないで前歯でサクサクと気持ちよい音を立てて草を食べます。

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モゴッド、川を渡るウマ

2015年09月22日 | モンゴル
川辺で調査をしていたら、ウマが川を渡ろうとしていました。見ていると、バチャバチャと水の音が大きくてびっくりしました。ウマは草原にいてもきれいですが、水を背景にするとシルエットが強調されるようで姿の美しさに印象付けられました。

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